今年も黄金町バザールに行ってきました。 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

今年も黄金町バザールに行ってきました。

須々木です。

 

だいたい毎度行くイベントというのがいくつかありますが、Random Walkの活動拠点から程近いエリアで毎年開催されている「黄金町バザール」もその一つです。

 

 

●「黄金町バザール」とは

 

横浜市中区黄金町エリアでアートによるまちの再生に取組むアートフェスティバル。

「街」という日常の空間を舞台に、2008年より毎年秋に開催し、国内外のアーティスト、キュレーター、建築家を招聘。

当イベントの開催をきっかけに、若手クリエイターの実験の場として街を開放し、地域コミュニティに新たな可能性が生み出されることを目指している。

 

公式サイト

公式ツイッターアカウント

ハッシュタグ #黄金町バザール

 

 

 

過去に僕は特にしっかりブログで扱ったことはないっぽいですが、結構連続で行っています。

 

正確には何回目だろう・・・いつかのトリエンナーレの連携チケットで行ったのがきっかけだったはずだが・・・

 

 

 

開催エリアは京急線の日ノ出町駅から黄金町駅にかけての大岡川沿い。

※今回の会場マップはこちら

 

 

知らない人向けに軽く触れておきますが(と言ってもネットで調べたものをダイジェストにしただけ)、この地区はなかなか特殊な歴史的経緯を経て、このようなイベントを開催しています。

 

 

 

 

日本の玄関口となる横浜港開港から栄えはじめ、関東大震災、太平洋戦争末期の横浜大空襲で大きな被害を受けた末の戦後。

 

高架下のバラック小屋が飲食店街となり、やがて名の知れた「青線地帯」(非合法売春地帯)となり、スラム化が進行。

 

当然のように麻薬密売も活発になり、治安は悪化。

 

昭和30年代、警察の取り締まり強化や各種対策により麻薬密売は下火になるも、昭和50年以降、娼婦の多国籍化(中国、東南アジア、中米など)が進む。

 

なお、計算上、2000年時点で、この付近(初音町と黄金町)の人口2000人のうち半数程度が外国人売春婦だった模様。

 

2009年の「横浜開港150周年」に向けた街のイメージアップのため、2005年1月「バイバイ作戦」が決行され、機動隊を投入した大規模集中摘発の末、同年8月までに全店閉店。

 

空き店舗から再びスラム化していくことを恐れ、対抗策として、アーティストが創造、発表、滞在する「創造界隈」を形成する事業を開始。

 

そして、2008年から「黄金町バザール」が始まりました。

 

 

◆もっと知りたい人は・・・

ウィキペディア「黄金町」

はまれぽ.comの関連記事(2011/2/24)

 

 

 

僕はとある事情で付近を深夜に歩いたことがありますが、それが2005年12月。

 

時間軸的には、一斉摘発の直後あたりですね。

 

このときは、とある事情で、何キロも深夜の東京都~神奈川県を徒歩でテクテク歩いていたのですが、急にあたりの雰囲気がガラリと変わったのを結構よく覚えています。

 

 

 

・・・というか、いま気付いたけれど、「黄金町バザール」は今回で10周年だったんですね。

 

全然そういう宣伝をしていなかったけれど。

 

 

 

 

そんなわけで、ここからは適当に写真を貼っておきます。

 

安物の小さなデジカメを手持ちで撮っているので、写真の質はかなり微妙ですが、許してください(しかも薄暗いところが多くてさらにアウト)。

 

映像作品、インスタレーションも多いので、写真で伝わるのはホンのわずかな情報であり、どちらにしろ限界があるわけですが。

 

作品そのものだけでなく、作品を取り巻く現実の周辺環境、時代的背景込みで鑑賞するものなので、興味があれば直接足を運んでみてください(今回は期間終了が近いの注意)。

 

実際、展示スペースについては、各々のアーティストのこだわりを最も感じるところです。

 

 

 

 

 

 

普通に道を歩いていて、ふと横を見るとこんな感じ。

鏡のところはモニターになっているので、実際にはアニメーションが流れています。

 

京急線の高架

 

「ちょんの間」の建物を活用しているところも多く、階段周りをはじめ、圧倒的違法建築感があります。

基本的に階段は狭くてとても急。

それぞれの部屋はとても狭いです。

ただ、アーティストはそれらをうまく活用し、作品を見せています。

 

 

ボロボロのアパートの外階段の裏のスペースにも作品が。

 

建物の外壁もキャンバス。

 

畳はどかしている場合が多いのですが、そのままの場合もあります。

 

作品を見て回るのも楽しいのですが、「これ、ホラーゲームの背景とかに使えるんじゃ」などと妄想も膨らみます。

 

 

本が砂糖漬けにされています。

映像とセットで味わうタイプなので、これだけだと意味不明だと思いますが。

 

 

京急高架下は、アート関連スペースとして整備されているので、建物は全体的に小奇麗です。

とは言うものの、クリエイターが集まって活動しているので、かなり散らかっているところも多くありますが。

 

奥の扉は外の道路から直接つながっている出入り口。

まわりはほぼ全面に水がたまっていて、扉の前の長靴をはいてジャブジャブ。

配管の中から音が聞こえてきます。

 

 

相当怪しい雑居ビル(廃ビル?)の2階にあがると、なんかスピリチュアルな空間でした(説明難しい)。

上の写真の空間から下2枚は連続。

 

 

 

 

 

 

写真は以上です。

 

もちろん、写真では全然伝わりそうにないものはカットしているので、実際はもっといろいろあります。

 

ひと通り回りましたが、なかなかのボリュームでした。

 

 

この界隈は、基本的には滞在して籠って創作する感じなので、アーティストの生活空間にお邪魔している感もあります。

 

商業主義とは程遠い感じで、本当に純粋に己の中の物差しだけで挑んでいる感じがストレートに伝わってきます。

 

トリエンナーレなどと比べれば当然粗削りだと思いますが、だからこその刺激もあります。

 

 

また、特殊な経緯を辿ってきたこの地区について、「まっさらにしてアートの街に作り変えよう」というよりは、逆にある種の親近感を見出し、過去を否定せずあるがまま受け入れ、その延長上に自分たちの活動を位置づけているように感じます。

 

実際、多国籍で雑多な雰囲気は、時代に合わせ形を変えつつも確かに継承されているように思えます。

 

 

 

というわけで、いろいろ適当に書いてきましたが、アートな方向が好きな人は結構楽しめるんじゃないかなあと思います。

 

 

 

 

sho