神はサイコロを振らない的なシリーズ。 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

神はサイコロを振らない的なシリーズ。

須々木です。


今月初旬はノーベル賞発表ウィークでした。

僕はわりと科学系のネタが好きなので、毎年どんな研究が受賞するのか楽しみにしています。

SF系の作品は好きですが、もしかするとそれ以上に科学そのものが好きかもしれません。


「事実は小説よりも奇なり」(バイロン)とも言いますが、最先端の研究というのは、純粋に事実を探求しているだけなのに、時にフィクションよりさらにぶっ飛んだものだったりして面白いです。

 

クラークの三法則でも「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」とありますが、知れば知るほど様々な妄想に繋がる面白いネタに溢れています。

 

 

科学の具体的な研究内容も面白いのですが、一方で、関連するエピソードや科学者が残した言葉の数々もネタの宝庫です。

その中で、以前RWでもアインシュタインについて軽く扱ったことがあったので、その名言をいくつかご紹介しようと思います。

いずれも有名なやつなので、あちこちに掲載されていると思いますが、シンプルな言葉でありながら、広く使えそうな思考のヒントが散りばめられている気がします。






「20世紀最高の物理学者」とも言われ、天才の代名詞のように語られることも多いアインシュタインですが、ドイツ生まれのユダヤ人ということもあり、その人生は大変な困難があったことと思われます。

彼もまたノーベル賞受賞者の一人ですが、受賞対象となった研究は相対性理論ではありません。


アインシュタインが受け取ったノーベル賞の賞金が、円満な離婚のため元妻の手に渡ったというエピソードも有名です。

さっさと離婚して、別の女性と結婚したかったため事前に取り交わしていた約束によるものですね。

いろいろ凄い・・・。









一見して馬鹿げていないアイデアは、見込みがない。
The idea that it is not absurd at first glance, the unlikely.


ビル・ゲイツも「少なくとも一度は人に笑われるようなアイデアでなければ、独創的な発想とはいえない」と言ったそうですが、多くの人と違う何かをやり遂げる人の基本的な思考パターンなのかもしれませんね。
他人が自分に向けるネガティブな反応をストレートに受け取ってしまう人は多い気がしますが、そういう人にピッタリの言葉ですね。

むしろ、そういう反応を貰うということは見込みがあるんだ!・・・くらいの勢いで生きたいですね。






常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。
Common sense is the collection of prejudices acquired by age 18.


「常識」にはプラスマイナスの両面があると思いますが、マイナスの部分に鋭く切り込む名言。

集める気がなくてもコレクションはできていってしまうので、せめて自覚的でありたいものです。






私の学習を妨げた唯一のものは、私が受けた教育である。
The only thing that interferes with my learning is my education.


これぞ自学自習の精神。






正規の教育を受けて好奇心を失わない子供がいたら、それは奇跡だ。
It is a miracle that curiosity survives formal education.


アインシュタインは公教育に怨みでもあるんでしょうかね・・・






私は、先のことなど考えたことがありません。

すぐに来てしまうのですから。
I never think of the future. It comes soon enough.


ここまで極端なことは言いませんが、僕も先々のことまでしっかりプランニングして生きるのを好むタイプではないので、シンパシーを感じる言葉です。






6歳の子供に説明できなければ、理解したとは言えない。
If you can't explain it to a six year old, you don't understand it yourself.


説明下手のオジサンたちにプレゼントしたい言葉ですね。
ところで、分かった振りが得意な大人としか喋らないと、説明能力が落ちていくような気はします。

ストレートな反応をくれる子供への説明は、脳味噌の柔軟運動にもなる気がします。






人の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる。
The value of a man should be seen in what he gives and not in what he is able to receive.


アインシュタインの名言の中でもよく引用されるものです。
しかし、実際に人に何を与えられたかは自分ではよく分からないというのも難しいところですね。






男は結婚するとき、女が変わらないことを望む。

女は結婚するとき、男が変わることを望む。

お互いに失望することは不可避だ。
Men marry women with the hope they will never change.

Women marry men with the hope they will change.

Invariably they are both disappointed.


アインシュタインは恋愛関連の名言も多いです。






人が恋に落ちるのは、万有引力のせいではない。
Gravitation can not be held responsible for people falling in love.


物理学ジョーク。






可愛い女の子と一時間一緒にいると、一分しか経っていないように思える。

熱いストーブの上に一分座らせられたら、どんな一時間よりも長いはずだ。

相対性とはそれである。
When a man sits with a pretty girl for an hour, it seems like a minute. But let him sit on a hot stove for a minute - and it's longer than any hour. That's relativity.


相対性理論の分かりやすい説明。






人生とは自転車のようなものだ。

倒れないようにするには走らなければならない。
Life is like riding a bicycle.

To keep your balance you must keep moving.


ずっと走って生きてきたんでしょう。
天才は生きている時間の密度が違う気がします。






同じことを繰り返しながら、違う結果を望むこと、それを狂気という。
Insanity: doing the same thing over and over again and expecting different results.


継続性は重要だと思いますが、そのサイクルに「試行錯誤」が抜け落ちていると、確かに「何をやりたいのか?」となりますね。

気をつけたいところです。






人生には、二つの道しかない。

一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。

もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。
There are only two ways to live your life.

One is as though nothing is a miracle.

The other is as though everything is a miracle.


創作物には人の願望を投影する側面があると思いますが、それらを見る限り、多くの人は後者の生き方を望んでいるような気がします。
だったらそう考えて生きれば良いと思うのですが、なかなかそうはできないようで。






この世は危険なところだ。

悪いことをする人がいるためではなく、それを見ながら、何もしない人がいるためだ。
The world is a dangerous place, not because of those who do evil, but because of those who look on and do nothing.


心理学的には「傍観者効果」ってやつですね。






すべての宗教、芸術、科学は、同じ一つの木の枝である。
All religions, arts and sciences are branches of the same tree.


実はいずれも興味の対象はまったく同じように思うのですが、あまり仲良くない気もしますね。
その中で、芸術は比較的オープンな気がしますが。






ある年齢を過ぎたら、読書は精神をクリエイティブな探求から遠ざける。

本をたくさん読みすぎて、自分自身の脳を使っていない人は、怠惰な思考習慣に陥る。
Reading, after a certain age, diverts the mind too much from its creative pursuits.

Any man who reads too much and uses his own brain too little falls into lazy habits of thinking.


読書は基本的にはプラスの方が大きいと思っていますが、ここで言われているようなことを感じさせる人もたま~に見かける気がします。
怠惰な思考習慣というよりは、何かを恐れて理論武装をやめられないような感じ。






情報は知識にあらず。
Information is not knowledge.


情報化社会の現代にこそという言葉。

ところで、昨今のディープラーニングでコンピューターが学ぶのは、情報? それとも知識?






宇宙について最も理解しがたいことは、それが理解可能だということである。
The most incomprehensible thing about the universe is that it is comprehensible.


哲学から枝分かれした現代の科学も、突き詰めると再び哲学に還っていくのではないかと思うことがあります。

人間原理とかクオリアとかは、概念的に科学か哲学か際どい印象があります。






神はサイコロを振らないと私は確信している。
I am convinced that He (God) does not play dice.


相対性理論により古典物理が完成し、続く現代物理の始まりを象徴する言葉。
しかし、結局、量子力学は「神はサイコロを振る」と結論付けるわけですが。








以上。

適当にピックアップして適当にコメントをつけてみました。

この手の言葉は、見え方や感じ方の引き出しを増やす上でも良いものですね。





sho