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神戸RANDOM句会

シニアの俳句仲間の吟行・句会、俳句紀行、句集などを記録する。

われらがマドンナ、神戸RANDOM句会の名幹事の増本由美子さん

      ( 以下 「だっくすさん」 )が、2022年7月31日に亡くなられました。

       77歳でした。心からお悔やみ申し上げます。

だっくすさんの神戸RANDOM句会全作品

6月に中作清臣さん(播町さん)が、7月にはだっくすさんが亡くなられ、神戸RANDOM句会にとって、今年は寂しい夏になりました。

播町さんの提案で20年前に始まったわが句会は、つねに研鑽を積まれている女性陣と、いつまでも素人のまんま(?)の男性陣の絶妙のバランスで楽しく続いています。

だっくすさんは、句会のスタート時から、吟行・句会・宴会がセットの句会の世話役を引き受け、会を盛り上げて来られました。数年前に腰の手術をされてから世話役は一風さんと交代しましたが、句会の進行はつきひさんと一緒に最期まで務めました。

神戸RANDOM句会では、これまで2,000句を超える句が詠まれましたが、最高得点の11点を獲得したのは3句。そのうちの2句がだっくすさんの作品です。優勝は4回、準優勝は9回、出句すべて得点のパーフェクトは12回。世話役で句会の当日もあれこれ気配りして雑用をこなしながら、多くの名句・佳句を残しました。  

20年間に36回開催された神戸RANDOM句会でのだっくすさんの作品を以下に列挙します。

 

第1回 春らんまん有馬湯けむり句会 2002.4.13 …準優勝・パーフェクト(出句すべて得点)

   

花の風有馬は坂の多き街

せせらぎの流れに乗らぬ花筏

ねね橋をゆっくり渡る春日傘

金泉に春愁の身を沈めをり

剃りすぎし眉を描くも春愁ひ

 

*第2回 篠山「花の木」フレンチ句会 2003.7.26

閉ぢられし能楽殿や蝉しぐれ

篠山の妻入商家麻のれん

鬼百合や丹波の里は単線で

花の木のランチ岩魚もフレンチに

 

*第3回 伊賀上野BANANA句会 2004.10.30

  

上野城どんぐり混じるじゃりの道

秋雨や笠袈裟ぬれし俳聖殿

軒ごとに句のある街に秋惜しむ

 

*第4回 須磨寺かいわい雨中吟 2007.4.22

山と海左右に配し遅桜

遅桜一弦琴の聞ゆ寺

山吹に出迎えられて女子大へ

雨の庭燃やす緋色のチューリップ

楠若葉雨に洗われ華やかに

 

*第5回 伊丹探鳥忘年句会 2007.12.9 …準優勝

    

昆陽池をぐるりと囲み冬紅葉

風に舞う色とりどりの落ち葉かな

広げたる羽の白さや大白鳥

酒蔵のまちの旧家の冬座敷

熱燗があとに控えし伊丹句座

 

*第6回 源氏千年紀・石山寺句会 2008.4.19

   

春らんまん満を持したる初句集

石山のしだれ桜に間に合ひし

行く春の近江に源氏甦る

王朝の紅の色外は春

春愁を忘れ源氏の女めく

 

第7回 明日香村句会 2008.11.23

   

寒すみれかぐわしき香に驚きぬ

ひつじ田をのんびり眺め明日香村

柿紅葉酒船石は藪の中

小春日の飛鳥散策せわしなく

石舞台室に入れば冬陽さす

 

*第8回 龍野句会 2009.4.4

   

花曇り今日は賑はふ姫新線

花を賞で街並を賞で龍野かな

花の雨テントで食べし紫黒米(しこくまい)

童謡の小径つつじの続く径

花疲れ五句作ること難しく

 

*第9回 明石taco句会 2009.11.15 …優勝・パーフェクト

 

菊花展気ままに咲くを許されず

澄む秋の水琴窟や月照寺

子午線の古びし標柱冬隣

天文台秋の海峡広がりぬ

海峡を行き交ふ船や秋日和

 

*第10回 有馬湯けむり句会 Arima Again 2010.4.4 …パーフェクト

   

裏六甲すこし遅れて春の色

老ひしかな少し厚手の花衣

春風や前置き長き猿の芸

まづバスで花の有馬をひとめぐり

春昼の湯らりめぐりの御一行

春愁を鼓ヶ滝に置いてきし

 

*第11回 神戸駅前フォト句会 2010.10.24

住む国の風習に慣れ七五三

秋しぐれ御輿にカバーかけ練りぬ

早や黄葉(もみじ)している欅(けやき)並木かな

紅葉狩り孤独を愛す男かな

僻地にて暮す決意の冬支度

 

*第12回 桜乱舞 王子動物園句会 2011.4.16 …優勝・パーフェクト

今日の日のための落花と思ひけり

花筏流れつ寄せつアシカ池

アシカ池ピンクに染めし落花かな

弁当に彩り添へる落花かな

大地震の復旧遠し花は葉に

 

*第13回 布引ハーブ園句会 2011.10.30

   

秋時雨やめども海のまだ暗し

わが家にも這わせてみたし蔦紅葉

コスモスの濃淡互いを引き立てる

秋風にチェリーセージのすぐ揺れて

ハーブの香満ちたる園に秋惜しむ

 

*第14回 ちょっとセレブな夙川句会 2012.4.7 …準優勝・パーフェクト

   

諸々のことはさておき花人に

飛び石の橋の向こうも花の道

その中にひっそりとした花ござも

花の色トラモンティの色に酔ふ

花疲れ横座りして眺む庭

 

*第15回 しあわせの村句会 2012.11.25 -欠席-

 

*第16回 相生牡蠣喰えば句会 2013.2.1 …優勝・パーフェクト

   

岬まで続く冬木の桜かな

冬凪や万葉歌碑は海を背に

牡蠣の膳囲む句会のぜいたくさ

 

*第17回 夏の絵手紙句会 2013.6.17

紫陽花の咲くを待ちかね車椅子

バラ咲くや老いて手入れのできぬ庭

アカシヤの花降りしきる帰り道

どくだみの角を曲がれば近道と

宝石のやうな箱入りさくらんぼ

 

*第18回 天王山もみじ句会 2013.11.19 …パーフェクト

秋惜しむかつて合戦ありし地に

モネの絵や外は紅葉の美術館

銀杏を踏まぬやう行く宝積寺

鵙鳴くや一夜造りの塔の上

行く秋の天王山の句合戦

 

 *第19回 淡路福良人形句会 2014.4.15 …準優勝

春風や幟は海の匂ひして

人形の白き指先春愁ひ

人形座出れば港や風光る

壺焼を店先で食べ道の駅

麗らかや海の香届き来る足湯

 

*第20回 国宝太山寺句会 2014.11.28 -欠席-

 

*第21回 森林植物園・弓削牧場句会 2015.6.29 …パーフェクト

万緑やフィトンチッドを満喫す

吟行はソフトクリーム食べてより

七変化移ろふ色はどれも旬

あじさい園見落としそうな七段花

冷奴風に供され生チーズ

 

*第22回 魚崎郷ほろよい句会 2015.11.6

大都市の川に落鮎群をなす

住吉川尾を上げ鴨の食事どき

秋うらら酒の香ただよふ魚崎郷

下戸なれど新酒を前にときめきぬ

秋空のやうにすっきり生原酒

 

*第23回 夏の神戸ワイナリー句会 2016.6.12 …準優勝・パーフェクト

青蔦のアーチくぐればワイン城

車椅子やさしく押して梅雨晴間

青ぶだうオルゴール聴き育ちをり

自作の句皿に描けば汗ばみぬ

バーベキュー山桃採りてデザートに

 

*第24回 明石海峡スケッチ句会 2016.10.24

   

天高し淡路島まで船の旅

秋風や潮の香つよく肺にまで

秋風や潮の香あびてスケッチす

秋茄子の色よく煮られ湯気の中

吸物に松茸少し香りたる

 

*第25回 北野工房寄り道句会 2017.4.27

  

夏近し風吹きぬける異人館

名園の池を巡れば亀の鳴く

のどけしや黒白斑の鯉寄り来

キャンドルの絵付け苦手や春暑し

園に憩ひ工房に絵を描く四月

 

*第26回 神戸開港150年句会 2017.11.6

 

秋天を突くかに聳ゆポートタワー

秋日和ドックに休む潜水艦

秋の海船行く先に波光る

冬霞六甲の山ぼんやりと

セーターに残る潮の香余韻かな

 

*第27回 初夏の舞子海岸句会 2018.5.10

淡路より見し橋初夏の舞子より

若葉冷え風吹きぬけるプロムナード

玻璃ごしに卯浪の上を闊歩する

桜しべ降るを眺めて急かさるる

松落葉舞子の浜の松林

 

*第28回 湊川まちぶら句会 2018.11.11 …優勝・パーフェクト

秋の市場買ひたき物の溢れをり

小春日の市場散策主婦目線

母胎てふトンネル歩き秋惜しむ

行く秋のトンネルの先異界かも

トンネルを歩いて出れば天高し

 

*第29回 城下町尼崎句会 2019.5.18

寺町へ欅若葉の道を行く

玉砂利のアートを踏んで夏の寺

ふるさとで幼馴染と出会う初夏

花水木再建なりし城の前

若葉風城の風情は正面に

 

*第30回 御影ハイカラ建築句会 2019.10.30 …準優勝

薪を焼(く)べ大釜で炊く今年米

金柑や石段登り処女塚

秋うらら昼酒に酔ひ御影郷

母在れば土産にしたし新酒糟

酒蔵の町に短き秋惜しむ

 

*第31回 夏のおうちde句会 2020.8.15 …準優勝・パーフェクト

トッピングあれこれ変へて冷奴

復旧の道のり険し梅雨出水

被災地を思ひて凌ぐ炎暑かな

 

*第32回 秋のおうちde句会 2020.11.16 …準優勝・パーフェクト

  

秋惜しむ山のホテルの露天風呂

熱燗や話し上手に注ぎ上手

マスクして眉目(みめ)良き女増えにけり

 

*第33回 春のおうちde句会・三木吟行 2021.4.30

  

雨音の奏でるリズム春眠し

辛党の父が好みし桜餅

幻か出会ひし蝶は大空へ

花は葉に夫がガイドの遺作展

民守る城主の像や春寒し

不揃ひな石段長し犬ふぐり

 

*第34回 2021夏・俳句日記句会 2021.8.5

   

あれこれの薬味も冷やし冷奴

ねむの花窓から見つつ夕支度

初蝉の遠慮気味なる朝の声

夏布団掛けることなき夜が続く

一時間狙い定めて落雷す

 

*第35回 淡河本陣マスク句会 2021.11.29

  

着ぶくれてすつかり婆となりにけり

冬紅葉淡河本陣西座敷

冬の庭灯籠に日のあたりたる

釜飯の炊きあがる香や冬座敷

風呂吹の旨し昼餉や淡河宿

 

*第36回 祝20周年・有馬句会 2022.4.25 …準優勝

惜春や主不在の記念句座

金の湯のぬるき足湯に春惜しむ

春暑し有馬の町は急勾配

風少し松の花粉のけぶりをり

ねね橋の赤き欄干風光る

 

だっくすさんを偲ぶ

句会メンバーから追悼文・弔句が寄せられました。ろまん亭さんは届き次第掲載します。

マドンナ逝く

    ~むなしく、はかなく、なつかしく、せつなく、かなしき夏~    つきひ

★令和4年4月25日の有馬句会

だっくすさん、有馬句会はおそらく欠席されるだろうと思っていました。一風さんから出席と聞きびっくりしました。次男直樹さんの車で下見にも行かれたとのこと。当日は、病気の事など微塵も感じさせないきりっとした振る舞い、いつもと変わらない 『雰囲気のある人』 だっくすさんでした。準優勝されて賞品にお気に入りの金泉焼を貰い喜んでおられました。私はおすそ分けで2個頂きました。

当日の句会を早く切り上げたことを大変残念がっておられました。もう少し句会の余韻に浸りたかったのでしょう。みんなと時間を共有したかったのでしょう。播町さんと共に産み育てたランダム句会をじっくり楽しみたかったのでしょう。だっくすさんにとっては最後となるかも知れない句会でしたから。

無情にも句会を早く切り上げたのは、コロナ感染を心配しラッシュアワーを避けるための幹事さんの配慮でした。

 実は私、3月にだっくすさんから、ご自分の病状についてのお話をお聞きしていました。

★令和4年3月12日の電話

久しぶりにだっくすさんに電話しました。色々な雑談をした後、同じトーンで淡々とご自分の今の病状について話されました。私はその時の衝撃を今も忘れることは出来ません。『私は意外と平気なんですよ』という声から静かで透明な心境が見える様な気がしました。うろたえた私は 『奇跡が起きた例はいっぱいあります』『免疫力を高めるために体を冷やさないように。太陽・月・星などからもエネルギーが貰えます。特に一粒万倍日は効果があります。見上げて深呼吸をするだけでよいのです』と受け売りの健康法などを伝えることで精一杯。

  重き病状告白されし日の雪崩 つきひ

その後、足を温めるためにIWATAの室内履きを送ったり、食欲を進めると思うものがあれば送ったりしました。

その後の電話で『昨日は一粒万倍日でしたね』などと言われ、私の言った健康法を実施しておられることが分かりました。

★令和4年7月24日の電話

だっくすさんの生の声を最後に聴いたのは、7月24日でした。入院中の社会保険中央病院のホスピスからの電話でした。明日、退院することになった、今後の事は、これから相談ですが・・・と。自宅療養が出来る喜びの電話でした。

ホスピスに入られたのは、確か7月8日、その時も電話を頂きました。病院の食事が美味しい、ドクター、カウンセラー共に最高の人に出会えた幸運も喜んでおられました。

そして8月4日 携帯電話が鳴りました。発信元は、だっくすさん。

思わず、だっくすさん、と言ったら、男性の声が返って来て、母が7月31日に亡くなりましたと言われました。次男直樹さんからでした。

直樹さんの声を聞くのは、何十年ぶりでしょう。

だっくすさんと一緒に勤務していた長田保健所時代に1年生くらいの直樹ちゃんと会い、私は、直樹ちゃんに自分を指して『おばちゃん、お姉ちゃんどっち?』と聞いた。即座に『おばちゃん』と返ってきました。

藤井フミヤ作詞 増本直樹作曲の大ヒット曲Another Orion他のCDを買いだっくすさん経由で直樹さんのサインを貰いました。日付は1996.10.17となっています。

電話を貰った日、久しぶりにAnother Orionを聴きました。

『直樹ちゃん、北の国からの純くんに似てますよね』というと『大人になった今も似てますよ』とだっくすさん。

直樹さんの声を聞いてから、長田保健所時代の楽しかった思い出がうわーっと私を襲ってきました。写真も探しました。一緒にスキーに行った事などすっかり忘れていましたが、アルバムにあったので鮮やかに思い出しました。

★お笑いノート 昭和48年~50年

長田保健所で3年間、だっくすさんと机を並べて仕事をしました。庶務課、保健課、衛生課が一つの部屋で仕事をしていましたので日常会話もよく聞こえ、思わず吹き出したり、くすりとしたりした事をだっくすさんと共用のお笑いノートにお互いに書き込みました。

お笑いノートは今も持っていて療養中のだっくすさんに送り喜ばれました。

★長田保健所一座      

私が保健所に勤務している時代には、保健所対抗の野球や卓球試合、文化祭などもありました。

文化祭に、お芝居で出場しようと決まり、総出で頑張りました。だっくすさんはプロデューサー。私はおバカな娘役。文楽仕立てにしたのでセリフを言う場面はありません。結果は3位入賞。貰った賞金で全員近くの『みすず』でお昼にカレーを食べました。

だっくすさんは華麗なる一族をもじって『カレー食う一族やね』と言い、お笑いノートに記入しました。

一座の写真を探したのですが、いくら探しても見つかりませんでした。出てきたら追加させてくださいね。

★山口への旅 昭和49年

長田保健所時代、だっくすさんとHさんと3人で山口へ2泊3日の旅をしました。朝起きたら思いがけない雪景色だったりして、のんびりしたいい旅でした。

電話で山口の旅の思い出話になり、宿の人が『同級生ですか』といいそれを私が喜んだらしいです。私はその話はすっかり忘れていました。

★箱館山スキー場へ 昭和58年

誰がどこで言い出したのか覚えていませんが、滋賀県の箱館山スキー場へ日帰りでスキーに行くことになりました。衛生局庶務課にいた連中7~8人に私も加わって。

JR西明石始発の5時頃の電車で行こうということになり、宿は西明石駅近の我が家に決まりました。仕事の終わった者から順々に集まり食事、風呂、宿泊。宿泊と言っても炬燵の周りに雑魚寝です。そのメンバーにだっくすさんと一風さんが入っていました。

その後しばらくは、私は民宿の女将と呼ばれていました。

★あじさい俳句会・京阪神三都市職員俳句大会

だっくすさんに俳句を勧めたのは私です。だっくすさんの句集にもそのことは書いてあります。あじさい俳句会在籍は5年間ほどで短期間でしたが、あじさい句集の編集の手伝いや三都市俳句大会への出席など活躍されました。

平成8年大阪の海遊館で詠まれた

  海遊館亀と目が合う薄暑かな  

は、四方 充先生の特選に入りました。

ランダム句会が始まるとき、だっくすさんから声が掛かり、第1回の有馬湯けむり句会から楽しませて頂きました。

★宇多喜代子先生の講座

神戸女子大のオープンカレッジに宇多喜代子先生の講座がありました。

今も年1回か2回開催されますが、発表と同時に満員という人気講座です。その講座に何回かだっくすさんをお誘いしました。だっくすさんも宇多先生のファンになり、先生の句集などを何冊か買って来てサインをして貰われました。写真は先生にお祝い事があって有志で花束を贈った時のものです。

だっくすさんは後列に居られますが、私は厚かましく先生の横にいます。この写真の私のマフラーはだっくすさんのお母様が編んでくださったものです。

★朗読ボランティア

だっくすさんは目の不自由な人の為に長い間朗読のボランティアを続けておられました。それとは別に北区の地域福祉センターでも一般人を対象に朗読をしておられました。車の送り迎え付きですよと言っておられました。どんなものを読まれるのと訊ねると東海林さだおなどを読みますと。対象に合った本を探すのが大変だと仰っていました。

★美作ほたる句会(ランダム句会ブログあり)平成20年

飛んでいる蛍を見たことがないというだっくすさんを誘って岡山の我がセカンドハウスへ蛍を見に行くことになりました。どんぐりさんもお誘いしてどんぐりさんの車に乗せて頂くことになりました。蛍以外は何のもてなしも出来ませんでしたが、だっくすさんたちを歓迎するように我が家の周りを蛍が飛んでくれました。

   

★だっくすさんは、ランダム句会の永遠のマドンナです。すべての場面で毅然と生きられた見事な77年の生涯でした。私は特に晩年のだっくすさんから多くの事を学びました。だっくすさん独自のエスプリやユーモアは私の活性剤になりました。2人のお笑いノートに楽しい話を集めておきますね。今度お会いする時の為に。

 

声の美しい方であった  一風

だっくすさんが亡くなられたとの連絡を受けた。

この春、有馬の句会では2位の若桜賞。これまでの句会36回中欠席はわずか2回、常に上位入賞という成績からも、句作への取組姿勢の真剣さが伝わる方であった。

そして彼女は声の美しい方であった。昭和40年代電話の普及当初、受話器から聞こえる声が印象的だった。退職後も朗読のボランティアを続けておられたと聞いている。

これまでランダム句会が運営できたのも、まさにだっくすさんの緻密な計画と、行き届いたお世話の賜物であり、感謝に尽きる。

長い間いろいろお世話になりました。どうぞ安らかにお眠りください。

 

裏六甲別れの章  さくら

そんな事ってありますか? つきひさんからだっくすさんの訃報が届いた時、

思考が止まり言葉が出て来なかった。

播町さんの死から1ヶ月余り、信じられない…

4月25日ランダム句会20周年記念の句会にリーダーの播町さん欠席で

だっくすさんは少し淋しそうでしたが、いつものように細かい計算された

運びでつきひさんと会の進行をして下さいました。

 

会の始まる前にだっくすさんは売店で涼しげなブラウスを買われ

その時あれこれと選ぶのをお付き合いしました。

どこに着ていくのかな-? 楽しそうなお顔が忘れられません。

 

句会が終わり、帰りの方向が同じなので車でお送りしました。

北区緑町のマンションは少し高台で自然豊かな眺望が見事、

すぐ近くに掛かり付けの病院があり「便利ですよ」と。

だっくすさんの句集「裏六甲」の句をいくつか思い出しました。

優しく落ち着いていて内には凛とした情を秘めた雰囲気は句にもよく表れています。

 

「今日は2位で大好きな金泉餅ももらって幸せ」と言われ

マンションの前で「ありがとう、又ね」と

手を振り別れたのが、お声を聞きお姿を見た最後になりました。

由美子さん 安らかにお眠り下さい。

  裏六甲白百合の香のとこしへに

心よりご冥福をお祈りいたします。

 

だっくすさんからのメール  弥太郎

平成23年(2011)10月30日、布引ハーブ園句会に出席。

  秋天に夢風船の五分間  弥太郎

   

「素敵な句でしたね」とメールをいただき、感激しました。        

明るい性格だっただっくすさん。

ご冥福を心からお祈り申し上げます。

 

だっくすさんを偲ぶ  

先月、播町さんを偲ぶ文を書いたばかりなのに、だっくすさんをも偲ばねばならないとは、本当に耐えがたい事です。

難病との闘いを強いられておられましたが、時々電話をすると、入院中といいながら、元気な声が返ってきていました。しかし、もうそれさえ無いのだと思うと、寂しさを通り越して、何とも言えない怒りみたいなものさえ感じます。

だっくすさんには、市役所内の高校同窓会の幹事として、いろいろお世話になりました。私達が卒業した高校は、県立の普通科にもかかわらず、当時、女生徒が四分の一しかいない変わった高校で、だっくすさんは、少数精鋭の女生徒として、水泳部で頑張っておられたようです。顔見知りになったのは市役所に入ってからで、私の勝手な思いですが、「肝っ玉母さん」みたいに頼りになる先輩でした。

播町さんとは、職場を同じくされたことが多かったので、「あの世まで、私の後を追ってこんなにすぐ来るなんて」と、苦笑されているかもしれません。

そもそも、この句会に私を紹介して頂いたのもだっくすさんですし、私に沢山の思い出を残してだっくすさんは逝かれました。本当に感謝しています。

 

天の川   ひろひろ

誰も病魔には勝てない。人間の運命か。

生かされていることに感謝して、一日一日を大切に生きよう !!

ランダム句会、だっくすさんにはいろいろお世話になり、ありがとうございました。

感謝、感謝 !!

  『播町偲ぶ』だっくす不在天の川

  いい湯だね播町だっくす天の川

  だっくすや播町招く天の川

  播町だっくす句を詠み合って天の川

  天の川播町だっくす泳いでる

天の川 無限大なり。 

 

憧れのだっくすさま  どんぐり

病と闘いながらも、いつも笑顔の素敵なだっくすさま、私の憧れの方でした。

    

  そよ風に羽根休めゐる秋蝶よ

  流星の色いつまでもまなうらに 

 

だっくすさん ありがとうございました  へるめん

「気が合うと思うよ」と播町さんに紹介いただいて お友達になりましたね。

まだ お会いもしてなかったのに 親和会俳句部の部員の方の句を(たぶん毎月)メールで

送ってくださいましたね。テキトーな私と違ってきっちりとやさしい方だなと思っていました。

ランダムで おつきあいさせていただいて やっぱり ますます 好きになりました。

もうその頃から ご病気を抱えておられたのに きっちりと向き合って ランダムでもいっぱいお世話くださって 健気に生きておられたのですね。

貴女の指先がとっても冷たくて 私も悲しくなりましたが 貴女の懸命さが胸に伝わりました。

そしてその指で 長~いマフラーを私のために編んでくださいましたね。ひと針ひと針紡いでくださったのね。

ほんとにありがとうございました。泣きそうになりますが、大切に使わせていただきます。

6月28日 お電話でお話できたのが 貴女の美声を聞いた最後になりました。

きびしい事もあったでしょうに 貴女らしく優しくしっかりした態度を見せていただきました。

どうか ごゆっくりお休みください。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

  冷たさの手指抱くや合歓の花

  ふりむけばゆれる白百合裏六甲

 

だっくすさんを追悼して  蛸地蔵

誠に突然の事でした。病魔がそんなに進行しているとは思いもしませんでした。四月の有馬句会でもお世話になったばかりでした。

いつも控え目で落ち着いただっくすさんには句会のお世話も最初から中心になりご苦労いただき本当に有難うございました。

だっくすさんとは長いお付き合いをさせて頂きました。旅行会や俳句、その他様々な事でお世話になりました。深く感謝申し上げます。

心からの哀悼の気持を捧げ、ご冥福をお祈り申し上げます。 合掌

  突然の訃報を聞くや蝉しぐれ

  猛暑中悲しき事の重なりて

  青田風稲穂を揺らし人惜しむ

 

秀句でたどる追悼と感謝  

2012年 神戸RANDOM句会 十句集 だっくすさん

  菊花展気ままに咲くを許されず

  酒蔵のまちの旧家の冬座敷

  今摘みし夏の蕨をお浸しに

  子午線の古びし標柱冬隣

  春風や前置き長き猿の芸

  今日の日のための落花と思ひけり

  僻地にて暮す決意の冬支度

  諸々のことはさておき花人に

  遅桜一弦琴の聞ゆ寺

  裏窓を開ければ蛍見ゆ暮らし

2015年6月 だっくす句集 『山の街にて』

腰痛で動けなくなり入院手術退院。その間53句。

  靴下をひとりで履いた春の夢

  山の街今朝うぐいすの谷渡り

巻末に「後ろを振りかえることができないので、とにかく前向きに生きていくことをモットーにボチボチ歩んでいこうと思っています。」

その後も俳句への思いは衰えず、15回の句会において秀句・名句を数多く披露。

2022年4月 祝20周年・有馬句会

  ねね橋の赤き欄干風光る

この句は最高点を獲得。

  惜春や主不在の記念句座

神戸RANDOM句会になくてはならぬ存在であった播町さんに続いて、だっくすさんも。いつもお世話いただいたご恩を思い、感謝と追悼の誠を捧げます。

 

マドンナ逝く雨の六甲ねむの花  見水

1980年、だっくすさんは隣の播町さんの係の仕事のできる優しいお姉さん。播町さんとは職員誌の刷新の仕事もご一緒で、播町さんの誘いでコラムを投稿したときもやりとりしました。

神戸RANDOM句会は、そんな旧縁もあって、初めての句会でも馴染めそうな気がしましたが、だっくすさんの大傑作「金泉に春愁の身を沈めをり」にびっくり。

その後、伊賀上野・石山寺・明日香・龍野、近場の句会でも、事前の準備から当日の手配、後のフォローまできめ細かな名幹事ぶりを発揮され、数々の名句、佳句には感心しっぱなし。

絵手紙句会や海峡スケッチ句会で、「絵を描くのは苦手」と聞き、絵を描くぐらいしか取り柄のないこちらはほっとしました。だっくすさんの句集「裏六甲(2014年)」では、同じ北六甲の住人ということで四季のイラストを描かせていただきました。

播町さんの追悼文が、締切を過ぎてもだっくすさんから届かないので電話をすると、「今、入院しているから」とのこと。「では追加掲載で」と、追悼文(句)集をまとめ、ブログへのアップをメールすると、だっくすさんから「自宅に紙で送ってください」との依頼。7月23日に「届きました。しっかり読みましたよ」と電話があり、しばしお話ししましたが、それからわずか8日後に亡くなられるとは。

いまごろはもう、播町さんと再会し、かをるさんを誘って、句会を始められているのかも。

神戸RANDOM句会の20年を振り返ると、だっくすさんとの楽しい思い出は尽きません。

ありがとうございました。

 

だっくす語録から

神戸RANDOM句会のブログには、だっくすさんの句集、「土鈴(2004年)」「裏六甲(2014年)」「山の街にて(2015年)」が残されています。3つの句集のあとがきから、俳句が好きで、六甲の自然を愛し、朗読ボランティアや川柳の会にも参加されていただっくすさんの言葉を抜粋します。

土 鈴 (2004年)

「俳句をやってみない?」 先輩から声をかけられた。ペンと手帳があれば何も要らない、いくつになってもできるし、ぼけないよ、と。

旧かな使いの魅力にとりつかれ、普通の主婦、優雅な奥様、ОL、時には熟年サラリーマンに変身して句づくりを楽しんだ。

十七音で表現しきれない時など短歌に心変わりしそうになったこともあったが、気持がストレートに伝わってしまう短歌は気恥ずかしくて、やはり私には俳句が合っているのだと思い直した。

有馬湯けむり句会で久しぶりに心地よい緊張感を味わい、また、篠山句会でも帰宅後さらに何句か作った。私は機会を与えられないと句を作れないタイプなのだろう。(…)中高年の遊び探しは果てしなく続くはず。一人遊びもいいが、仲間が集まって何かするのはもっと楽しい。これからも吟行や句会をして十七音の世界で遊びませんか。 

裏六甲 (2014年)

句集名を「裏六甲」としましたのは、俳句を始めたころに居を移した六甲山の北側の我が家から眺める山々が、ほんとうに眠っているようだったり、笑っているようだったり、季語のとおりのうつろいを身近に感じているところから名づけました。

山の街にて (2015年)

大掛かりな手術を受け、(…)背を丸めたり体をねじったりすることができなくなりました。(…)後ろを振りかえることができないので、とにかく前向きに生きていくことをモットーにボチボチ歩んでいこうと思っています。

(2022.9  編集/mimizu)