企画「ネーム力の練度を高める」 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

企画「ネーム力の練度を高める」

どうも遊木です。

 

先月、ミーティングで実施した創作企画についての記事です。

企画内容、成果物についてまとめました。

 

めっっっっちゃ久しぶりにHCPを使った企画です!

 

※HCP…「ヒビカ・シティー・プロジェクト」の略。2015年よりRWが進行している創作企画。

 

 

 

□企画「ネーム力の練度を高める」

<内容>

・須々木はHCPの設定を元に、漫画組3人それぞれに向けたプロットを用意する。(事前準備)

・ミーティング時間内に制作するので、5p前後で収まる内容にすること。

・漫画組(遊木、霧島、米原)は、須々木が用意したプロットを元にネームを制作する。

・作業時間は2時間程度。

・作業中、他メンバーとの意見交換は可能。(ディスカッション、アイデアを求めるなど)

・完成後、互いのネームを確認しながら意見交換を行い、必要箇所をその場で修正する。

・同時にプロット情報の妥当性も確認する。

・意見、ネーム内容等は「論理的な説明が出来るか」を重視する。

・ネームは、後日HCP特設サイトにて公開する。

 

<狙いと補足>

・漫画組は、読解の訓練、リアルタイムの意見交換→修正によりネーム制作力の練度を高める。

・須々木は漫画プロット作成の演習と、今後の体制への模擬訓練。

・HCPは世界観、キャラ共に全員共通の情報を持っているので、今回の題材に適している。

・サークルの年間方針にも考慮。

 

 

完成物はこちらから▼

 

プロット 須々木正作

 

「猫と旅する話」 遊木秋勇作

 

「猫を探す話」 霧島凜作

 

「猫を見習う話」 米原のぞみ作

 

<制作感想の一部を抜粋>

■漫画組からの感想

▼遊木

・プロットにボリュームがあり、オリジナリティーの余地が少なかった。その中でもどうにか自分の筋を入れた。

・トラックのコスパが悪かった。ただし、象徴的な要素で、時間経過や場所移動の表現にもなった。

▼霧島

・結構描きやすかった。好きなモチーフも多かった。

・プロットの意図をくみ取りつつ、自分のやりたいことも入れたかった。ある程度できたと思う。

▼米原

・プロットの意図をくみ取りつつ、自分の中のキャラ像をあわせた。

・必要なことを入れるのに必死で、見せ場はあまりしっかり描けなかったかもしれない。もっと練りたいところがあった。

 

■プロット作成者からの感想

・みんな以前よりうまくなったと思う。結構イメージ通りのものができたと感じた。

・単体作品としてのちょっとした面白さ、そして3作セットとしての緩いつながりも感じられるものにしたかった(表現の違いを見たかったというのもある)。商業ではやりにくいRW的エンタメと、これまで学んできた商業的エンタメの両立を意識した。

・共通の要素を入れたかった。最初、3つそれぞれ別の動物に関するエピソードにしようと考えた。しかし、ページ数を考えると、遭遇が簡単でない動物は出しにくかった。

・5ページでは簡単に収まらないボリュームにして、情報の取捨選択と表現の効率性(兼ねる)の実践を要求する感じを狙った。手癖でさばける雰囲気系ではなく、起承転結のあるシナリオを意識した。

 

■プロットに対して

・自分がプロットをつくるときは箇条書きにしている。もし今後同様の形式で制作する場合、作画側の要望で調整するのも良いだろう。

・猫を捕まえる場面まで描かなかったのはなぜか。(霧島用プロットに対して)

 →尺の都合もあるが、結局アイリーンとラスクの話。客が来て去る話としてつくった。

・遊木用のだけは分かりやすいエンタメという感じではない。ただ、「ジレンマ猫」としてのエンタメはこれかとも思う。

 →「ジレンマ猫」は主人公が一種のエンタメ。その点では、作品を掴んでいるともいえる。

・客観情報も貰えるとやりやすい。

■その他
・全体的に間延びもなく、こなれた感じがする。

・以前より掴みがうまくなったと思う。目が泳ぐところも特になかった。

・数年前だったら時間内にできなかった気がする。

・商業に関わる前後の変化を知る良い機会だった。HCPだったので比較しやすかった。

 

■企画への感想
・はじめ2時間は厳しいと思った。でも、火事場の馬鹿力でどうにかなった。他の人が近くで頑張っているのもプラスに働いた。

・2時間は厳しそうと思っていたが、事前にイメージを深めてどうにかなった。このくらい描けるんだと知ることができた。

・目論見をそれなりに達成した気がする。想定以上にスムーズだった。週刊連載だともう少しページ数は多いが、今回の雰囲気の先にあるんだろう。

・かつてのHCPのイメージが強く、もっとツッコミどころがあると思っていた。でも、大きな破綻がなく、成長を感じる機会となった。HCPの利用価値も感じた。

 

 

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分量は少ないですが、久しぶりに商業を意識しないネーム制作をして楽しかったです。商業用は、やっぱりまだ力んじゃうんですよね。

今回のは丁度良い息抜きになりました。

 

ただ、私のネームは「ジレンマ猫」の知識がないと、結構「???」な作品になってしまいましたが……。

 

だって、うちの作品タイトル「ジレンマ喰いの笑い猫」だよ?

主人公が“猫”って呼ばれてるんだよ???

知らん顔して読切っぽくまとめたら、世界観崩壊するやん!!

 

ちなみに須々木氏とは、

「おま…題材が猫って……どうやっても無視できないネタやん」

「まぁ思ったよ。でも仕方なかった」

「くっ……」

という会話をしました。

ガッデム。

 

 

あと、この機会に特設サイトにらくがき部屋を作りました。

今回のネーム以外に、過去にツイッターで流したちょっとしたらくがきも更新されています。

 

 

それでは、いつになるかわかりませんが、次回のHCPネタをお楽しみに!

 

 

 

aki