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漫画の表紙

須々木です。

 

 

 


先日のミーティングでは、メイン議題として「漫画の表紙」を扱いました。
その場でお題からアイデアをまとめ披露したり、関連する話題に関して意見交換したり。

表紙案は、お題だけ与えられて、あとは10分弱のスピード勝負。
時間内に青年漫画女性向け漫画の2パターンずつ考えるという以外は特に制約なし。

・・・みたいなことをやりましたが、いろいろ意見を交わす中で、ある程度、共通項が見えてきたのが面白かったです。
せっかくなので、交わされた意見などいくつか簡単に触れておこうと思います。

なお、これらはあくまでRW的見解や個人的見解です。





●青年漫画と女性向け漫画の表紙の違い

女性向け漫画は、表紙にネタ(読者の裏をかく)を仕込まず、内容を忠実に盛り込むべき。
内容とのミスマッチが起きないように注意すべき。
女性向け漫画における表紙はタグのようなもので、ミスリードを避ける配慮が求められる。
これらはある種のリスク管理と言える。

この傾向は、漫画以外でもあるように思われる。
作品を見る前に持たせたイメージ(期待させたイメージ)が、実際の中身とずれている場合、マイナス評価につながり得る。

青年漫画の場合、「アイヌ文化にフォーカスした漫画を楽しもうと思ったら、変態闇鍋漫画でした」でも問題ないが、女性向けでは許容されないと思っておくべき。




●表紙におけるキャラと背景情報の比率

女性向け漫画は基本的にキャラメイン。
世界観に特徴がある場合、キャラの見た目(服装等)で表現。
これらは、コンテンツの楽しみ方における男女差を反映しているのだろう。

青年漫画における比率はものによる。
ファンタジーなど世界観に特徴がある場合、キャラの比率が下がり、背景情報がよりしっかりあって良い。
一方、ラブコメならキャラ比率が高めになる傾向。



●「表紙買い」について

本屋で立ち読みできた時代は、表紙買いの概念はあまりない(中身を確認してから購入できるので)。
本屋でコミックの立ち読みができなくなると、表紙買いのパターンが増加したと考えられる。
その後、ネットが広まりウェブで第1話など公開するようになって、再び表紙買いのパターンが低調になったと思われる。

そもそも本屋に行く文化が以前よりなくなってきていることにも注意が必要。
よって、表紙はネット上で情報が拡散するきっかけの一つであり、本屋での衝動的な表紙買いにつながるものではなくなってきている。
本屋で気になる表紙のコミックを見つけても、購入する前にスマホで情報を収集できる。






他にも雑多な話題(時に脱線を挟みつつ)が扱われ、意見が交わされました。

 

今回、同じ題材、同じ条件、同じ時間で同時に制作する場を設けたわけですが、そのぶん漫画組3人の傾向が比較できて面白かったです。(漫画組ではないが僕も無理矢理参加したので4人とも言える)

 

共通するところ、違いが出るところ、それぞれに理屈が垣間見られて、恐らくしっかりリサーチして考えたら、ちょっとした研究対象になりそうです。

 

あと、より主観的な要素として「表紙で何をやりたいか」の違いも個々に出ていたのが面白いです。

こういった蓄積は、自分たちでわりとすぐに活用できるものですが、同時に、今後興味のあるメンバーが加入してくれたとき共有して活用してもらうこともできそうです。


sho