■ 私の生きる目標も延期するよ!
私の延命治療が始まったのは2018年6月下旬から。その頃は今生きることに精一杯でいつまで生きることが出来るか、あまり想像できていませんでした。
それから少し経った頃から少なくとも東京2020オリンピック・パラリンピックまでは生きたい。オリンピックをこの目で見届けたいと思い、生きる目標をまずは2020年の東京オリンピック・パラリンピックと定めていました。
その東京オリンピック・パラリンピックが1年程度延期になることで動き始めました。
よーし!私の生きる目標も更に延期だ!
今の状況を考えるとオリンピックは予定通り開催することは絶望的で、だとしても中止はあってはならないことなので、延期するしか無い状況でした。
これから大変な調整が必要になると思います。アスリート、スポンサー、参加国、関係自治体省庁、観客、ボランティア、他の大会との調整、施設会場の調整等々、ステークホルダーが多過ぎます。
システムのプロジェクト調整も利害関係が絡み物凄く大変なのに、オリンピックの延期調整など想像を絶する世界です。
ただこれを乗り越えれば、東京オリンピック・パラリンピックは史上稀に見る感動を生む大会になると思います。
日本国内だけでなく世界中が同じ困難を乗り越えたことで一つになることができると思います。この困難、苦労は無駄にならないと思います。一つ大きな病気を乗り越えた時の幸福感と同じことが訪れるのではないかと思っています。
もちろんこの新型コロナウイルスの影響で窮地に陥った方々、不幸にも感染してしまい重症化してしまった方々などを忘れてはなりません。そうした方々にもオリンピックを成功させることで何かメッセージが届けられればと思います。
この新型コロナウイルスが1年後にどうなっているのかまだ分かりませんが、影響が小さくなっていることが大前提で、そのために出来ることを一人一人がやらなければなりません。
アスリートにとっては時期がずれること、選考のあり方によっては出場できなくなったり、残念では済まされない人も出てきてしまうと思います。
一方で若手の台頭など上記とは反対のことも出てくると思います。全てを喜びに変えることは出来ないとは思いますが、このオリンピックを成功させるように心を一つにして努力すれば、素晴らしい大会にすることが出来ると思います。
そう願ってこの大会の延期を前向きに受け入れて、私の生きる目標も延期したいと思います。