最近のインプットの話 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

最近のインプットの話

どうも遊木です。

まぁまぁ元気です。

 

 

引き続き不要な外出は控えている身なので、お出かけ系のネタはありませんが、新しい作品をインプットしたり、過去の好きだった作品を見直したりして引きこもり生活を満喫しています。

本日はその中からいくつかの作品を紹介しようかなぁと。

大きなネタバレはないと思いますが、あらすじ+α程度には内容に触れると思うので、見たくない人は回れ右をどうぞ。

 

 

 

シャドーハウス

漫画 ソウマトウ作 ヤングジャンプ連載

 

 

圧倒的企画力を感じる作品。最近見つけた中だと一番のアタリだと思います。

不思議な洋館「シャドーハウス」で暮らす、顔のない「シャドー」と呼ばれる一族と、その一族に仕える“生き人形”の物語です。

ヤンジャンのアプリで3巻分が無料だったので、初めは何気なく読み始めたのですが、気がついたらコミック5巻分が手元にありました。ぐいぐい引き込まれる作品です。

進撃の巨人を読んだ時も止まれない感がすごかったですが、進撃とはまた違う“読者を引っ張る力”がある作品で、ソウマトウの前作「黒」にあった独特の雰囲気を踏襲しつつも、エンタメ面が強化され、ファンタジー、サスペンス、ミステリー、どのジャンルが好きな人でも楽しめる物語になっています。

第一印象は「類似の作品がまったく思い浮かばない」でした。2巻の帯にも『今、いちばん読むべき「類似作品不在」の話題作。』とあったので、多くの人がそう感じると思います。

しかし、登場キャラクターはどれも親近感が湧くというか、キャラごとに変な複雑さがないので、類似作品不在といっても読みづらさはまったくありません。世界観だけ見ると重苦しい雰囲気になりそうですが、主人公が非常に前向きな子なので、気分が滅入ることもないかと。

これだけ沢山の作品が世にあるのに、「こんなの読んだことない」と読者に思わせられる。普段からモノ作りをしている人は、それがどれだけすごいことかわかると思います。その点だけピックアップしても読む価値がある作品かと。

 

 

薬屋のひとりごと

原作;小説 日向夏作

 

 

去年ぐらいから漫画版を集めていますが、主人公になんとも言えない小気味良さがあります。

中国をモデルにした架空の帝国が舞台で、いわゆる後宮ものです。

しかし、後宮や花街が舞台でありながら、ドロドロとした嫌らしい話はほとんどありません。いや、題材としては十分ドロドロしたものもあるのですが、主人公が非常にドライなため、読者も一歩引いた目線で見られる感じです。

ドライな少女、猫猫は無能な下女を装っていますが、その実優秀な薬師。徐々にその才能が露見していき、本人が望まない形でどんどん後宮で起きる事件に巻き込まれ、持ち前の知識でぬるっと解決していきます。

スーパー美系の宦官、壬氏とのラブコメ要素もあるのですが、猫猫がまったく壬氏に靡かないくせに、薬や毒には変態的な執着を見せる姿も面白いです。

理系の知識を使った謎解き、ラブコメ、どちらも丁度良いバランスで、多分そのうちアニメ化すると踏んでいる。

ただ一つ知りたい……同じストーリーでのコミカライズが2種類あるのは何故なんだ?

 

 

宝石商リチャード氏の謎鑑定

小説 辻村七子作

 

 

アニメについては以前もどこかの記事で触れましたが、原稿の修羅場が終わったので、この機会に小説の方も読んでみました。まだ数巻しか読んでいませんが、アニメ版と比べた感想などを少々。

一応ミステリーというジャンルなのかもしれませんが、いわゆる犯人、探偵がいるようなタイプではなく、「宝石にまつわる縁を通して、人の感情を紐解いていく作品」という方が近いかもしれません。アニメを見たときもミステリーではないなと思いましたが、原作も基本は同じです。ただ、原作の方が若干謎解き要素がしっかりしているかも。

一番アニメと原作で違うなぁと感じたのは、正義とリチャードの心情の描き方かもしれません。原作を読んだ後だと、アニメでの描写は非常にさらっとしていると感じます。

特に正義の描き方が違う印象です。アニメ版の正義は、普通の人より正義感が強いお人よし、複雑な事情を抱えつつも真面目な善人として描かれています。ホワイトサファイアやタンザナイトの事件で少し危うい描写もありましたが、彼の印象を変えるほどのインパクトはありませんでした。

しかし小説版には、“正義の異常性”がじわじわとシミのように広がる描写が散見しています。

「冷静に考えると、普通の人はそんなことできないんだよ」「それを躊躇いなくできちゃうの、おかしいよ」という感覚を丁寧に拾っているので、キャラに複雑さが出て、個人的には原作版の正義の方が好みです。

正義とリチャードの関係は原作版の方が濃い?強い?です。アニメ版はちょっと行き過ぎた友情レベルですが、原作版は、魂の根深いところで、切っても切れない関係を結んでしまった二人、という印象。

あと、アニメ版でも感じた作者の「普通」と「差別」についての表現の拘りは、原作の方がより顕著だと思います。この拘りが、イケメンと宝石、キラキラした要素ばかりのストーリーに、ずしりとした重みと深みを出しているのでしょう。

 

 

91Days

アニメ 鏑木ひろ監督

 

 

2016年に放送していたオリジナルアニメです。放送当時もブログに書いたような気がしますが、最近見直したので。

禁酒法時代のマフィアを題材にした物語で、主人公アヴィリオによる91日間の復讐劇を描いた作品です。

個人的に「理想の復讐劇の表現だ」と感じる作品で、アヴィリオの立ち回り、心情の変化、それに巻き込まれる人々、そして最終的に辿り着く場所、そのすべてが「復讐劇とはこうあるべき」と思わせるものでした。残酷で、ちょっと洒落ている、因縁と報いの物語です。

キャラデザ、世界観、OPの凛として時雨、どれもめっちゃ合っています。

91Daysがめちゃめちゃ好みだったので、今月から地上波での放送が始まった「GREAT PRETENDER」も楽しみなんですよね。こちらは現在2話まで、Netflixだと14話まで見れます。

監督が91Daysの鏑木ひろ、キャラデザが言うまでもないですがエヴァの貞本義行、脚本&シリーズ構成がリーガル・ハイの古沢良太、スタジオは進撃でお馴染みのWIT STUDIOとなかなかのメンツ。しかもバックにNetflixがいるという。

これは楽しみだぁ!

 

 

 

 

 

そんなわけで引き続き、次の修羅場に入る前に出来る限りのインプットをしたい所存。

また新しい良作を発掘したいなぁ。

 

 

aki