2023=花の大中遺跡句会 | 神戸RANDOM句会

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シニアの俳句仲間の吟行・句会、俳句紀行、句集などを記録する。

 

印南野へ  印南野に春の光やペダル踏む 播町

「わが最後の句会は散歩コースの大中遺跡公園やで」

と、播町さんはよく話されていました。

ブログにも「遺跡公園、博物館広場、であい公園、北公園と約200メートル続く地に毎朝行っている。公園まで往復1時間、ベンチで読書1時間という日課である」と書いています。

「最後の句会」は開催されることなく、

  この世への礼状あまた風涼し

の句を遺して、昨年6月に播町さんは旅立たれました。

昨秋の「第37回・回想の三宮句会」のまとめのブログに、春は「花の大中遺跡句会」を、と書いたところ、播町さんの奥様がこれを読まれて一風幹事長に連絡、ご協力をいただけることになりました。

2月に一風・蛸地蔵・見水の3名で奥様と一緒に現地を下見。桜の見頃の4月6日を句会の開催日にし、メンバーに案内状を送りました。

桜の開花が早まり、4月1日には各地で満開。コロナ禍の行動制限が解除され、4年ぶりのお花見で桜の名所は賑わいました。好天が続き、昨晩から雨。今日の句会は桜を散らす雨中吟になるはずが、雨は奇跡的に上がり、家を出る頃には薄っすら青空も。日中は傘が要らないとのこと。

大中遺跡公園は、播磨町の北の端、ため池と田畑が広がる印南野台地の南端にあります。今日はベンチで読書中の播町さんに会えるかも知れません。印南野・播磨町を訪ねます。

土山駅集合  たんぽぽの絮廃駅の辺りまで 播町

2023年4月6日(木)、通勤時間帯をはずし、JR土山駅改札口に午前10時20分が集合時刻。

  播町の祈りか花の雨上がる    さくら③ …○数字は句会での得点

  印南野の百の池へと飛花落花   さくら③

西神戸のさくらさんは、旦那様のクルマで圓満寺まで先回りです。

  播町さんちょっと春雨黄泉句会  ひろひろ

  出る涙ZOO花句会作さんへ    ひろひろ

一番近い隣町明石のひろひろさんは、雨が止んだので電動自転車で駅へ。「ZOO花句会」は桜乱舞の第12回王子動物園句会を思い出して。昔から親しく呼んでいた「作さん」で句作。

  なき友がストップかけたか春の雨  稲村

二番目に近くの稲美町の稲村さんは、駅までクルマで送ってもらいました。

  春曇故人を偲ぶ句会あり      蛸地蔵

伊丹の蛸地蔵さんは、阪急電鉄で三宮へ。

  千の雨播磨の春を潤せり      見水①

  べっちょないたかが春雨との声が  見水

北神戸の見水さんは、神戸電鉄と市営地下鉄北神線で三宮へ。JR三ノ宮駅で蛸地蔵さん・一風さんと合流して新快速に乗り込みます。「たかが」は播町さんの口癖でした。

  播磨路は播町日和飛花落花     つきひ③

西明石のつきひさんは、土山駅に早く来て、であいのみちを一人で吟行、圓満寺で合流します。

JR土山駅は橋上駅なので改札口はホームの上。改札口を出ると、播町さんの奥様と早く着いたひろひろさんがお待ちでした。

  友の地に友の顔なし春句会     稲村③◎ は句会での特選句

稲村さんは、奥様にごあいさつ。

  鳥ぐもり「やあよく来たね」と播町さん へるめん④

へるめんさんには播町さんの声が聴こえました。

本日の参加者は、さくらさん、つきひさん、どんぐりさん、へるめんさん、の女性4名、一風さん、蛸地蔵さん、稲村さん、ひろひろさん、見水さん、の男性5名の計9名で、駅に集合したのは7名です。

一風さんが押してきた大きなキャリーケースには、事前に、どんぐりさん、へるめんさん、一風さんが、神戸で選んできた句会の賞品が詰まっています。

土山駅にはかつて多木化学の肥料を運んだ別府鉄道が接続していましたが、1984年に廃線。

昭和30年代の神戸の小学生たちにも懐かしい鉄道で、当時、別府(べふ)は潮干狩りの名所。潮干狩りの遠足で採ったアサリやマテ貝を自慢し合いながら家路に着きました。尼崎で育った一風さんは、「ぼくらは、甲子園浜やった」。別府の潮干狩りは1967年に終了。遠浅の海は埋め立てられて神戸製鋼所に。

駅の南側のロータリーに降ります。ロータリーの真ん中に古代の物見やぐらを模した大きな時計台。大中遺跡への玄関口のモニュメントです。本日のスケジュール表が配られ、第38回神戸RANDOM句会・花の大中遺跡句会のスタートです。

播磨町を歩く―――――――――――

であいのみち  小さき春見つけて子らの列乱る 播町

「であいのみち」は、別府鉄道の線路を撤去後、1989年に整備した遊歩道。両側に花木が植えられ、現在から弥生時代までの時間旅行が楽しめるタイムトンネルゲートを配置し、大中遺跡公園まで徒歩20分で結びます。

  彼の人の歩いた道に雨弥生    一風②

  一面に桜散り敷く散歩道     見水

  友しのぶであいの道やはなみずき 稲村②

  花爛漫心もなごむ散歩道      蛸地蔵①

  播町さんの魂と歩けば柳絮とぶ  へるめん

満開の桜、池と枝垂桜が美しい 日本庭園、茶会や研修に利用される「蓬生庵」、圓満寺の五重塔が見えてきました。「野添北公園」です。播町さんの日課の散歩コースまでやってきました。

圓満寺  土に還りやがて芽吹くと思うかな 播町

  長閑なる川のほとりに御堂建つ  一風

  楠若葉作さん眠る圓満寺     ひろひろ

午前10時50分に圓満寺でつきひさん、さくらさんと合流。奥様の案内で播町さんの眠る納骨堂を参拝します。圓満寺は隅々まで手入れされ親しみやすいお寺です。

  納骨堂に桜蕊降る安らけく    つきひ

「寺の墓地は、当方がいつも散歩し、ベンチで本を読む公園と隣り合わせにある。当方の納骨スペースもこの寺に確保している」と、播町さんはブログに書いています。

納骨堂の播町さんの位牌には奥様がお花を供えられ、線香の煙。

  般若心経に始まる追悼句会かな  さくら

  納骨堂花冷の手を合はしけり   さくら⑥◎◎

  心経は死者に生者に春陰に    つきひ③

一風さんが朗々と般若心経を唱える中、「お久しぶりです」と各メンバーが順に参拝。

  野の花を添えてお参り春の寺   どんぐり④

へるめんさんは、途中で摘んできた野の花を手向けました。

  観音に抱かれ春の中天に      つきひ②

  回向終え眺めて歩く花の道     蛸地蔵①

五重塔・観音像の前で全員集合写真(末尾に掲載)。奥様から播町さんの遺影の写真を預かり、山門を後にしました。

芝生広場・屋内休憩所・バーベキュー施設がある「野添であい公園」を横目に、喜瀬川へ。

喜瀬川  早春の橋より橋へ水速し 播町

喜瀬川は、印南野台地から海まで、播磨町の真ん中を流れる自然を残した美しい川です。両岸の堤には遊歩道が整備され、今日は桜が咲き誇っています。

  さまざまに思うて見るやさくら花  蛸地蔵

  亡き人を偲んで観てる桜花      蛸地蔵

2月の下見のときは、播町さんの奥様の案内で、川沿いに山陽電車「播磨町駅」まで歩き、シラサギやアオサギを見かけました。伊丹の蛸地蔵さんは「飛行機の騒音も無いし、静かでええとこや」と言っていました。播町さんもこのふるさとの川の風景にしばしば癒されたことでしょう。

  播磨路の空を往き交ふつばくらめ  どんぐり③

  縄文の遺跡を下り春の川       一風

大中遺跡は、印南野台地に広がっていた弥生時代末期から古墳時代の大規模集落の南端部分ですが、石器時代から縄文時代の石の矢尻も見つかっており、その時代には狩りの場でした。橋を渡ります。

大中遺跡公園  宙仰ぐ子をまんなかに青き踏む 播町

午前11時20分、大中遺跡公園の東入口に到着。定休日の月曜日以外は無料開放されています。

目の前に、全体が草に覆われ、史跡公園と一体化した小山のような建物。兵庫県立考古博物館です。西の端に古代の物見やぐらのような展望塔が立っています。

広い園内には、竪穴住居が復元され、県立考古博物館と播磨町郷土資料館が建ち、別府鉄道の車両が屋外展示されていますが、これらは、播磨町の60年の歴史とともに整備されました。

1962年、兵庫県の最後の村だった「阿閇(あえ)村」は、町制施行で「播磨町」に生まれ変わります。播町さんは、この時20歳でした。

「播磨」は古い地名で今も兵庫県南西部一帯の地方名ですが、県下最小の東播磨の6㎢の町が、未来への発展を願い、「播磨」を名乗って船出。1969~1975年には海を埋め立てて3㎢の人工島を作り、多数の工場が操業します。また神戸や姫路への通勤圏で、1960~1990年代に人口が急増し、現在、人口3万4千人の町です。

大中遺跡の大発見は、播磨町が船出をした年。地元のお年寄りから大正時代に別府鉄道が敷かれた時、畑から大量のタコツボが掘り出されたことを聞いた中学3年生の3人組が、その近くの工事現場で大量の土器片を見つけ、考古学に詳しい高校の先生に見せると、弥生時代の土器。

その後、県の発掘調査が1962年から2003年まで20次にわたって実施されました。

1974年に「播磨大中古代の村」開園、1984年に別府鉄道廃線、1985年に「播磨町郷土資料館」開館、1989年に「であいのみち」完成、2007年に「大中遺跡公園」・「兵庫県立考古博物館」完成、と、遺跡の発見から45年をかけて今の姿になりました。

土器片を発見した中学生は今75歳。その一人で地元の歯科医師になられた方は遺跡の保存にも尽力されたとか。素晴らしい史跡公園になり、感慨ひとしおでしょう。

 

約50分で園内を自由に見学、吟行し、12時15分に郷土資料館へ集合です。

播町さんが読書をしたベンチを探しながら、竪穴住居の点在する弥生集落跡を歩きます。復元されている住居はごく一部で、この高台の遺跡には250戸ほど建っていたようです。

2月の下見のときは、梅林で紅梅が咲いていた(下写真右)ので、桜を期待しましたが、大中遺跡の桜は八重桜で、開花はまだ。楠などの大木が茂り、クローバーとたんぽぽが一面に。

 

  たんぽぽの咲き敷く古代遺跡村  へるめん③

  遅桜弥生遺跡に千の風       へるめん①

播町さんは千の風になっています。

  日の差して遺跡公園たんぽぽ黄  どんぐり

  弥生式住居入口たんぽぽ黄     どんぐり①

しあわせな黄色いたんぽぽに囲まれて。

  古代人作さん黄泉の花句会    ひろひろ

播町さん(作さん)は春の遺跡公園で古代人と句会?

  大中は古代も同じ春の風      稲村③

  悠久の大中遺跡青き踏む      見水③

この広い野原にいると時間が経つのを忘れます。

考古博物館  印南野の平かにして凧一つ 播町

今日はゆっくり見学できませんでしたが、兵庫県立考古博物館は、2007年に「触れる・体感する・考古学のワンダーランド」として設置されました。展示室の入場料は一般200円、高齢者100円で、県内各地で出土した考古資料を臨場感豊かに展示。古代体験やイベントを通じて古代人の知恵や工夫を学べ、家族連れで楽しめます。考古学資料を集めた情報プラザ、加古川名物「かつめし」も提供するカフェ、ショップ、東播磨を一望する展望塔、いろいろと遊べそうな施設です。

  展望の播磨平野や花曇   どんぐり③

どんぐりさんは展望を楽しまれました。

播町さんは、若い頃にデザインを学び、仕事では、「神戸ファッション美術館」の開設や神戸市の図書館の改革をされ、リタイア後は、「ミュージアム88か所めぐり」と称して全国各地の美術館を訪ねました。遺跡公園と一体化し、誰でも気軽に利用できるこの博物館を、気に入っていたようですね。

郷土資料館  はまひるがほ少年無為の刻あるべし 播町

1985年に開設し、播磨町の歴史が学べる展示室です。60年前に地元の中学生が発見した弥生土器片、江戸時代の初めに干ばつに苦しむこの地に用水路を引いた先人の努力、今も続く伝統の祭り、13歳のときに船が漂流して米国船に救助され、欧米の近代文明と英語を習得し、帰国して明治の近代化に貢献した郷土の偉人、ジョゼフ・ヒコ(浜田彦蔵1837-1897)の業績などをわかりやすく展示しています。

熱心に見ているのはさくらさんと稲村さん。稲村さんは隣の稲美町で生まれ育ち、現在、郷土誌「印南野文華」を主宰。阿閇村、祭り、別府鉄道など、さくらさんの疑問に的確にコメント。

窓口には郷土資料のパンフが置かれ、「播磨町歴史かるた」や別府鉄道のペーパークラフトも販売。資料館の裏手には懐かしい別府鉄道の車両を展示。播磨町の郷土愛の深さにはまりました。

12時20分、公園西入口に呼んだ3台のタクシーに分乗して山陽電車「播磨町」駅前にある「小磯すし」に移動。電動自転車のひろひろさんは一足早く出発して喜瀬川沿いを下ります。

小磯すし  桜ふぶくわがロスタイム酔いの中 播町

句会場に播磨町中央公民館の研修室を予約したので、近くで昼食場所を探し、播町さんの奥様から法事で利用したのをお聞きし「小磯すし」に。仕出しもする地元の小さな寿司店です。下見の日もここで昼食をし、2階の座敷を予約しました。

播磨町には、阿閇と古宮の2つの漁港があり、町の特産品は、海苔・干蛸・穴子。穴子寿司が自慢の「小磯すし」なら、今回の播磨町の花の句会にピッタリ。いい句ができるかも…。

12時30分に店に到着。2階の座敷に着席し、今回の会費を徴収し、タクシー代を精算。料理が出てくると、ビールとウーロン茶を注文し、12時45分、乾杯しました。

コロナ禍の自粛で、仲間との贅沢な宴会は久しぶり。寿司職人の料理に、グルメ番組の下手な食レポのように「旨い!」「旨い!」を連発しながら、話が弾みます。

「これ、見て」と、へるめんさんが取り出したのは、大中遺跡で見つけたクローバー。

5つ葉です。第6回石山寺句会でも瀬田川の河原で4つ葉のクローバーを見つけ、前衛書家はクローバーを見分けるのも天才でした。

「声も通っていいし、いつ覚えたの」

は、一風さんの納骨堂での見事な般若心経の読経。

「以前、座禅の修行に通って知らん間に覚えた」

「お坊さんのアルバイトができるよ」

「犬が可愛いいんや」と言うのは、ひろひろさん。

「夫婦の会話が険悪になると、犬はどこかへこそこそ隠れるんや」

「言葉がわかるんやね」

「犬が可哀そうやから、夫婦喧嘩は中止や」

播町さんと、稲村さん、へるめんさんは加古川の高校の同窓生。男女共学でも当時は男女のクラスは別で、一緒になる部活動が楽しかった… 懐かしそう。

皆で心配したのが、去年の夏から秋の一風さんの体調。

「不眠に悩まされ、何べんも検査したけど原因がわからなかった。今は何とか回復した。保健や衛生の仕事ばかりしてきたが、患者さんの気持が初めてわかった」…いい話でした。

  コロナ禍よもうくるなよと鮓を食う 一風

  ごっとはん播磨の穴子いただくわ  見水①

13時50分、予定時刻を20分オーバーして、昼食会終了。満足しました。「おあいそ」しましたが、予算内で収まりました。ご馳走様でした。

店を出て、句会の会場へ移動します。

 

播磨町句会――――――――――――

午後2時10分、播磨町中央公民館に到着。玄関前で、郷土の偉人・ジョセフ・ヒコ像に出迎えられました。

受付で鍵をもらい、2階の研修室5へ。

部屋に入って目に飛び込んだのは、満開の桜。

  句会場窓いっぱいの桜かな  さくら②

  窓ごしに桜ながめて句会かな 稲村

人数分の席を作りながら桜を見ていると、風が吹くたびに、花びらが散っています。

  遺されし者の集ひや花吹雪  へるめん②

  錯乱す心のやうに花吹雪   つきひ

  播町の魂生きるや花句会   ひろひろ③

2月に下見をして予約したときは、桜の樹があることに気づきませんでした。播町さんお得意のサプライズなのかも。奥様から預かった播町さんの写真をテーブルの上に。

懐かしい播町さんの笑顔があると、以前の句会の雰囲気が蘇ります。

各自5句の提出期限は午後2時30分。集まった短冊をばらして手分けして清書し、選句表に貼り付けます。午後2時45分に選句表を人数分コピー。つきひさんの差し入れの抹茶と白のほうらく饅頭をいただきながら、お茶、コーヒー、紅茶で一息。

午後2時50分、全員に選句表を配付。各自、自作以外の気に入った6句を選びます。特選1句2点、その他5句は1点で、各人の持ち点は計7点。参加者9名の総点数63点の争奪戦です。

午後3時05分、つきひさんとさくらさんの進行で、特選句から順番に選んだ理由も挙げながら発表。45句全部に点数が付けられて作者が明かされました。

つきひさんが作者の一風さんに、「この句の六二三って何?」

  六二三昭和時代の桜枯る  一風

「六二三、6月23日は播町さんの命日。そして沖縄戦が終結した『慰霊の日』でも」

播町さんの誕生日は1月17日。その日に阪神・淡路大震災が起きました。1月17日には毎年、東遊園地での慰霊に行かれていたようです。東日本大震災の甚大な被害や進まない復興、ロシア-ウクライナ戦争の惨禍に心を痛めておられた播町さんを思い出します。

高得点句

本日は6点獲得句が1句と、4点句が2句ありました。再掲します。

 納骨堂花冷の手を合はしけり        さくら⑥◎◎

  桜の季節にお参りできました。自転車のハンドルも冷たかった。

 鳥ぐもり「やあよく来たね」と播町さん へるめん④◎

  今日の播町さんは、桜守?千の風?

 野の花を添えてお参り春の寺        どんぐり④◎

  播町さんならきっと喜んでくれそう。 

3点句の11句の佳句も再掲して列挙します。

  播町の祈りか花の雨上がる      さくら③

  印南野の百の池へと飛花落花     さくら③

  友の地に友の顔なし春句会      稲村③◎

  播磨路は播町日和飛花落花      つきひ③

  心経は死者に生者に春陰に      つきひ③

  播磨路の空を往き交ふつばくらめ どんぐり③

  たんぽぽの咲き敷く古代遺跡村   へるめん③  

  大中は古代も同じ春の風      稲村③

  悠久の大中遺跡青き踏む      見水③◎

  展望の播磨平野や花曇       どんぐり③

  播町の魂生きるや花句会      ひろひろ③◎

表彰式

午後4時05分、獲得点数により表彰式です。

優勝は、さくらさん(14点)、今日の桜の句会にぴったり。おめでとうございます。

準優勝はどんぐりさん(11点)、第3位はへるめんさん(10点)。

今回は出句5句すべて得点のパーフェクトの方はいませんでした。

他のメンバーは、稲村さん(8点)、つきひさん(8点)、見水さん(5点)、ひろひろさん(3点)、蛸地蔵さん(2点・ブービー賞)、一風さん(2点)。同点の方はじゃんけんで賞を決めました。賞は見水さんの命名ですが、「たんぽぽ賞」の命名を忘れていました。

播磨町郷土資料館で買った「播磨町歴史かるた」も賞品に。これはアミダくじで蛸地蔵さんに。

女性軍4名対男性軍5名は43点対20点で、女性軍が圧勝。

窓の外の桜を背に、上位4名の写真を撮りました。

  

   

午後4時15分、窓の外の満開の桜を背に、播町さんと奥様も入っていただいて全員集合写真を撮り、部屋を出て、中央公民館の玄関前で解散しました。

雨中吟になるはずが、雨があがり、桜に出会え、播磨町の春を満喫できました。

奥様からは「この句会が1回でも多く続きますように…」のお言葉を添えて、地元・播磨町のケーキ屋さんのお菓子を頂きました。心づくしのいろいろなご配慮ありがとうございました。

  降っているいないとも見ゆ春の雨  かをる(第4回須磨寺句会)

  今日の日のための落花と思ひけり  だっくす(第12回王子動物園句会)

今回の句会、かをるさんとだっくすさんも、ご一緒されていたのかも…

帰宅する頃には雨が降り始め、夜中から春の嵐で桜はすっかり散りました。春は駆け足で進み、木々が芽吹き、若草が萌え、千の風が大空を吹き渡っています。

遊び心いっぱいの自由で元気な神戸RANDOM句会が、いつまでも続きますように。

2023.4 写真・文/mimizu