怖い絵展
どうも遊木です。
寒いです。日本の中では比較的過ごしやすい土地に住んでいる気がするのですが、それでも寒いものは寒いのだ。
はい。またまたメディア芸術祭の感想じゃないです。すみません。
先週、話題の怖い絵展に行ってきたのでその感想をさくっと。
えらく混んでいることはツイッターのリアルタイム情報で知っていましたが、私の場合は平日の9時代について、その時点ですでに50分待ちでした。20分ぐらい並んだら70分待ちに、入場する頃には90分待ちになっていましたね。ひゃ~すごい。
幸い天気が良かったので待っている間もそんなに大変ではなかったのですが、館内の混みようが結構すごかったです。ただじっくり見るには丁度良いスピードで人の列が動いていたので、混雑状態によって行くのを躊躇っている人はぜひ見に行った方が良いと思います。展示作品自体は非常に見ごたえがあるので。
混雑はある程度覚悟を決めて挑めばそんなに大変ではない!はず!
展覧会は【第1章 神話と聖書】【第2章 悪魔、地獄、怪物】【第3章 異界と幻視】【第4章 現実】【第5章 崇高の風景】【第6章 歴史】という構成になっています。
ちなみにこの展覧会の目玉作品として扱われている≪レディ・ジェーン・グレイの処刑≫は一番最後、トリとして展示されています。かなり大きな絵で、やはり目玉と言うだけあってこの作品の前が一番混雑していましたが、これから見に行く人は可能な限り近くからと遠くから、両パターンで作品を鑑賞すると良いでしょう。
これは個人的な感想ですが、この作品は近くから見るとまずその大きさに圧倒されます。そして近距離からでも見劣りしない美しい油彩の表現、服や小物のリアルな描き込み、人物の表情、その全ての要素がひとつの画面に集結し、まさに荘厳という言葉が相応しい作品となっています。
しかし、離れた場所から見ると不思議なことに、近距離鑑賞で感じていた圧倒的な荘厳さは薄れ、今まさに首を落とされようとしている絵の中の女性がまだ16歳の少女であることにはっとさせられます。この絵は荘厳で、神々しい物などではない。政争に巻き込まれた哀れな少女が、今まさにその命を散らす瞬間を切り取ってきただけの、悲運な物語の一節に過ぎない。
うまく言葉に出来ませんが、この作品はすごく“力のある絵”だと思いました。
もちろん≪レディ・ジェーン・グレイの処刑≫以外の作品も見ごたえがあります。
これは私の情緒の問題でしょうが、直接的にせよ間接的にせよ、何かしらの恐怖を訴える絵はその裏にどろりとした粘度の高い耽美を感じます。ホラーとエロスは元々相性が良いイメージですが……なんと言えば良いか、人間が理性で抑えている狂気的な部分をじわじわ揺さぶるような、瞬間的には嫌悪を感じても何故か惹きつけられてしまう、人間の隠された本能を引きずり出すような作品が多かったように思えます。まさに人間にとって“怖い絵”。鑑賞後にそんな印象が残る展覧会でした。
話題性に負けない質の高い作品が沢山あるので、気になっている方は是非!
ここからは余談。
この日はせっかく上野に来たと言うことで、怖い絵展を見た後に国立科学博物館に行きました。めちゃめちゃ久しぶりです。
最後に行ったのはいつだったのか……正直シロナガスクジラとなんだか動物のはく製がいっぱいあった気がする程度にしか中を覚えていませんでした。
当然半日ではじっくり見るのに全然時間が足りないので、この日は「ここには何が展示されてたっけなぁ」と内容を思い出す作業に徹しました。とにかく全体をばばーと回って確認。
うん。良い。
あと上野公園の銀杏がとてもきれいな色でした。
そして数寄フェスなるものもやっていました。
ここ最近は連続でインプットをしているので、そろそろアウトプットに活かしていければと思います。
ではでは。
aki