運命の女
どうもこんばんは霧島です。
年の瀬ですな…皆さんいかがお過ごしでしょうか。
私は年内にやるべきことは取り敢えず終わった(と思う)ので、あとは明日空港でお土産を買って実家に帰るのみです。(このミッションが中々大変だったりする)
さて、時は遡りますが先日そごう横浜店で行われていた「ミュシャ展 運命の女たち」に行ってきました。
クリスマスまでの開催だったのですがなんやかんや行くタイミングを逃して結局クリスマスイブに行きましたね。←
結果めちゃくちゃ人が少なかったのでかなりゆっくり見ることができました。
展覧会自体はほぼ撮影不可だったのですが、ミュシャの若い頃の素描などもあり大変興味深かったです。
今回のコレクションはミュシャの故郷のチェコに在住する医師、ズデニック・チマル博士の所蔵品から選定されたものだそうで、ミュシャの私生活が垣間見えるような資料の展示も多かったです。いつもミュシャの作品を見る時にサインの文字がかわいいなあと思いながら見ているのですが、今回は彼が送った手紙の展示などもありました。美しくデザインされたかのような文字でした…
副題に「運命の女たち」とあるように、ミュシャと関わった女性たちに焦点をあてた、彼の人生を追うような展示方法も面白かったです。
ミュシャと聞くとやはり一番に浮かぶ女性の名は彼の名を世に広めた舞台女優サラ・ベルナールかと思うのですが、今回の展覧会はまずミュシャの幼馴染から始まります。そして初恋の人、パリ時代の恋人、奥さん、娘、友人の娘、パトロンの娘…特に娘のヤロスラヴァはスラブ叙事詩の中の一つの作品にモデルとして登場するのですが、実際に同じポーズをとっているヤロスラヴァの写真も一緒に展示されており、これを見ながらあの作品を作ったのか…と思うとなんだか感慨深かったです。
また、今回ミュシャがパッケージをデザインし、商品名も「サボン・ミュシャ」という石鹸のパッケージの展示がありました。
ライラック、ビャクダン、ヘリオトロープ…当時もこの香りのする石鹸が作られていたのでしょうか。
それがミュシャのデザインしたパッケージに入って売られている…?めちゃくちゃ羨ましい…なんなら今同じパッケージで石鹸販売してほしいくらいですね。パッケージは額に入れて飾ろう。
有名なタバコのポスターなどもそうですが、ミュシャのデザインは商品を前面に押し出したデザインではなく、あくまでメインに人物がいて、宣伝すべき商品はその人物とうまくマッチする形で描かれています。
人はどうしたって人間の顔に目がいくものですから、同じ商品が並んでいる中にあの美しい人物が描かれた商品が混ざっていたら、そりゃあ手に取ってしまうのではないかと思います。私なら買う。←
そういえば今回ひときわかわいいなと思ったのがミュシャが初恋の人ユリンカ(Julinka)のためにデザインしたものです。
彼が14歳の年に制作したものだそうで、彼女の頭文字「J」に、のちのミュシャのデザインでも頻繁に使用されている草花が装飾的にあしらわれた作品でした。
ミュシャが美術について学び始めたのはまだしばらく後のことですが、この時点で美しい曲線がすでに使われており、なにより大切な人の為に文字を美しくデザインするというその感性が素敵だなと思います。
悲しいことにユリンカは病弱で若くしてこの世を去ってしまったらしいのですが、のちの作品にも深く影響を与えているのではないかと思います。
こういった、若い頃の作品や近しい人々をモデルとしたデッサンも数多く展示されていて、よりミュシャという人物が見える展覧会だったと思います。
さて、というわけで今年も残すところあと一日…来年はもう少し沢山展覧会に行けたらいいなと思います。
もちろん自分の制作も頑張ります!
ではではまた2020年でお会いしましょう。したらば!
rin