最近見た映画(≠最近公開された映画)の感想など | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

最近見た映画(≠最近公開された映画)の感想など

須々木です。

 

最近見た映画の感想など簡単に書いておこうと思います。

見たのは最近ですが、最近公開されたやつではないです。

有名なやつばかり。
 

※ネタバレはあまり気にしていないのでご注意。






●「タワーリング・インフェルノ」

原題:The Towering Inferno/公開:1974年/監督: ジョン・ギラーミン

 

超高層ビル火災を描いたパニック映画。

1974年度のアカデミー賞で撮影賞、編集賞、歌曲賞を受賞。

 

ちょうど50年前の作品なのに、まったく古さを感じさせない作品です。

久しぶりに見ましたが、改めて完成度の高さを感じました。

 

人間の愚かさ、不完全さ、技術を過信することの恐ろしさを象徴する超高層ビルの存在感が際立っていますが、これは当然「バベルの塔」が強く意識されているのでしょう。
 

多くのキャラが描き分けられ群像劇のように展開しますが、事態の進行が明快でタイムスタンプのように機能するので、混乱をきたしません。

ジェームズ・キャメロン監督作品「タイタニック」(1997年)のパニック映画パートは、「タワーリング・インフェルノ」と近いものを感じます。





●「ディープ・ブルー」

原題:Deep Blue Sea/公開:1999年/監督: レニー・ハーリン

 

いわゆるサメ映画。

「ジョーズ」というあまりに偉大過ぎる先行作品がある中、リスペクトと差別化をここまで見事に両立できるのかと。

舞台となる太平洋上に浮かぶ医学研究施設アクアティカの設定がまず見事。

「知性をもつサメ」に対するSF的裏付けが間延びしない尺でわかりやすく提示され、あとはひたすら突っ走る感じ。

本当に休む間もなく突っ走り続けるのが最高です。

いま見ると、サメのCG(一部シーンのみ)のクオリティは少々気になりますが、それでも面白いことに変わりありません。

 

サメの知性による恐怖をこれでもかと見せながら、それでも克服できなかった野性が最終的に命取りになるという展開は非常に良いです。

生みの親がその責任を取るように海中でサメと対峙するクライマックスシーンは、セリフも含めとても印象的です。

 

野性+知性の恐怖というのは、「ジュラシック・パーク」におけるヴェロキラプトルの描写と近いものを感じます。

無力な人間が窮地で拠り所にするのが知性なわけですが、極限状態でその知性すら頼りにならないかもしれないと思ったときの絶望感は、視聴者のメンタルを揺さぶりまくります。





●「誰も知らない」

公開:2004年/監督: 是枝裕和

 

実話をもとにした社会派作品。

主演の柳楽優弥が第57回カンヌ国際映画祭で史上最年少および日本人として初めて最優秀主演男優賞を獲得。


見たことがなかったので、今更ながら。
なかなかずっしり来る作品でした。

あまりにひどい境遇でありながら子供たちが泣いていないのが、むしろ痛々しく、感情表現のリアリティを感じました。
柳楽優弥の異様なまでの存在感は当然印象的でしたが、母親役のYOUも印象的で、序盤にこの二人が生み出したコントラストが作品の背骨となって全体の雰囲気を支えていると感じました。
ただ、これでも元になった事件よりかなり美化しているというのが、さらに追い打ちをかけるところです。





●「ヘルタースケルター」

公開:2012年/監督:蜷川実花

 

岡崎京子の漫画「ヘルタースケルター」(「FEEL YOUNG」にて連載。未完)を原作とする映画。

R15+指定。

 

見たことがなかったので、今更ながら。
「いったいどうなるのだろう?」という、怖いもの見たさとも言える感覚を刺激し興味を引き続ける確固たるエンタメ性がベースにあり、そのうえでアートとしても面白かったです。
画面的にいろいろ強いが、それでもまったく埋もれない……というより燦然と輝きまくる沢尻エリカが凄かったです。

はまり役過ぎる。。

キャラの壊れっぷり、サイケデリックな描写とあまりにマッチしています。

原作、監督、役者の見事な化学反応を存分に味わえました。





●「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」

原題:Raiders of the Lost Ark/公開:1981年/監督: スティーヴン・スピルバーグ

 

のちに「インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク《聖櫃》」として知られるようになった、「インディ・ジョーンズ」シリーズの1作目。

一連の作品が、世の多くの子供たちに、考古学者のイメージを勘違いさせることになりました。

「文化的・歴史的・芸術的にきわめて高い価値を持つ」とみなされ、アメリカ国立フィルム登録簿に登録済み。

 

何度も見ていますが、最近見ていない気がしたので。
「インディがどうやって登場して、作中でどんなふうにキャラを立たせていったのか」というのが気になって復習しました。
改めて見るとやはり学ぶことが多いですね。
いろいろ知識が増えた状態で見ると「そんなわけあるかい!」と突っ込みたくなりますが、それを押し切っていく強さが最高です。

これぞエンタメ。





・・・という感じです。

適当にその時々の気分でチョイスしていましたが、改めて並べてみたら、1970年代から2010年代までちょうど1作品ずつでした。

映画、良いですね。

 

 

 

sho