オートモビルカウンシル:アルファロメオの退廃美とランチアの獰猛美 | オヤジのおもちゃ箱

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行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず・・・・・・

 

上の画像はアルファロメオ1900SSザガート。

カロッツェリア・ザガートによって

1954~56年の間に僅か39台が製作されました。

 レースの為にボディはアルミ製です。

2.0LのDOHCのエンジンは115馬力を発揮。

 

 

ボンネット上のエアインテークが

只者でない事を主張しています。

流れるようなボディラインは

エアロダイナミクスを意識しての事。

普段は古いアルファロメオに無関心のオヤジ。

でもこのクルマは美しいと思いました。🤩

 

 

1950年代のアルファロメオのデザインには

アクの強さを感じていたので

今迄は気に留める事も無かったけれど

今回初めて気が付きました。

これはイタリア流の‟退廃美”でしょう。

 

 

アルファ・ロメオ・ジュリア スパイダー

(1963年)

フェラーリを創業したエンツォ・フェラーリは

戦前からアルファでレース活動に勤しんでいました。

そういった意味でアルファは

イタリア製スポーツカーの老舗的存在。

でも今迄、何度も経営危機に晒されています。

 

 

イタリア人はビジネスも‟感性”なのかなぁ?

クルマとファッションブランド以外で

イタリアの世界的な企業で思い出すのは

オリベッティくらいです。(ちと古い)

今も存続しているのかと調べたら

1960年代に経営危機に陥って

イタリア・テレコムに買収されてました。

やっぱり・・・・・・😲

 

 

でもそういうお国柄でないと

アルファみたいなクルマは生まれないと思う。

ジュリア スパイダーのお値段は1,000万円。

どうでしょうねぇ~・・・・・

投資と考えれば妥当な気もしますが

正直、やや高いと思いました。🤔

最新のジュリアが半分くらいの価格で購入できます。

 

 

アルファ・ロメオGT1300ジュニア(1969年)

古いアルファのイメージはコイツです。

 

 

このお尻が下がったデザイン。

日本車では売れないデザインとして

昔から不評でした。

逆に尻を上げて大成功したのが

初代の日産フェアレディZ。

 

でも今眺めてみると

‟尻下がり”もアリかなと思ったりする。🤔

 

 

今も昔もイタリア車は

計器類がドライバーを挑発します。

 

 

アルファロメオのロゴは面白い。

左側中央は創業の地であるミラノの紋章で

右側はこの地を治めたヴィスコンティ家の家紋です。

蛇に食われているのはサラセン人

つまりイスラム教の信徒みたいですね。

如何にもカトリックの国らしい。

 

 

「ヴィスコンティ家」と言えば

映画監督のルキノ・ヴィスコンティを思い出す。

美しい映像で有名な監督です。

久々に代表作の「ベニスに死す」の

ダイジェスト版を視聴して

その素晴らしい映像美に感心しました。

背後に流れるマーラーの音楽も刹那的です。

一枚目のジュリア1900SSのイメージって

「べニスに死す」の映像美に通じる気がする。

(かなりヘンな考えです)

退廃美にどっぷりと浸りたい方にはおススメの映画です。

 

 

アルファはこれくらいにして、次はこちら↑

ランチア・デルタHFインテグラーレ 

エボルツィオーネⅡレストモッド(1994年)

 

デルタは旧車イベントの常連。

世界ラリー選手権で一世を風靡して

今でも人気のクルマです。

 

 

「小股の切れ上がった」という表現が相応しいクルマです。

なんでこんなにセンスが良いのか?😍🤩

 

 

「塊感」が有って、如何にも高性能って感じ。

高性能なクルマは直ぐに

それなりのスピードの世界に誘うワケで

遣り損なえば通常のクルマよりも

命を失う確率が高くなる・・・・・・

言い換えれば、高性能なクルマは

「死の世界」を垣間見る道具でもあります。

この「死を弄ぶ感覚」こそ退廃的とも言える。

 

 

とても獰猛な出で立ちですが

ドイツのクルマみたいな下品さは感じません。

どこかしらに品の良さを感じてしまう。

ランチアもやはり退廃美か?

 

オートモビルカウンシルのネタ。

まだまだ続きます。