2666.【らんな劇場】優芍の幼駿⑩ 〜かくご〜 | 魔道士らんなのトーラムまいご日記

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おはよん(*゚▽゚*)/なぁー
らんです!



はい、今日は【らんな劇場】
優芍の幼駿
第十話をお届けしまーす!

魔法の効かない強大な魔族の前に、杖は折られどうすることもできない母娘とチーカ。

この絶体絶命のピンチに魔族メイビスはある提案をする……。


それでは第十話のスタートです!


ぶーーーー(はじまる音)




ぴちゃ………

ぴちゃ………

しばしの沈黙。


…まだ頭が追いつかない。

ゆうらんは目の前の現実に若干混乱していた。
あわてて、状況を整理する。


素材……?
うらんが素材扱い?!

そして、あり得ない魔族メイビスの発言に憤りを感じるゆうらん。


そんなニンゲンの感情など全く興味がないメイビスは、ふと思いついたのかこうも続けた。

メイビス『あ、そうだ♡
その子の羽根を切取って差し出しなさい?
そうすればあなた達…帰してあげてもいいわよ?

……魔族だって優しいんだから♬』


ゆうらん『ぐっ!』

ゆうらんは悔しくて唇を噛む………
……どうすることもできないの?

こんなの………こんなの………!


……攻撃魔法も効かない!

……神聖魔法も使えない!


だいじなわが子ひとり…
守れないなんてっ!!

ゆうらんを無力感が襲う。
何もできない不甲斐なさ…………


どんなに……

『どんなに絶望したって必ず道はある……
時が来れば……必ず……必ず………奇跡が起こる』


奇跡なんて……もう……考えられないっ!

大好きな言葉も少しこの場にはそぐわない。
どうすれば………!
そんなココロの中を知ってか知らずか……。

ゆうらんの背中には、うらんが『ぎゅッ』としているのだろう……。
服が引っ張られる感覚とほんのり暖かい体温が伝わってくる。


それでも……

この子には……
この子には指一本触れされないっ!!



メイビス『渡す気は……無いようね……?』

膠着したこの状況に、メイビスは若干苛ついている。心底面白くなさそうに顔をしかめる。


尖った指に力を込めるとエネルギーを貯め始め……ゆっくりとこちらに近づいてきた。





うらん『ままぁ………』

不安になったうらんが母を呼ぶ。
ゆうらんは娘に顔を見られないように…
敵に聞こえないように……小さく小さく呟いた。 

ゆうらん『だいじょうぶよ。うらん
………よく聞いてね。


わたしが魔法を唱えたら……
全力で後ろに走りなさい。
何が起こっても振り返っちゃだめ。

そう、うらんが全力で走ったらあいつは絶対追いつけない。
思いっきり全力で走ってね!』

そして……あなた!
うらんのことは……任せたわ』

チーカにだけチラッと見せたそのゆうらんの『眼差し』は、何かの決意を持ったものだった。

メイビスとの距離が4mまで近づいたとき、ボソボソと唱えておいた、とっておきの魔法が完成した。



ゆうらん
『術式/ウォールっ!!』

ゆうらんを中心に魔法が展開される。
メイビス『ええっ?!』
メイビスの身体が大きくノックバックされ、ゆうらんたちから引き離された!

チーカ『うらんちゃん!』
うらん『ままっ!』
チーカ『だめよ!邪魔になっちゃう!』

うらん『ぐぅ……っ』

その言葉に弾かれるようにうらんとチーカは逆方向に走りだした!
逃げるふたりを満足そうに目を細め……

ほんの少しだけゆうらんが微笑む。



メイビス『ちっ!そういうことか!』
追おうと態勢を変えるメイビス。

目標を、逃げる『素材』たちに移し……………



しかし……そうはうまくいかなかった。




ゆうらん『貴女の………相手は、
こっちでしょうがぁ!!』
ゆうらんの全力が込もった、フルスイングの拳はメイビスのこめかみを深く捉えた。


ダメージは大したことはないのだが、うらんたちを逃がす時間くらいは稼げたはず…!




メイビス『拳……?舐めてくれるね……!
そんな弱い拳などまったく効かないわ?

もう貴女に興味はないし…消えて?

………ブラスト』


ゆうらんの身体が突然宙に浮いた。

地面が、はるか下に見え…… 
そのまま後ろに浮いたまま移動する。



いや……身体が熱く…激しい痛みが全身を襲う。
そう、ブラストの火力で吹き飛ばされたのだ。



すべてがスローモーションのように感じられた。ゆっくりと景色がながれていく。

あちこちの骨が折れてるのはわかる。

もう、1ミリだって身体は動かせない。




うっすら見える…ぼんやりした景色の中、着地を狙ってメイビスが魔法を唱えているのはわかる。





メイビスが突き出した腕から夥しい魔力が迸っている。
アレが当たるとたぶん……ダメだろうなぁ………。



ゆうらんがぎゅっと目をつぶったとき………


ユリン『きゅううううううんっ!!』

ユリンのフレアブラストはメイビスの脇腹にヒットし、メイビスの腕に宿っていた魔力は四散する。 
メイビス『この……モブ風情がっ!!』

ユリン『きゅっ』
メイビスが逆の腕で虚空を振り払うような仕草をすると、衝撃波が生まれユリンの身体は光となって消えた……





倒れたままのゆうらんに近づくメイビス。

ゆうらんを眺めるその眼は氷のように冷たく、情も何もひと欠片の憐れみも感じられない。
メイビス『……面白くない』




メイビスは『ふうぅ…』と一息つくと大きな大きなファイアボールを頭上に掲げた。
小さな太陽のようなその火球は、周りの壁を焦がしながら少しずつ大きくなっていく。

ゆうらんは薄れそうになるその意識を保つのが精一杯。
しかし………もう身体は動かない。
指だって……もう……………


メイビス『消し炭になりなさい……?

あなたの娘は追いかけてちゃんと素材にしてあげるから♬』

もう………なにもかんがえられない。

ゆうらん『みん……な……元気…でね………』  
 
小さく小さくつぶやくことしかできなかった。



メイビスが育ちきったファイアボールを満足そうに一瞥し……腕をクンッと振り下ろした。




ごおぉぉぉぅん!!!!
ゆうらんを中心に火球が着弾する。

完全に避けきれるタイミングでもなく、避ける体力も………無かった。

爆発のあとには焼けて四散したニンゲンの……
……誰もがそう思った。



しかし……爆炎の中から現れたのは………
メイビス『じゅ………純天使………』


つづく





はい!
第十話お届けしましたっ。

ホントは第十話はこの半分だったんだけど、両方とも短かったのでくっつけちゃいました♬

絶体絶命のピンチに現れたのは純天使らんな。
でも護ることしかできないんだよね。
果たして……勝機はあるのかっ!


次回をお楽しみにね(o^-')b♬



でわでわ…… 

今日も元気に
行ってらっしゃい♬

またねっ♪(゚▽^*)ノ⌒☆