映画『八犬伝』を見て来ました。 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

映画『八犬伝』を見て来ました。

 ようやく肌寒くなっては来ているのですが、まだ20℃に達する日も多く着る服に困っている米原です。

 

 今回は、映画『八犬伝』を見て来ました。

 私、卒業制作で八犬伝についてアレコレ調べていた身なので、実は前から楽しみにしていた作品なのです。早いうちに見れて良かった~!

 

 

 原作は山田風太郎著『八犬伝』。CMでも分かるように八犬伝というフィクション【虚】と著者である馬琴の人生のリアル【実】を行き来する構成になっています。

 

 現実に虚像の世界を織り込みながらお話が進むのは、有名な物語の作者を描いた作品で度々見られる手法ですね。好きです。

 

 今作の物語にとってもこの「虚実」が重要な要素として組み込まれており、全体的にとても分かりやすく好印象な作品でした。

 

 というのも、芸術の分野の話や頭がべらぼうに良い人の思想や哲学の話がはじまると「…つまり、どういうこと!?」となることが間々あるのですが、今作では比較的台詞・演出・物語でかなり説明してくれていると思います。

 

 ここまでわかりやすく描いているのは珍しいのでは?と思う程にはとっつきやすい内容になっていた印象です。

 

 あと、今作は『八犬伝』入門としても良い!

 

 半分は現実パートなので、残り半分で八犬伝をやろうとするとダイジェスト名場面集になるのですが、「正直この名場面集だけでも物語は十分伝わるしあまり問題無さそうやな!」となった珍しい例な気がします。

 

 というか、原作の山田風太郎版自体がダイジェスト名場面集に馬琴と北斎を組み込んだ構成なのでね!

 

 全98巻106冊ある「南総里見八犬伝」はどうしても間延び感があるので山田風太郎版「八犬伝」上・下巻を読むのを勧めします感を、映画版でも味わうことになったのは面白い感覚です。

 

 映画見て気になった方は山田風太郎版『八犬伝』サクッと読めるのでオススメです。

 

 八犬伝を知ってる人も知らない人も、創作や物作りをしたことがある人もない人も、なんだかんだ楽しめちゃうエンタメとして入口が広い作品だと思うので、気になっている方は是非~!

 

 

以下蛇足----------------------------------

 

 

 八犬士のひとりに毛野という女装男子がいるのですが、マジで美しい女性に見えて驚きました。思わず俳優さんを調べてしまいました。

 

 あと個人的に、武士であり画家でもあったという渡辺崋山という人物が印象的でした。以前見た葛飾北斎の人生を描いた映画『HOKUSAI』にも一瞬出て来たような?(1回しか見てないので別の武士だったかも)

 

 3年前の『HOKUSAI』感想記事はこちら。

 

 芸術に理解のある政治家という立ち位置にだからでしょうかね。思わず経歴を調べたのですが、悲しい最後だったものの崋山神社が建立され今でも祭られているそうです。

 

 エンタメとしても楽しめたし、創作してる身としても面白かったので、久しぶりに山田風太郎版『八犬伝』読みたくなってきました。図書館行きたい欲が高まっていますが、上下巻なら場所取らないし買っちゃおうか悩んでます。

 

 来月は仕事が忙しくなりそうな気配がしていますが、せっかく涼しくなり歩きやすくなった所なので、行楽に行く体力を残しておきたいところなので気をつけねば。それではまた次回。あと2ヶ月で新年…怖い…。

 

noz