短編ノベルゲーム「夏に溺れる」レビュー | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

短編ノベルゲーム「夏に溺れる」レビュー

須々木です。


先日、創作コミュニティ Mosaic Port「MPさまくり'18」という企画が実施されました(僕は諸々の都合で参加できませんでしたが)

その投稿作品の一つ、辰砂さんと鳥。さん共同制作の短編ノベルゲーム「夏に溺れる」をプレイしたので、軽くレビューを書かせていただきました。



そう言えば、本人に許可とかとってなかったけど大丈夫かな。

まあ大丈夫だろう

 

 

 

 

 

 

 

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舞台は広島の片田舎。

そこへ向かう道中から丁寧に描かれていくので、馴染みのある日常から、作品世界に緩やかに導かれていく感覚が心地良かったです。

右端の黒背景に縦表示のメッセージ。
それを被せない形で表示されるイラストは、心象風景のように端的に表現された夏で、主人公が小学生の男の子であることと相まって、夏休みの絵日記のような独特の雰囲気を醸し出しています。

方言や地域に根付く風習の描写がアクセントとなり、自然と作品世界に引き込まれていきます。
奇をてらったものがあるわけではありませんが、作品を構成する各要素のバランスは非常に良く、思わず見入ってしまいました。

穏やかな夏の田舎の光景が描かれていく序盤。
懐かしくもどこか物悲しい雰囲気。
そこから急激に話が動き出す展開では、先を想像しつつ、そうはならないで欲しいと願わずにはいられない、何とも言えない感情を呼び起こされました。

短いながらも心地よく物悲しく、そして時にはっとさせる、ある意味で、ノベルゲームの醍醐味が凝縮された作品だったように思います。
主張しすぎない、けれど確かに心に響かせる力を持った、味わい深い一作でした。

 

 

 

 

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※ブログ掲載の前提で書いていましたが、せっかくなので、ふりーむ!にもレビューを書き込んでおきました(上の文のコピペ)。






今回のMPさまくり'18は、この作品が形になったというだけでも、企画成功って感じじゃないかと。

やっぱり創作は良いですね~。

Mosaic Portは創作企画実施だけを目的にしているわけではありませんが、こういう機会は定期的に欲しいですね!

(参加できるかは別だけど、見ても楽しい)






sho