永遠のイーグルス | ランディ・マイズナー 心の歌

ランディ・マイズナー 心の歌

イーグルスのベーシストだった
ランディ・マイズナーの軌跡、心に響く歌声を
バンド別・アルバム別にご紹介してます
イーグルスほか、70年代ヒットも満載です


一昨日グレン・フライの死を知って、喪失感はじわじわと増してくるだろうと書いたけど、その通りうちひしがれている・・・。

グレンを偲び、あふれだすイーグルスへの思いを書こうと思う。


イーグルスの音楽には透明感がある。
シンプルな曲でも、随所に聴かせどころが盛り込まれ、作り込まれている。


私が洋楽を聴き始めたのは、小学校を卒業した春休みごろからだ。
それは新鮮な衝撃だった。
夢中になってラジオを聴いていた。

1975年。
当時イーグルスは、アルバム「呪われた夜」で全米1位を獲得。
続く「ホテルカリフォルニア」は、音楽史に残る大ヒットとなった。

私が洋楽にときめいていた時期は、イーグルスの全盛期に重なっている。
多感な中学生のころだ。

私にとってイーグルスは、円熟した大人のサウンドだった。

カッコよすぎた。
美しいハーモニー。ジーンズに長髪。
私には手の届かない、憧れのアメリカだった。

とくにラジオ番組「全米トップ40」で聴いたイーグルスのヒット曲は、忘れられない。
リアルタイムで順位が発表される高揚感。
たくさんのトップヒットを聴いた。
もちろんイーグルスは、毎週のように曲がかかった。


当時の私にとって、「洋楽が好き」ということは、大切なアイデンティティーだったと思う。
ちょっと背伸びしてるような、大人な気分というか。

実際は、中学3年間の学校生活は、私の心に暗い影を落とすことが多かった。
でもこうして歳を重ねて、洋楽を聴いていた自分を振り返ると、光に包まれている幸せな姿として見えるのだ。
きらきらと輝く、宝物のような経験だったんだな。


思春期の少年少女には、明日は限りなく永遠に続いてる。
あの頃の私は、未来への希望に満ちていた。終焉とは無縁だった。

それは、長い人生を歩み疲れた私たちが、もう感じることができない、まぶしさ、みずみずしさ。
今だって前向きに生きてるけど、限りというものも感じている。

だからイーグルスを聴くと、切なくなるのかもしれない。
泣きたくなってしまうのは、もう帰ることはできないからだろうか、限りない未来があったあの頃には。


イーグルスの音楽には透明感がある。
シンプルな曲でも、随所に聴かせどころが盛り込まれ、作り込まれている。

グレン・フライが歌った全米No.1ヒット「ニュー・キッド・イン・タウン」は、その典型のように思う。
カントリーロックで培ったくつろぎと、都会的な洗練が溶け合った、素晴らしい曲。

グレンとドンのうっとりするほど美しいハーモニーに、涙を誘われる。
あの頃引き込まれるように聴いた、透き通るような歌声・・・


イーグルスは永遠だ。
聴く者の心の中に生き続ける。

いつだって、こんなにも心を揺さぶるのだ。


(歌詞についての記事はこちらに→(「ニューキッドのブルーアイドソウル」
Eagles - New Kid In Town