エクアドルに住む友人を頼りに、ガラパゴス諸島に行くことができた。よかったな。こんなところまで来るなんて、思ってもいなかった。
青い空、緑に近いキラキラの海、動物たちに囲まれてのんびりボケっと過ごすと思っていたら、久しぶりに「がん」の事をずーっと考えていた。目の前の青い海原とのギャップが、妙に刺激になって「がん治療」のいろいろな事を思い出していた。
スイスの某街。あの病院の独特な雰囲気。抗がん剤治療用のベッド。注射針。点滴の機械。やさしい看護婦さん。X先生いわく、わたしはハーセプチンのおかげで治った。
がん病棟には年配の患者さんが多かったなぁ。わたしは若い方だった。あの人達はどうしているのだろう。
誰にも言わなかったけれど、旅行中ずーっとそんな事を思いめぐらしていた。
ところで、ガラパゴスのゾウガメの寿命は150歳くらいで、200歳の長老もいる。でも、一体どうやって歳がわかるのだろう。
ガイドの青年にカメの年齢はどう見分けるのかを尋ねた。
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」っていう映画を知ってる?
生まれたときは皺だらけで、年をとるにつれて肌がピンとしてくるの。
50歳はまだ皺がいっぱい。100歳過ぎるとツヤが出てきて、150歳になるとピカピカできれいになるの。これがだいたいの目安。カメの歳を当てるには、僕たちみたいにガラパゴスに生まれ育って、動物の勉強もして、目が肥えないと難しいけどね。
野外で出くわすのは大人のカメたちだ。チャールズ・ダーウィン基金の動物センターでは、子亀を見ることができる。確かに、子亀はみな小さくて可愛らしいけれど、シワシワ・クチャクチャだ。
今度スイスに定期診断に行ったら、X先生にガラパゴスのゾウガメの話しをしよう。
カメは「がん」にならず、平均年齢150歳、年をとればとるほどツルツルして綺麗になって、寿命がきたら逝くって。
