2023.3.6

教育こども委員会での2つ目の質疑です。

 

野上らん

「先ほどより、妊娠期からの支援について述べさせていただいておりますが、核家族化がどんどん進んでおり、身近に相談できる人がいないと地域で孤立し、孤独を感じている子育て世帯が本当に増えているとお聞きしますし、感じております。
 そのような状況の中、全ての妊産婦が安心して出産し、子育てができるように、国においても支援が始まり、出産・子育て応援交付金事業が創設をされました。
 我が会派から、昨年11月の一般質問において、交付金事業のうち経済的支援として実施される妊娠時に5万円、出産後に5万円の合わせて10万円相当の支給については、市民ニーズに沿った形で速やかに行き届くよう、早急に取り組まれるよう要望したところであります。
 この経済的支援は、一体となって行うこととされている伴走型相談支援の実効性を高めるためのインセンティブと位置づけられているものであります。出産や子育ての準備費用として活用できる現金支給も大切ですが、妊婦の方が不安を抱えたまま妊娠期を過ごし、そのまま出産に至ることのないよう、心理面での負担や不安感の軽減が最も重要であると考えております。
 国の示す事業内容によると、伴走型相談支援では、出産や育児に対して先の見通しを立てて臨めるよう、寄り添いながら支援を行うこととされており、その際、子育てガイドというものを新たに活用することとなっておりますが、この詳細についてお聞かせいただけますでしょうか。」
瑞慶覧こども青少年局子育て支援部管理課長
「お答えいたします。
 伴走型相談支援については、妊娠届出時、妊娠8か月頃、出産後の3回に、それぞれアンケートを実施した上で面談機会を設けることとなっております。まずはアンケートにより妊婦の妊娠期の気持ちや健康状態、家庭の状況などを把握し、子育てガイドは、面談の際に、アンケート結果を参考にしながら、妊娠期から出産後の見通しや過ごし方、必要となる各種手続、利用できる支援サービスなどを一緒に確認するために活用するものです。
 国が示す子育てガイドの様式につきましては、妊娠期と産後・子育て期、1枚ずつの2枚のシートとなっており、妊娠の初期・中期・後期、それから出産からおおむね2歳までの子育て期までの間に御家庭において準備していくこと、お仕事をされている方に関しては、育児休業に備えて確認しておく点などが記載されたチェックシートになっています。
 例えば、妊娠期に関しては、初期の段階では、出産予定日を会社に伝え、妊娠中の働き方の希望を伝え相談する。中期には、産後の家事・育児の分担を家族で話し合う。後期には、産後の生活をイメージし、自宅の環境を整えるなどの項目について準備ができているかなどを面談者である保健師または助産師が一緒に確認し、必要な支援の情報を提供していくこととしています。以上です。」
野上らん
「これまでも、区役所に妊娠の届出をして母子健康手帳をもらうときや、出産後の乳児家庭への全戸訪問時などに面談は実施していただいておりましたが、新たに子育てガイドを活用していただくことで、何をいつ頃準備し始めたらいいのかなど、今後の見通しを立てやすくなるとも思います。
 特に妊娠も出産も初めてという初産婦の方は、妊娠の喜びと同時に全てにおいて不安を抱えていると思いますので、子育てガイドを実際に面談者と一緒に見ながら、一つ一つ気になっていたことや不安だったことを確認していけると大変心強いですし、この機会を通じて今後も気軽に相談できる場所なんだということをしっかりと周知していただき、妊婦さんへの信頼感と安心感にもつなげていただきたいと思っております。
 この子育てガイドは、国から様式が示されているとのことですが、そのまま使用するのではなく、妊婦や子育て世帯にとってより分かりやすく、今後の見通しが立てやすくなるような、大阪市ならではの必要な情報などの工夫もしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
瑞慶覧こども青少年局子育て支援部管理課長
「お答えいたします。
 子育てガイドは妊娠期から出産後の育児にわたり活用することとなっており、里帰り出産で出産後の家庭訪問を他都市で受ける方や妊娠中に市外転出される方も、他都市でもガイド内容を引き継いで活用することが想定されるため、基本的には国の様式に準じて使用することとしています。国からも、別様式を使用する場合でも、様式に掲載している情報は網羅することが望ましいとされています。
 しかしながら、委員御指摘のとおり、本市にお住まいの方が、見て分かりやすく、また使いやすいよう、例えば利用できるサービスメニューの事業名称について本市の使用している事業名称へ変更するほか、本市独自の行政サービスも追記してまいります。
 また、子育てガイドに記載されているサービスメニューをもっと詳しく知りたいと思われた場合に、すぐに必要な情報にたどり着けるよう、こども青少年局と民間事業者の官民協働事業により開設している子育て支援情報発信サイト、すくすくのQRコードを掲載したり、子育ていろいろ便利帳や母子健康手帳の該当ページを記載したりするなど、限られた紙面ではありますが、可能な範囲で工夫してまいります。
 子育てガイドの活用により、少しでも安心して妊娠期を過ごし、その後の出産・育児に不安なく臨んでいただけるよう、妊産婦やその御家族に寄り添った支援に努めてまいります。以上です。」
野上らん
「ぜひこの事業をきっかけに、妊娠中も、そして生まれた後にも、つながりと寄り添いを続けていただきますようよろしくお願いいたします。
 すみません。冒頭の質疑で申し上げておりましたが、重大な虐待死事案におきまして、妊娠届を出されていなかったということもあり、こういった事業が妊娠届出をする一つのきっかけにもつながればいいなと思うところもございます。母子手帳をお渡しするときに初めて行政とつながるという妊婦さんも多いのではないかと思っておりますので、何度もすみません、ここでしっかりと信頼を深めてつながりをつくっていただき、そして届出を出された妊婦さんには、ぜひとも何でも気軽に信頼して相談できる場所なんだということを知っていただき、ネウボラがさらに活用されればと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。」