
読み始めは、ゆっくりと分けて読んだので
なかなか読み進みませんでしたが、ハマるとスラスラ読めました。
本のご紹介をいただいたとき、
「田舎の農家に嫁いだ女性がただ女の子が生まれたと言うだけで
ひどい事を沢山言われ、終には離婚したのだがあんなに嫌がっていた女の子なのに
親権まで奪われ・・・みたいな全体の物語の1説があります」と教えていただきました。
・・・この一文を読んだだけで、共感する!!
早速、読んでみようと思いました
NHKの土曜ドラマSPでドラマ化もされている、たえ子さんというのが元農家の嫁
わー たえ子さんって、キョンキョンだぁ と、嬉しくなりました
最近のキョンキョンって、特に大好きだもん
読み始めると、昭和の時代がそこにありました。
私は、まだ生まれていないけれど、
両親が出会った時とおなじくらいから話が始まっていきました。
オート三輪とか、あの時代の風景が浮かびます。
この物語は、ヤスさんという一人の男だけの人生では無くて
まわりの人たちの人生も描かれています。
そして、とてもうらやましく、
どうしてこうも不器用だけど、思うように生きていけるのか
そして、愛し愛されるのか
自分だったら、どうだろうと、
登場人物のすべてに自分を置き換えて考えてみました。
もちろん、たえこさんの過去は、胸が潰れそうでした
・・・私はたまたま男の子が生めたので、離婚しなかったけれど
結婚する前の5か月と、結婚してからの5か月で、
見事にノイローゼ発症して、
不妊治療としてか、精神安定からか、まずは漢方薬を飲んでいたのですから
もしも、女の子だけだったら・・・もしも、妊娠しなかったら、
きっと、「たえこ」さんだった。
長男の次に、娘、その次の、末娘が生まれたとき、
もう生んだのに・・・わざわざ「また女や・・・」と姑は言い
さらに「女は、全然可愛くない」と言い放ちました。
もう18年経っても、身体が震えるほど、悔しいです。
自分自身が、まだ「子供」で、親離れできていない・旦那は
ヤスさんのように、子供達に愛情をかけたかというと、かけていない。
・・・など、過去を思い出しながら、正直言ってだんだんと、苦しくなっていくお話でしたが
不思議と、それが嫌じゃないのです。
これからの生き方に、希望がわくお話だったと思います。
親として、自分に足りなかった部分や、これからの人と接し方を
こうしよう、ああしようと想像が広がっていくのです
著者の重松清さんは、「あとがき」で、
関わった方々に感謝の言葉を述べておられます。
本当に優しい方なのだなぁと、ここでも心が温まりました。
こんな素晴らしい作品「どや」って書く人、たくさんいると思いますからね
本で泣けるって、あまりなかったのですが
恥ずかしいながら、泣けました。
***さん 教えてくださってありがとうございました
また、おすすめの本がありましたら、よろしくお願いします



