「会社を辞めるのやめてもいいですか」
翌日、出勤早々に泣きながら言う私に対し
上司たちは暖かく受け入れてくれました。
本当はもう少しで寿退社をするはずだった会社。
「これから治療とかしていくとなると、延期といえどもいつ結婚できるかわからない。
だから会社もできることなら.....」
「わかったよ!明日会社に言う!
多分大丈夫だから!だから彼くんはなにも気にしないでね!」
今の彼に心配をかけてはいけない。
彼の負担になってはいけない。
けれど、会社を辞めない理由「彼が癌になった」というのをいざ口に出すと、それを認めてしまう気がして怖かった。
心のどこかでは、まだ嘘だと思っていたかったんだと思う。
理由は聞いて驚いていた上司たちの口からすぐに叱咤激励が返ってきた。
「まだ陽性か悪性かも詳しくわからないんだから、花さんがしっかりしないと!」
「これから支えていくんでしょ?愛情の見せどころでしょ!」
泣きながらみんなの言葉に頷く。
そうだ、私がしっかりしないと。
私が泣いてちゃダメなんだ。
一番辛いのは彼なんだから。
頑張らなきゃ頑張らなきゃ頑張らなきゃ、彼は絶対絶対大丈夫だから。
そう自分に言い聞かせた。
この時から少しずつ、私の身体にも異変が起きてきた。