苦節50年 | オヤジのおもちゃ箱

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行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず・・・・・・

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画像は小松製作所(以下コマツ)の“960E”というオフロード・ダンプトラック。
主に海外で、露天掘りの鉱山開発等で使用される建設機械です。

最大積載量は327トンで、最大級。
オフロードダンプには機械駆動と電気駆動がありますが
これだけのクラスになると電気駆動にならざるを得ないようですね。

960Eは排気量78000ccのディーゼルエンジンを搭載し
3500馬力の出力を発生させます。
エンジンで発電し、後輪の車軸に収められたモーターを回転させる仕組みになっている訳です。

327トンといえば4トン・トラック80台分。
強力なトルクが必要になりますので、駆動はレシプロ・エンジンよりモータの方が有利なんですね。
確か、大型客船の飛鳥Ⅱもプロペラはモーターで回していたと思いますよ。

オフロード・ダンプトラックはアメリカのキャタピラー社とコマツが競争を繰り広げていますが
960Eの先代に当たる860Eがベストセラーになり、近年コマツの健闘ぶりが目立ってきました。

更にコマツはGPSで車両の運行状況を管理。
作業の効率的な業務アドバイスを行ったり、消耗部品の在庫管理にフィードバックさせています。
もともとパワーショベルの盗難対策から始まったシステムだと思いますが
最近ではこの技術の応用で、無人で作業するダンプの開発も行っているようです。

ところで、コマツがキャタピラーと覇権を激しく争っている国の一つがインド。
人口が多く、新興国として注目されていますが、コマツがインドに足掛かりを最初に付けたのが
なんと50年前です。
1958年にインド国防省の依頼を受け、トラクターの開発援助を行ったのが始まりだとか・・・

気の遠くなるほど長い年月に渡って、種を撒き続けた結果が現在のコマツの地位を築いたと言えます。
これほど長い間辛抱強く根回し出来るのは、日本人意外にはあまり見当たらないのでは?

まさに“おしん”の世界ですね。(ちょっと古いかな~)

ちなみにコマツは、オフロード・ダンプで使用されている電子制御技術を
FⅠコンストラクターのロータスにも供給しています。

もうそろそろキャタピラーが、射程距離内に入っているのではないでしょうか?

恐るべし、日本企業!