蘭子さんが、在日本ベルギー王国大使館で開催されたコンサートで、歌曲「色は匂へど」を日本初演されました!
蘭子さんは、渡欧中 ベルギー・ブリュッセル王立音楽院でマスターを修了されたご縁で、ベルギー大使館で開催されるコンサートに出演されることが多く、今回も『日本-ベルギー修好150周年記念コンサート』での歌唱です。
蘭子さんが選んだ曲は、パリ在住の邦人現代音楽作曲家 吉田進先生の処女作「色は匂へど」。吉田進先生はパリのコンセル・バトワールでオリヴィエ・メシアンに作曲を師事し、最初に作曲した現代曲が、この「色は匂へど」。パリで初演されたこの曲を、日本でも是非紹介したいという蘭子さんの想いが実現しました。
この歌曲「色は匂へど」の歌詞は いろは47字のみ、つまり「いろはにほへと ちりぬるを / わかよたれそ つねならむ / うゐのおくやま けふこえて / あさきゆめみし ゑひもせす」なのですが、すべての仮名を重複させずに作られていることを尊重して、音形も七五調の12字セット毎に12音技法を用いて音を重複させずに作られています。
歌唱も ひら仮名朗誦を通じて、歌詞の意味である「色は匂へど 散りぬるを/ 我が世誰ぞ 常ならむ / 有為の奥山 今日越えて / 浅き夢見じ 酔ひもせず」を浮かび上がらせることを狙った曲とのことで、とても興味深い作品でした。
リハーサルの時に、吉田進先生から、作曲時に楽譜を巻物にしようかと考えていたという話を伺って、蘭子さんは手作りの巻物楽譜を用意!今、日本で屈指の現代音楽ピアニスト 飯野明日香さんとの共演で、吉田進先生の世界を創りだしていました。
吉田進「色は匂へど」日本初演
吉田進先生、飯野明日香さん(pf.)、蘭子さん
中央が駐日ベルギー大使 ギュンテル・スレーワーゲン御夫妻