〜完全版製作編〜 胴縁サイド取付タイプ | Do It Yourself!

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自作品の写真や日々感じたことを日記のつもりで書いてます


アルミ複合板、ステンレストングタイプ↓
胴縁脚裏側取付タイプ↓

 前回 の構想編を経て、クドいようだが今回も胴縁を使いながら今度は裏側に添わすのでなく、脚の外側側面に添わして重荷をサポートできる物を製作する。
机上の構想では側面に添わす事で長さ調整や折りたたみ機能を備える事ができそうである事がわかった。より進化した完成形を目指して製作する。この重荷軽減シリーズはこれで完結したいと思う。

・試作品の製作。
 各詳細寸法を煮詰める前にざっと試作品を作り、一番効果を発揮できる各部材の長さや接合部と膝の位置関係を確認した。
サポート機能がうまく働かなかった悪い例↓
機能できた良い例↓
こうできれば直立時にサポートしてくれる
詳細寸法を図面に記しながらより満足いくものにする為に再度作り直す。


 度々私事を恥ずかしい話なのだが、私は背は低く(160cm)、足も短い為に度々メリットよりもデメリットを感じながら生活している人間だ。(バイクの信号待ちやらズボンの裾直し等、改めて考えると不自由な事が多いな…)
 膝の部分に3個開けられた穴のうち真ん中を自分に丁度良い膝の高さに設定してある為、このような寸法になっている。地面から膝裏の曲がる(膝裏にあるシワがある)ところまでの長さは42cm。その上下それぞれに3cm 毎に穴を開け、足が少し長い人は上の穴の45cmに設定してみようか。小柄な女性なら下の39cmあたりが丁度良さそうだな、婆さんホレ付けてみれ!といった感じ。或いはオラは180cmあるんだけんど、これじゃ短すぎねぇかい!
まぁ皮肉じゃないがこの仕組みはそもそも体の小さい人、弱い人が使う前提となっている。デカい人向けに決められたような効率ばかり重視した製品が多い中で、少しでも対応できるように弱者が考えた物なのでそのへんはご勘弁願いたい。どうしても大きい人向けに欲しいなら材を長くとり穴を開ければいい。

  ・製作の記録
 順を追って製作しながら記録画像を撮っていくと思ったよりも枚数が多く増えてしまい、このアメブロでは掲載枚数が限られてしまうので小さい画像を1枚にまとめて載せている関係上少々見え難くなってしまった。

脚部材のカット〜長さ調整穴加工
〜逆曲がり防止金折取付


〜足裏金折取付〜キャスター部品取付



荷台受け取付〜ベルト通し取付

〜腰当て材取付〜製作完成

 〜折りたたみ方法 


・各工程の詳細説明
〜脚部材のカット〜
 脚部材には杉胴縁(18✕45✕1820mm)2本を使用。脹脛部分470mm、太腿部分を605mmで2本づつそれぞれノコギリでカット。

〜長さ調整穴の加工〜
 脹脛部材に5mmのキリ穴を3センチ間隔で3箇所(390mm、420mm 、450mmの位置)開けた後、太腿部材と130mm重ね合わせ共に穴を開けた。M5✕50でネジ止めし蝶ナットで膝と一緒に曲げられる程度に締め付けた。

〜逆曲がり防止金折の取付〜
 金折35mmを太腿部材の先端から5mm程にげた内側に1箇所、膝上部に1箇所3.2mmのキリ穴を空けた後M4✕16でビス止め。(左右同様)膝の反対方向への折れ曲がりを防いだ。先端から離して取り付けると折りたたみ時に干渉してしまい畳めなくなるので微妙な位置は確認しながら取り付けた。
  
〜  足裏金折取付〜
 金折60mmを使用し、3.2mmのキリ穴を開けてからM4✕16で2本ビス止め。(左右同様)
足裏で踏む事で脹脛部材が直立してブレずに固定できるようになる。そうすることで直立姿勢で脚を真っ直ぐに伸ばした時にも接続した太腿部材をしっかり安定させる事ができサポートできるようになった。

〜キャスター部品の取付〜
 前回の構想編で脚の付根部で細い可動を可能にしていた部品の正体はキャスター。
アルミ複合板、ステンレストング使用、前回胴縁脚裏取り付けタイプ等、これまで作ってきた様々なバージョンの中では考えつく事ができなかった新たなアイディア。この自在キャスターを採用して股関節本来の動きに近づける試みが今作一番の工夫点となっている。
使用するキャスターの車輪の大きさは直径Φ40mm、幅は18mm。このサイズの大きい物まで100円ショップで購入 (2箇)できたのはコスト的にも抑えられて嬉しい。
ただし、取付前にこの使わないタイヤを外すための加工が必要となるのでニッパーと金槌、先端が尖ったドライバーのような(ここではラチェットを使用した)工具は最低限必要になる。
画像のようにニッパーで軸の頭を潰し削り、金槌で軸を叩いて押し出すと外れる仕組みになっている。キャスターの車輪幅(18mm )と杉胴縁の厚さが同じである為、丁度良く収める事ができる。動きを確保する為に2、3mm程度隙間を開け、部材の真ん中に印を付け、ひび割れ防止に3.2mmのキリ穴を開けてからM4✕16で4箇所ビス止め。(左右同様)回転してみて金具と木材の干渉する所(当たり)が無いか?あたる部分はヤスリやカッターで削り取った。

〜荷台受けの取付〜
 荷台の支持金物は120mmのL字金折を使い水平材の中心に歩行時にも台を水平に保つ為に5mmの穴を開けた後、可動できるようM5✕30でビス止めし、蝶ナットでこれも可動できる程度で締めつけた。蝶ナットにすれば工具不用で手で締められて高さ調整する場合楽にできる。
重たい荷物は大きい物が多いので腰までの長さがある物がほとんど。なので荷受け台の位置は一番下げた(4つの穴のうちに一番上に止める)状態にしておけば間違いない。
この4箇所の穴のうち下の2つは後ほど胴縁を取付けるので空けておく。上の穴2箇所で調整する。(穴の間隔は3cm)
重荷の受け板は半端材の合板12mmを25cm✕幅120mm位でカット。(安売りしている半端材コーナーで入手できる丁度良い大きさの物を利用)12mm厚を貫通しないようにM4✕10で4箇所直接ビス止めした。

〜ベルト通しの取付〜
  家にあったホース(より丈夫な耐圧ホース)を10cmカットした後4分割したものを使用しているが、同様に柔らかく丈夫な代用品はいくらでもありそうなのでもっと見栄えの良い物があれば使いたい。350mmの材を7cm間隔で5等分し4箇所に取付。M4✕10のビスで上下4本づつ8本を穴を開けずに直接止めた。
狭くて後からベルトが通らないという事がないように厚さ分を確保しながら取り付けた。

 〜腰当て材のカット、取付〜
 背負って見ると荷受けの金折が荷重をうけて回転して腰に当るのが後から気になったので腰当て材として余った胴縁を300mmカットして下の穴2箇所を使ってM4✕16で直接ビス止めした。体への金具の食い込みが胴縁の面積で受ける事で和らぎ改善できた。

 〜完 成〜
 写真をとりながら製作していると作業終了までだいたい1時間半程かかった。
1つ目のキャスターの解体に少々手間取ってしまったが、2個目はコツをつかんで楽にできた。
金折のビス止めは接着剤を塗りながらビス止めすればより丈夫になっただろう。またネジ止めしたナットの頭に瞬間接着剤を塗ると外れにくくなる。
反省点はあるものの、折りたたみ機能も実際再現でき、計画どおり形にすることができた。


~装着手順〜
①靴を脱ぎ、足裏の金折に脚を乗せて左右の足首をそれぞれべんりベルトで巻きいて縛る

②足首を縛ったままの状態で長靴を履く

③立ち上がって膝下付近を更にベルトで縛る

④腰に付けているベルトを取り、ズボンと補助具のベルト通しに共に巻いていく


⑤可動域を確かめる
装着ができたらいきなり無理な力で壊さぬように可動域を把握しながら少しづつ動かしてみる。ウォーミングアップも兼ねて人馬一体感を確かめた。
キャスターが非常にスムーズに動いてくれて様々な動きに追従してくれた。(何に使うのかしらんけど普通そんな動きしねぇだろ)
 


⑥重荷を背負う
実際に水を満タン(15リットル)に入れた20kg程の重荷を背負ってみる。
重荷を背負い荷受け台に重荷の底面を載せる。膝を伸ばした状態で直立姿勢になりベルトの肩への食い込みが減少するのを感じてみる。
ベルトを調整して締めたり緩ませることでも重荷を多少上下させて微調整はできるが、重荷と荷受け台に隙間が生じてしまうと荷重は自分の肩へと圧し掛かってくる。歩行時も常に底面がしっかりと台に載っている状態になっていなければサポートはできない。緩みすぎて無理に下げている場合だと荷台に乗っていればサポートはできるものの作業時にズレたり動いてしまうので、そんな時は少々面倒だが今度は荷台を上げ蝶ナットを1つ下の穴に変えてみる。(3cm荷台の高さが上がる)
それでも隙間があるようなら板やタオル等適当な物を挟んで嵩上げするしかない。

重さに顔を歪めている様子をみただけでもこのレベル20kgの重さともなると普通に背負うだけでも重く、結構気合が必要なのがわかるはず。(ちなみに私の体重は47kgだ)
荷受け台の中央に載せて直立の姿勢を取ってみた…足裏に支持材を添わせていた場合と比べると、この下から支えてもらえてる感じはこれまでと同じ感じだ。ベルトがゆるくなり手で持ち上げると隙間ができる。そのまま片方立ちしてもベルトの緩さは変わらない、つまりサポートできていてベルトの肩への食い込みが軽減されている事がわかる。そのまま作業体制に入り動き回ってみた。
今までは歩くと腰の水平材の横木と荷台が一体化していた構造だったので、一本踏み出す度に荷物も揺れ動き歩きにくかったが、今作は見事に改善できた。
今回の改善点の目的の1つがこの歩いた時の荷物の揺れを常時水平に保つ事だったので、荷台を横木とは別に独立させた事が功を奏した。
今シーズンは準備万全、重荷なんかもう怖くない!スムーズな動きも手に入れ、いざとなれば小走りもできる。効率を下げることなく仕事さえ楽しみながらやりたい。体を蝕む重荷なんて受け流してくれる!
作業時間の中で如何にこの重荷サポーターに多くの荷重を預け支えてもらう事ができるか?サポートする、しないの瞬間の積み重ねで一日の疲労度は大きく変わってくるので体に降りかかる荷重を逃がす事を意識して作業しているうちにこれまでの重労働がいつの間にやら軽作業、、に変わっている事に気が付くはずだ。

〜概算金額〜
 《木 材》
 ・杉胴縁(18✕45✕1820mm )@¥250✕2本=¥500
・荷受け板(250mm✕110mm 厚さ12mmの物を使用)端材コーナーとかでサイズが適当なものを代用して¥300程
                                                   木材①合計 ¥800

《金具類》
 L字金折
・35mm×2個使用  @40✕2個=¥80
・60mm×2個使用 @70×2個= ¥140
・120mm×1個使用 ¥150
                                             金具類 合計②¥370

《ネジ、ビス類》
・M5×30トラス小ネジ(5本/袋)¥120 ※3本使用 
・M5×50 さら小ネジ(4本/袋)¥120 ※2本使用
・M4✕16 タッピングトラスビス
(100本入り/袋 で)¥350  ※18本使用 
・M4✕10 タッピングトラスビス( 100本入り/袋)¥350 ※12本使用 
・M5 蝶ナット @15✕3個 ¥45
                                ネジ、ビス類合計③¥985

《その他》
・ホース(家にある耐圧ホース 使用)¥0

・ベルト (普通の作業着で使っている物)¥0

《100円ショップにて購入》
・自在金具付きキャスター(車輪径φ40㎜ 幅18㎜)×2 個 ¥200
・べんりベルト(4入/個)  ¥100
・ゴム紐(3m)※半分にカットして左右で使用
・瞬間接着剤 ¥100
                                      百均 にて合計④¥500
                                          ①〜④ 総合計¥2655

ざっと3000円で重荷から開放できるなら安い買い物だと思う。