『樅ノ木は残った』と父 | エンジェリック乱世のブログ

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山本周五郎著『樅ノ木は残った』読了。
江戸時代の仙台藩、伊達家のお家騒動。
これまでの史実では、悪人とされていた原田甲斐(主人公)がじつは、お家を守る為に戦っていたという物語。
無口で真面目な勤め人の一方、山に入ると大鹿を狙う野生味溢れる別人に。
どこか私の父を見ているようだった。
父は広島のマツダに入社して最後は監査役を勤めた。
仕事に厳しい人だったが、鮎釣りのシーズンが来ると時間を作って朝早くから川へ。地元では名人と呼ばれる腕前で、釣った鮎は近所に配っていた。
本当に父の事が分かるようになったのは最近。年を重ねていくほど、大人として社会人として自分と父を比べる。
父はあまり会話を好まなかった。
今の私が仕事で必死になると、人と話す余裕が無くなるので、父も同じだったのかなと思う。
今思い出したが、一度父にどうして会話したがらないのか聞いた事がある。
子供と向き合うのが照れると言っていた。
それも今なら何となく分かる。
毎日話してくれたのは母だった。
でも、大事な時は父が向き合ってくれた。
父の説教は学生の私に、感情的にならず向き合って話してくれていた。
いつも私は泣いてしまって、それが恥ずかしかったけど、嬉しかった。


(追記)
個人的な感想ですが、ヒロイン宇乃とルパン三世『カリオストロの城』のクラリスが重なりました。