ラリック・エレガンス | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

ラリック・エレガンス

どうもこんばんは霧島です。
ついに県を跨いでの移動も解除になりましたね。いうてまだしばらく移動する予定はありませんが久しぶりに展覧会に行ってきました。

そごう美術館にて開催中のラリック・エレガンス展 -宝飾とガラスのモダニティ-

ルネ・ラリックは19世紀から20世期のフランスのガラス工芸家で、金細工や宝飾デザインなどもしています。
私は元々アール・ヌーヴォーに見られる花や植物などのモチーフを使った装飾が好きなのですが、ラリックはアール・ヌーヴォーの次に現れるアール・デコでも活躍した作家です。

アール・デコは、曲線を多用したアール・ヌーヴォーとは違って幾何学図形をモチーフにしたものや原色による対比表現などが特徴的ですが、今回の展覧会ではアール・ヌーヴォーの宝飾品からアール・デコの雰囲気漂うガラス作品まで展示されていました。

今回は写真をとってないのですが、こちらのサイト(そごうのHP)でいくつかは作品が見られるので興味のある方は是非。
 

 


宝飾品は植物モチーフが多かったのですが、面白いなと思ったのは落ち葉などをデザインに組み込んでいるところです。

パッと見ると美しく植物に彩られた扇…かと思いきや、よく見るとカサカサとして葉脈まで見えるような落ち葉がデザインされているのです。

パールも美しい球形ではなく形が歪んでいたりする。ただ美しいだけでない、よく見るとこれ蛇だなトカゲだな…でも美しいな、と奇妙な感覚になりました。

また、女性のモチーフも多かったのですが、翼や翅が生えていてどこか妖精を思わせるようなデザインになっているのも印象的でした。(ラリックはフランスの作家ですが、一時期イギリスに滞在していたのでその影響のようです。)

このあたりの宝飾品のデザインはどれも個性的で、当時はその後服飾がシンプルになったことで洋服に合わなくなったようなのですが、現代ではアクセントとして面白そうだなと思います。シンプルな服装にこそスカラベのブローチなんて似合いそう。

こういった宝飾品が時代にそぐわなくなってくると、次に始めたのが香水の瓶のデザインでした。今でこそ様々に素敵なデザインの香水瓶がありますが、当時は美しいガラス瓶に香水を入れて販売するというのは革新的だったようです。

他にも花瓶や置き時計、化粧品を入れる瓶など日常で使う様々なものを美しくデザインしています。

今回私が見た中で特に好きだなと思ったのはオパルセント・グラスを使った作品です。
ラリックの作品ではよく使われるようなのですが、オパルセント・グラスとは光の当たり方によって色味が変わるガラスのことです。

基本は乳白色ですが、反射光で青に、透過光でオレンジに見えるそうです。なので見る位置を変えたりしなくても、同じ素材なのに違う色味が見えるわけです。

オパルセントグラスで作られた女性をモチーフにした作品がいくつか展示されていたのですが、光に照らされて柔らかな曲線に色が落ちる様はとても美しかったです。

その他にも動植物をモチーフにしたガラス作品の展示が多かったのですが、珍しいなと思ったのがカーマスコットです。カーマスコットとは、車の先端部分にあるラジエーターキャップに装着する装飾品のことです。

1900年代当時車はまだ珍しく、移動のための手段というよりはファッション的な意味合いが大きかったようです。それまではカーマスコットは金属製のものが主流でしたが、ガラスで作ることによってより個性を出していたのかもしれませんね。

ハヤブサがデザイン的にかっこいいなと思ったのですが、動物の他にも彗星などが少しメルヘンチックで可愛かったです。どんな人がどんな車につけたんですかね。


相変わらず引きこもってばかりの毎日ですが、久しぶりに美しいものを見ることができて少し生き返った気がします。

先日横浜駅に新しくオープンしたCIALもチラッと覗いたのですが、人が多すぎて即断念しました。←
とりあえず地下一階には美味しそうなお店が沢山入っていたのでそのうち落ち着いたらまた覗いてみようと思います。あと映画館もなんかちょっと変わってるみたいなので楽しみ。


したらば今日はこの辺で!
rin