旅立ちの季節である3月は
今までに送り出した
沢山の教え子たちのことを
思い出します。
私が新米教員だった頃
進路指導をしたT君は
とても真面目な生徒でした。
裏表のない真面目さは
少し悪ぶって羽目を外す生徒たちから
時に揶揄われることもありました。
掃除の時間もサボっている生徒が多い中
T君は一人で熱心に掃除していました。
丁寧に細かい所まで綺麗にする姿が
印象に残っています。
学習面でもコツコツ努力をしていましたが
なかなか成果が出ませんでした。
それでもめげずに頑張るT君の補習を
私はかって出ました。
T君のお母さんが仰ったことを
今もよく憶えています。
先生すみません
一所懸命教えて下さっているのに
この子の成績が上がらなくて
私に似て勉強が得意でないんです
でもとても優しい子で
家の掃除もよく手伝ってくれます
その頃まだ独身だった私は
母親の謙虚で深い愛情を感じ
T君の真面目さと人柄の良さは
このお母さんあってのものだと感じました。
高校卒業後
T君は清掃会社に就職しました。
秀でた清掃能力と丁寧な仕事ぶりが認められ、時代の流れの中で大きく成長した会社でT君は今、要職についています。
得意なことを見つけること
真面目に生きること
その大切さをT君は教えてくれました。
親の介護のために退職しましたが
毎年この季節になると
これまでに送り出した卒業生のことを
よく思い出します。
皆が幸せでいますように
元気に頑張っていますように
旅立ちの季節は
希望と祈りの季節です。