破壊の創造者 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

破壊の創造者

どうもこんばんは霧島です。
や〜今月も残すところあと僅かですね……早くない?こわい。

まあ年が明ける前にクリスマスですね!
最近また引きこもりに拍車がかかってるので食品買いに出るくらいしか出かけないのですが、

クリスマスソングが流れてるのを聴くとウキウキします。
特にキリスト教徒とかではないんですけど楽しそうな雰囲気が好きなので気分だけでも楽しみたいものです。

さて、今日は最近ハマってる漫画の話でも書こうかなと思います。

「チェーザレ 破壊の創造者」
惣領冬実先生の作品です。
舞台は15世紀、ルネッサンス時代のイタリア。
人類史上最も美しいと言われた英雄、チェーザレ・ボルジアを中心に、架空の人物を織り交ぜつつ当時の権力者や有名人を描いた歴史漫画です。

私は高校時代世界史を取っていたのですが、単語くらいしか覚えてない私でもスラスラ読めます。(世界史とってなくてもストーリー自体がとても面白いのでスラスラ読めると思います)

歴史はやっぱりバックグランドを想像できた方が頭に入ってくるよな〜と思いつつ読んでます。

恥ずかしながら私は今までこの作品を読んだことがありませんでした。

知ったのは先日の浦沢直樹先生の漫勉で、惣領先生がご出演された際に紹介されたからです。
(漫勉は漫画家の制作に密着取材するという浦沢先生の番組です。NHKで放送されてるのですが来年1/21に惣領先生の回は再放送されるようなので興味のある方はぜひ。とても面白いです)

美しい作画を観て、これは読みたい……と思って翌日早速買いに行ったんですが、一巻読んだらめちゃくちゃ面白くてこれは全部読まなきゃとその翌日には全巻揃えました……(今個人的に制作が忙しいので実は今時点でまだ全部読み終わってない)
一冊が結構ずっしりしてるので持ち帰るのが大変でした。(ネットは待ちきれなかった)

さて、話が少しずれましたが、この作品で私が好きなのはまずキャラクターです。いや、そもそもキャラクターを好きにならないと私はハマらないんですが……

主人公のチェーザレは、容姿端麗文武両道加えて貴族…という、天は一体何物与えるんだ……というような人物です。
16歳という若さにして政治的な才能を遺憾なく発揮し、恐ろしく頭がいいのでどこまで計算なんだ…?と勘ぐってしまいますが、そんな彼がごく稀に好奇心旺盛な年相応の少年のようになるんですよね……時代が違ったらまた全然別の人生があったんだろうな……と思うと震えます。

主人公がいいのはもちろんなんですが脇を固めるキャラクターも味があって良いです。
天使よろしく善の化身か?と思うほど優しい心の持ち主、アンジェロ。トラブルメーカー的な役割も担っている感があるのですがとにかく良いやつです。人を利用価値があるかどうかで判断するところのあるチェーザレも、次第に彼には一目置くようになります。

チェーザレの側近、ミゲル。こちらもある意味天使なわけですが、チェーザレとミゲルの関係が主人と従者にも関わらずまるで親友同士のような感じなんですよね。悪さも一緒に色々やってそうな悪友感がたまらないです。
非道なことも結構すんなりやってしまうタイプですが、彼もいいキャラクターです。苦労人タイプかな……

チェーザレは美しく、アンジェロはかわいい、ミゲルはかっこいいって感じです。私の中の区分。

私の激推しはメインのこの3人ですが、若い彼らは政治的な色々に身を投じていきます。悪い奴らも沢山出てきたりいくつも因縁があったりとドラマが盛りだくさんで目が離せません。

そして忘れてはならないのが美しい作画です。先程の漫勉で実際作業されてる姿も観られるのですが絵を見ただけで震えます。
とてつもなく細かい……

キャラの着ている衣装なんかも細かくて私には絶対無理だなと思います。ものすごい覚悟がなければ挑戦できない領域だろうと思います。

そしてなんと言っても建築物です。15世紀、ルネッサンスのイタリア。これはもう資料集めから物凄く大変だろうと思うのですが、それが画面いっぱい惜しみなく披露されています。この漫画自体が資料として使えるのではないか…?というくらいです。

普段自分が漫画を描く時、カットできる背景は割とカットしがちですが(時間短縮のため)もう本当に贅沢に背景を見せてくれます。
しかも惣領先生はアナログの作家さんなので背景も手描き……と思うと震えが止まらないです。アシスタントさんもプロフェッショナルが揃っているんだろうな……

背景だけのページとか普通だったらすっと読み飛ばしがちですが、この漫画はそういうところもじっくり見たいと思わせてくれる作品です。取り敢えず最後まで読んだらもう一度最初から舐めるように見たい……

それから、当たり前ですが偉人がボコボコ出てきます。私はこういうのテンションが上がるタイプなので、お前かー!!!みたいな感じもあわせて楽しんでいます。
チェーザレを読んで取り敢えず君主論と神曲は読み返そうと思いました。

さて、つらつら思いつくままに書きましたが既刊12巻で以下続刊です。刊行ペースはまちまちのようですが、最新12巻は2019年発売でその前は2015年だったようなので……13巻はもうしばらく先でしょうか。取り敢えず早く12巻まで読みたい今日この頃です。

イラストは主人公チェーザレ。スペインの名門貴族で気品のあるキャラクターなのですが私にその気品は出せなかった……のでぜひ原作を読んでください。

ではそろそろ制作に戻ろうと思います。
したらば!

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