「...てか、お腹すかない?
なにか食べにいかない?😄」

と、いつも通り笑う彼。

「...........えぇぇぇさすがに食欲ないわぁー!」

と文句を言いながらも、彼の車でとりあえず出掛けてみた。

車の中で
「大丈夫だよね?治るよね?」
と何回も聞く私に
「大丈夫、絶対治すよ」という彼。

ただ、申し訳ない。と。
私にも、私の家族にも、自分の家族にも
こんなことになってただただ申し訳と謝っていた。
こんな時にまで周りのことを考える彼。

「大丈夫だよ、申し訳ないなんて思わないで
今は自分のことだけ考えていいんだよ。」
私はそんなことしか言えなかった。

そして私のお気に入りの漫画がたくさんある洋食屋さんについた。
彼も私も漫画が好きで、よく漫画の貸し借りをしていて、特に彼は本当に漫画が大好きらしくて自宅に300冊くらいあるらしい。
料理がくるまで、彼は漫画をよんでケラケラ笑っていた。
そしてカレーライスの大盛りをたいらげた。

帰りは少しドライブしながら帰ることにした。

「あ!あのね!病気になったときは誰かと未来の約束をたくさんするといいって何かで読んだよ!」
「おぉ、そうか😄」
「んとねー、まず彼くんの病気が治ったら一緒に住むでしょー。
あ、そしたら食器とか一緒に買おうって言ってたよね!」
「そうだね😄」
「あとはー、猫も飼って...あ!旅行も行かなきゃね。やっぱり国内なら沖縄かなぁ?
でもディズニーランドとかもいきたいね!」
「いいね、俺も沖縄行きたいな。」
「ね!あと一緒にライブも行きたいし、やっぱりゆくゆくは子供も産まれて.....」

今まで、当たり前に想像できていた未来が急になにも見えなくなった。
考えたくなんてなかったけど、『もしかしたら彼は死ぬのかもしれない』そんなことばかりが頭の中によぎっていた。

窓の外を見ているふりをしていたけれど、私が泣いていることに気がついた彼は無言で私の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
「うん、ちょっとその話をしようと思って。」

珍しく真面目な雰囲気の彼と数枚の用紙。
そして用紙には大きな病院の名前と
検査  CT  採血 
その他たくさんの見慣れない医療用語。


ここから1番最初のブログ記事に話しは戻ります。


「え?、、、なんで?嘘だよね?
間違いだよね?だって彼くんまだ32歳だよ!?」
「医師も驚いてた、まだ若いのにって。
けれどまだ詳しい検査をしてみないと悪性か陽性かわからないらしくて....
でも自分でもハッキリと肺に白いものが見えたんだよね」

本当に本当に何を行ってるのかわからなかった。
癌?しかも肺癌?え、肺癌て確か死亡率高いやつだよね?え?違うよね?肺炎とかの間違いだよね?だって彼くん今は全くタバコも吸ってないし、肺癌てタバコ吸ってる人がなるものだよね?絶対間違いだよね?

彼の言っていることを頭の中でなんとか否定しようとした。
そんなわけないじゃん、絶対お医者さんの間違いだよって。

「でも、俺絶対治すから。
良性にしても手術になると思うし、悪性なら治療もあるだろうし...だから申し訳ないんだけど結婚は保留というか延期にさせてほしい、ごめん。」

この時、初めて泣きそうになった。
あぁ、本当なんだ。本当に彼は癌なんだ...。
1ヶ月ほど前に、二人で婚約指輪を見に行っていた。

「俺としてはこれか、これがいいんじゃないかなーって😄」

彼に見せられた指輪の画像は、私が思っていたのと違った(笑)
というか、世にいう婚約指輪っぽくない指輪だった。

けど、デザインはすごく可愛くて
それよりなにより、きっと彼が何日も家でいろいろネットサーフィンをして悩んで選んでくれた指輪なんだろうなぁと思うと単純にすごく嬉しかったから

「じゃあこっちがいいなー😆」

と即決した。

「サイズがないので発注になります。
10月の末くらいには届きます。」

と、美人な店員さんが言っていたのを思い出して
きっと指輪が届いたんだ!
憧れの箱パカや!
これから正式にプロボーズされるんやー!
ひゃっほーーーいヾ(@゜▽゜@)ノ

って感じで車を走らせて自宅に到着。
すでに到着していた彼はなぜかマスクをつけていた。

「あれ?風邪悪化した?」
「いや、、、まぁ中に入ろう。」

ほぅ(゚Å゚)さすがに彼も緊張しているな。

家の中に入って、とりあえず手洗いうがい。
彼も珍しく自主的にやっていた。
(いつもは私が言わなきゃ忘れるw)

そこで私は彼が置いた白い封筒と数枚の紙に気づく。

「なにこれ??」

指輪の箱はどこにも見当たらなかった。