なんと、1972年に録音された、イーグルスの未発表曲が聴けます。
Youtubeに投稿があり、マイズナテスのファンページで紹介されてました。
わかる範囲で経緯を書きますね。
イーグルスのアルバムは3作目の途中まで、イギリス人プロデューサー、グリン・ジョンズのもと、ロンドンでレコーディングされてます。
イーグルスがファーストアルバムのレコーディングを終えてイギリスから戻ってきたとき、グリン・ジョンズが「Nightingale(ナイチンゲールの歌)」を録音しなかった(または録音を残さなかった)ことに動揺してたそう。
実際は「Nightingale」はファーストアルバムに収録されてますが、ロンドンテイクは採用されなかったんですね。
帰国したイーグルスの失意を慰めるため、経営陣やスタッフが企画したのが、LAのスタジオでの「Nightingale」のレコーディングでした。
その時に同時にレコーディングされたのが、グレン・フライ作・リードヴォーカルの「Get Up Kate」という曲。
こちらの「Nightingale」と「Get Up Kate」のエンジニアリングとプロデュースは、当時スタッフだったYouTube投稿者さん本人とBill Halversonさんの共同とのこと。
ところがグリン・ジョンズがそのことを知り、LAにやって来て、「Nightingale」を再レコーディング。上記の2曲のテープは、グリンによって処分されてしまいました。
でも奇跡は起こった。
投稿者さんは数年前、自分がミックスダウンしたそのテープを見つけ出したのでした。
破壊を免れたコピーか何かがあったんですね~。
「Get Up Kate」は、グレン・フライがケイト・テイラー(ジェームス・テイラーの妹)のために書いた、R&B調の軽快な曲です。
ライブでは演奏されることもあったそう。
Get up, Kate, the Blue Note's calling you・・・
ブルーノートが呼んでるって、ケイト・テイラーについては詳しくは知りませんが、ソウルフルなシンガーだったそうで。彼女への応援歌みたいな歌詞です。
グレンもソウルフルに歌ってます。元気がもらえそうな曲。
サビの部分が「Heartache Tonight」に似てる気がしますね。
こうしてグレンの足跡をいま知ることができたのも、感慨深いです。
ランディ・マイズナーも女性並みの脅威の高音で、パワフルにバックヴォーカルをつけており、少人数でも肉厚なこのコーラスが、イーグルスだなぁって思います。
フラットな感じにミックスされていて、ベースラインがわかりやすいですね。
処分されてしまった幻の「Nightingale」もあります。
こちらのバージョンは、グリン・ジョンズによるものより軽やかでテンポがよく、私は好みです。
(なかなか聴けない、もうひとつの幻のイーグルス「Get You In The Mood」はこちら)
(夏海さんも「Get Up Kate」についてこちらに書いてます)
Eagles - Get Up Kate (unreleased 1972)
Eagles - Nightingale (unreleased 1972)
バラード曲ですが、こちらがケイト・テイラーの歌声。
Kate Taylor - You Can Close Your Eyes