4月になりましたね。
今年は私にとって、時間が経つのがとても早く感じられます。既にこの3ヶ月で、心に刻まれるほどの色々な出来事がありました。

3月は特に苦しく、私にとって忘れられない月となりました。

最愛の父との別れ、引っ越し、親友との別れ、仕事のこと。3月末までに片付けなくてはならない色々なものが一気にやってきて、それに向き合う時間も心の余裕もないままに、震災が起こり、より一層、不安とストレスを抱える情緒不安定な日々が続きました。

ニュースや新聞から伝わる映像や写真、情報を見て、あまりの悲惨さ、悲しさに、ただただ涙を流すことしかできませんでした。本当に、自然の力の前では、人間はただただ無力です。

昨日お話した10歳の男の子が、言っていました。
『誰のことを恨むことも、責めることもできない。だから辛い』と。

家も財産も失い、親兄弟、ペット、恋人や伴侶、友達や先生、学校や職場を失ってしまった方。思い出の品も写真も、何も手元に残らず、未だに探し続けている方。大切な人達の安否が今もわからず、ずっと不安を抱えたままの方達も大勢います。

悲しみのやり場もなく、孤独で不安で、これからどうしていけばいいのかわからないと、途方に暮れている方が多いと思うのですが、ニュースで被災地の方々の顔が映し出されると、子供達も、おじいちゃん、おばあちゃん達も、『私達も頑張るので、毎日を頑張ってください』と明るい表情で言うのです。こちらの心が温かくなるような勇気づけられるメッセージでした。そして、人間は強いなぁと改めて思いました。

私の友人の20代の男の子は、平日の仕事を終えると、金曜の夜から日曜の夜遅くまで被災地へ出向き、仲間達と一緒に、スコップ片手に、泥水にまみれながら作業を続けています。毎週、休みなくそれを繰り返していたので高熱を出してしまったらしいのですが、それを心配すると、『来週末、被災地へ行くまでに治さなくては!』と一言。
彼のボランティア精神に目頭が熱くなりました。

以前、私のネットラジオに出演してくださった山田宏巳シェフやパティシエの鎧塚俊彦さん達も、仲間を募り、被災地へ炊き出しへ。寒い体育館で、少ない食べ物をわけあって食べていた被災者の方々にとって、温かくて美味しいお料理の数々が、どんなに嬉しかったことでしょう。胃袋を満たすだけでなく、きっとその温かさに、束の間、心も満たされたことでしょう。

都内で物資を集め、仕分けをし、トラックで被災地へ運んでいる仲間達も沢山います。私の元へも、Gacktさんと一緒にトラックで運んできたという知人から、物資の支援のお願いメールが届きました。

震災後、本当にすぐに立ち上がり、行動に移している彼等。何かしたいのだけれども、自分のことで精一杯で、何も出来ていない自分にもどかしさを感じていました。

義援金やチャリティーイベントなど色々な方法で、何か力になれることを皆が探し、実践しています。私には何が出来るのだろうと考え、まずは、近くのスーパーや施設で救援物資を集めているところへ、段ボールいっぱいの衣類や防寒具を届けることにしました。

当面は、物資や食料といった生活に関わってくる現実的な物が必要だと思いますが、もうすでに、心のケアも必要な段階になってきているのではないかと思います。心に潤いをもたらすもの。それは、音楽だったり芸術だったり、娯楽だったり。ストレス発散の為の運動であったりします。

被災者の声の中で、生の音楽、演奏を聴きたいといったものがありました。私の仕事は歌うこと。被災地へ行って、無名の私が歌ったところで、誰も喜んではくれないかもしれません。ですが、そんな機会がもし許されるのならば、電力をあまり使わないアコースティックな形で癒しの音楽達を届けられたらいいなと思っています。

4月になり、私自身も色々なことを乗り越え、片付け、心が回復してきました。今は、清々しい気持ちで毎日を過ごしていける気がしています。

仕事にも集中して、良い曲を作っていこうと思います。被災地の方達の心に希望を与えることのできる曲が作れたら幸せです。


最後になりましたが、この度の大災害で被害に遭われた皆様方に、心よりお見舞い申し上げます。

震災後に、被災者・被災地の皆様へのメッセージを書きました。こちらは、私の所属事務所テンカラットの女優さん、俳優さん、モデルさん、アーティストさん達からの祈りのメッセージです。

一人一人の気持ちが大きな集合となり、今、日本中を優しく包んでいます。私も、自分にできることを考えていきたいと思います。被災地の一日も早い復旧復興を心よりお祈り申し上げます。

被災者・被災地の皆様へのメッセージ
http://www.tencarat.co.jp/shinsai_message