貴重な経験 | range4xのブログ 中咽頭がんステージⅣからの生還 そして再発 延命治療へ

range4xのブログ 中咽頭がんステージⅣからの生還 そして再発 延命治療へ

2017年1月、中咽頭癌ステージⅣの告知から放射線化学治療を終えて、一旦会社復帰しました。再発して進行が早く手術が困難となり、抗がん剤による延命治療を選択しました。再度会社復帰した後、上咽頭にもガンが広がったため、オプジーボに切り替えて延命治療を行っています。

■貴重な経験をさせてもらっています

 

ようやく動けるようになってきました。ここまでの首の筋肉痛・関節痛は初めての経験でした。

 

首が痛くて頭を支えられず、芋虫みたいに頭を布団に擦りつけながら動いている時に、お尻を上げたまま途中で痛みで動けなくなりました(^^;

 

助けを呼びたいけど、私は今何やってるんだと。この状態を見られたら滑稽に見えるだろうなと思ったら、痛くて苦しいのに次第に笑えてきました。

 

おおーこれはまさしく楽しんでるじゃん。痛みや苦しみも笑いに変えることが出来る、楽しめる瞬間だと思いました。

 

ガンを患ってから様々な症状がでましたが、今まで経験したことのない痛みや辛さばかりで、どれも強烈なもので想像を超えました。

 

ガンや病気に苦しんでいる方々の苦しみはある程度想像はしていましたが、想像を遥かに超えてくるというか、実体験しないと分からないことが沢山あることが分かりました。

 

今回の首の痛みだけでも、着替えや物を持つことが出来なくなるとか、口を開いたり食べれなくなるとか、咳が出せない、歯ブラシが入らないとか、影響のある行動、生活のあらゆるところまで想像できていませんでした。

 

そしてそれがあらゆる病気、症状でこれ以外にも沢山あるんだろうと思います。例えばこの筋肉痛や関節痛が腰にきたら相当痛いんだろうと思いますが、やはり想像しただけでは分かっていなくて、実際になってみないと理解できるものではないと思います。

 

同じ想像出来てなかったことでも、ガンを患ってから意外なところに幸せを感じたり、生きがいを感じたり良い面があることも分かりました。
 
もうひとつ貴重な経験になっていると思うのが精神鍛錬でしょうか。トレーニングなどは限界を感じると自分の意志で諦めたり止めたりすることが出来ますが、この病気というものは我慢の限界を超えてきても負けわけにはいかないので、どんな限界が来てもめちゃくちゃ頑張るんですよ。死ぬ気で頑張るという状況です。限界は自分で作っているだけなんですね。
 
例えばマラソンを走っていて、もう死にそうだから走るのやめようと思っても、走るのを止めたら本当に死ぬことになることが分かっていたら、死ぬ気で頑張ると思います。
 
死と隣り合わせになると自分ではもう限界だと感じているのに、その限界を次々と乗り越える不思議な力を発揮することが出来るようです。
 
白血病治療中の池江璃花子さんが、乗り越えられない壁は無いということをおっしゃいましたが、世界の頂点を極めるため、死ぬ気で頑張ってきた一流のアスリートだからこそ、若くしてそのことを知っていたんですね。この言葉が心に響くようになりました
 
今は生物として根本の欲求である生きるための頑張りではありますが、これを更に上の次元で実現することができれば、仕事などプロの世界でもより高いところへ導いてくれるのではないかと思います。
 
上の次元の欲求になるほど人それぞれの考え方や価値観があると思いますので、目指す方向や頑張りも様々だと思います。そしてどこかで息抜きできるポイントや楽しみ、余裕を持つことが大切だと思います。
 
実績を上げながら健康に生きていくためには、陰と陽、押しと引きなど、呼吸のようなバランスが大切なんだろうなと思います。
 
何故なら体の仕組み自体が寝たり起きたりなど、交感神経と副交感神経をうまくバランスしながら生きているので、より良く生きていくヒントにしたいと思います。
 
病気にならない秘訣についても今の病気を通して考えていきたいと思います。
 

ガンを患ってから良いことも悪いことも貴重な経験をさせてもらっていると思います。