超結果重視型システム総括 ~合理性と泥臭さを知る3年間~
どうも遊木です。
先日告知された通り、2018年4月より開始した「超結果重視型システム」が今月で終了となります。そもそも「超結果重視型システム」って何?という方はこちらからどうぞ。
企画の終了ということで、ざっくりとですがこの3年の振り返りと反省のまとめをしました。ぜひ特設サイトの内容と合わせてご覧ください。
そもそも「超結果重視型システム」は“わかりやすい結果を求める”というメンバー共通の目的がありましたが、私の場合はさらに、より細かく「“すべて”の制作物に何かしらの成果を“必ず”求める」と掲げていました。
というのも、漫画は読み切りひとつ作るのにも、かなりの時間と労力を要するからです。そして!私は!筆が遅い!だからまぁ、言い方はアレですが「無駄打ちはしないぞ」という感じですね。
これに関しては、制作した作品数は少ないながらも100%の達成率でした。一作一作、目標と学ぶことを事前に決め、丁寧に熱を込めて制作できたと思います。
「超結果重視型システム」の肝は、単純に作品を完成させるだけでなく「外部から見ても明確な成果を得る」という点です。一応、大手出版社の漫画賞複数獲得、デビュー確約までは出せたので、及第点と言っても良いかなぁと。ただ、3年で連載開始、確約までもって行けなかったのは反省です。現状は60/100点ぐらいのイメージですかね。
サークル全体については、成果が皆無のメンバーがいなかったことが、気持ちの面で非常にプラスになりました。「誰か一人が頑張っている」ではなく、「RWが頑張っている」と思ってもらうには、ある程度足並み揃った結果が求められますが、これは口で言うほど簡単なことではありません。各自の頑張りと、サークルをいかに有効活用するかメンバーが真剣に考え、実行することが求められます。
と言っても、全員の足並みが必ずしも揃っている必要はないと思っています。現状でも揃っているとは言えませんし。でも、だからこそ今後も互いに様々な角度から刺激し合えることがあるでしょう。
また、この期間を経て、サークルメンバーから得られる助力が、自分の制作に与える影響も可視化されてきたと思います。単純に費やす時間、意見の貰い方、直接助けになる技術など、今後も活動していく中で自覚しておくべきものを掴んできたと感じました。
当然、改善点や反省点はいくつもありますが、得られた成果は一端素直に受け止め、さらなるレベルアップのための推進力にしたいと思います。
また、各自が担当編集を得て、そのやり取りから「商業独自の感性」「担当編集がいるからこそ得られた情報」というものも無数にありました。これらは、今後のサークル活動において非常に有益なものであり、サークル内でしっかりと共有、蓄積していきます。RWが掲げている「商業創作と同人創作の共生」という点においても、同人と商業の違いを判断し、それぞれの特性を理解する大切な材料となるでしょう。
担当さんとのやり取りで、個人的に一番大きな成果だと思うのが「商業的感性」を得られたことです。「読みやすさ」「面白さ」に対する見識が広がったというか。現場の人から「どこまで拘ると、どのくらい伝わるのか」という情報が提示されるのは非常に助かるし、モチベーションの向上にもつながりました。
最後に反省点とざっくり分析です。
まず前述の通り、この3年間で「連載権確約」を得られなかったのは大きな反省点です。この結果に大きく関係あるのは、やはりスピード感かなぁと思いました。個人としてもサークルとしてもまだまだ改善の余地がある分野です。
スピード感をアップするにはどうすれば良いか。「技術力の底上げ」がシンプルに繋がるとは思いますが、これは自覚したからと簡単に出来るものではないでしょう。地道な努力や、制作ツールへの理解度をあげて徐々に改善していくしかないのかなぁと。
一方、「判断力のスピード」はある程度ルールを作ることで今より上げられると感じました。例えばネーム制作なら、「〇日の段階で〇〇なら〇〇する」と言ったように、あらかじめ自分で判断のルールを作ることで制作スピードが改善されるかなと。一応、以前からこのルールを意識してはいるのですが、今後はさらに細かい縛りを決めて、自分なりのノウハウを確立していきたいと思います。
また合理性に関してですが、当然様々な面で改善の余地があると思います。例えば、私はパース取り、デッサンなどの作業が好きではありません。デッサンが好きな人を私はマジで尊敬する。
好きではない作業は、可能な限り圧縮したいと考えるのが普通です。そして、圧縮して成立する方法があるのならそれは合理化と言えるでしょう。
「ぶっちゃけ楽しくない作業は、恐れずどんどん省こう」
「省くための方法を考えよう」
3年間で、この思考が生まれたのは自分的に大きな変化です。現在は様々な便利ツール、素材が沢山あります。積極的に情報を集めて、これらを出来る限り活用していきたい。その方がストレスの軽減や作業のスピードアップにつながるし、何より効率的ですよね。
ただ一方で、現状に必要なのは「合理的な思考、システムを考えた上で泥臭さく創ること」な気もしています。自分のモチベーションや気分を合理的に分析することは重要だし、作業工程でも合理化できる箇所はするべきでしょう。しかしそれが、「=合理的な創作活動」である必要はないのかな、と。
自分が“作業”と捉える箇所はシステマティックに、“創作”と捉える箇所は泥臭く、そのバランスが大切なのかなと思いました。
「超結果重視型システム」はこれにて終了となりますが、自分たちが目指すものが変わるわけではありません。引き続き、目標に向かって邁進します。
この3年間で取り組んできたことは、その多くが私たちの“日常”になりました。今後は、身につけた“日常”を土台に、RWらしさも忘れず、より大きな目標に到達するべく、目の前の課題に取り組んでいきたいと思います。
引き続きRWをよろしくお願いします!
aki