美 作 暮 し つきひ

早わらびの彩と歯触りもてなしに
庭の木に吾の知らぬ間に小鳥の巣
お隣と会話弾むや巣鳥居て
鳥の名は不明のままに巣立ちたる
亡き友の手書き蕗味噌レシピかな
タイガースファン住む家黄金蜘蛛
土蜘蛛の巣とは地中に筒の如
土蜘蛛の面妖な糸いずこより
金蛇と蜥蜴の区別まだ出来ず
実梅来る瓶よ砂糖よへた取りよ

餌に群るる目高の砕く水面かな
なめくぢと笄蛭(こうがいびる)の徒競走
尺蠖(しゃくとり)の幼き尺の寸足らず
日照草今様の名で呼ばれをり
長き根を己が碇に布袋草
百合開く蕾の角度定まりて
空蝉をブローチにして歩の軽く
きらきらと夕陽まとひて赤とんぼ
不順なる気候に耐へて萩の花
花野へと続く我が家の出入口
2026.4 tukihi