漫画における文字の役割
どうも遊木です。
あと数日でコルセットが外れるのでそろそろカウントダウン始めようかなと思ってます。
ブログに書きたいネタは結構あったのですが、HCPの次作のネームが上がるまでは自重しようとじりじりしてました。ようやっと昨日ネームに区切りがついたので参上した次第です。
スターウォーズの感想だったり美術手帖の話だったりいろいろあるのですが、せっかく昨日ネームをあげたばかりなので、忘れる前にちょっと書いておこうかと思います。
まず、今更ですがネームとは何か。
ざっくりいうと、漫画の下描きの下描きみたいなものです。
演出、セリフ、キャラの表情などのラフ画をつくり、全体のバランスを見たり、プロならそれを担当編集さんに見せてアドバイスや内容確認をして貰います。
↓↓こんな感じ


ネームの段階でどのくらい描き込むかは人それぞれです。棒人間に毛が生えたようなので終わらす人もいるし、それなりに描き込む人もいるでしょう。
私は自分用のときはかなり省略してしまう派なのですが、誰かに見せる必要があるときは↑↑ぐらい描き込みます。本当はもうちょっと省略しても物語は伝わるんだろなぁとは思うのですが、自分の作品はキャラの微妙な表情で物語の一部を補うタイプだと思っているので、誰かに読んでもらうなら、それなりに描き込まないと伝えたいことが伝わらない気がしちゃうんですよね…。
私の場合、コマ割り的演出はそんなに悩まないで思いつくのですが、問題は台詞です。
元々私の作風はすごくリリカルと言うか、心情推しというか、物語の展開よりは感情的な面に重きが置かれているタイプです。叙情>叙事って感じですね。
分かり易いのが漫画制作ドキュメンタリーPで制作した「選択の国の独唱者」です。
この作品は最初から商業に持ち込むことを考えずに、作りたいようにつくるというコンセプトで制作しました。だから台詞も、意図的にはっきりしない言い回しを選んでいる箇所が結構あります。あとは前後の会話とはうまく噛みあわない言い回しにしたりとか。
これは制作する際、「台詞」を本来の役割としてではなく、絵の一部…ベタ、トーン、ホワイトとある意味同等の扱いをした結果です。
説明するのが難しい感覚なのですが…例えば、綺麗な桜並木があったとして、そこに突風が吹いて花弁が雪のように舞ったら、綺麗な光景がもっと素敵なものになりますよね?私にとって、漫画における台詞、文字というのはその花弁みたいな役割なんです。
本来、物語漫画における台詞や文字は、桜の色とか、並木の数とか、そういったものをしっかり読者に伝えることが本来の役割でしょうし(もちろんそれだけじゃないですが)、より多くの読者に内容を楽しんでもらいたいならそうあるべきだと考えています。でも私の場合は、文字や台詞も光景の一部になってしまっている。「綺麗」であることを伝えるには適していても、その「綺麗」さを具体的に説明することは出来ない。
この感覚は「独自性」という面ではひとつの武器になるかもしれませんが、商業用とか、エンタメ性を求められる作品には結構やっかいです。この演出ではかなり読者を選びますから。
現在私が自分に課している課題は、この自分独自の感性を殺さないまま、文字や台詞を物語漫画における本来の役割として使いこなせるようになることです。
単純に使いこなすだけだったら、それこそ本をたくさん読んだり、センスのある台詞磨き的な教材を見つければ良いのですが、元々持っている自分の感覚を押し殺さないままという制約をつけると、これがまた大変なんです…(白目)
今年一年でなんとかこの辺りの技術を身につけたい。
そのためにはやっぱり、沢山の作品に触れて、沢山創るというのが一番だと思いますけどね。
頑張って勉強します。
うおおおおおお!
aki
あと数日でコルセットが外れるのでそろそろカウントダウン始めようかなと思ってます。
ブログに書きたいネタは結構あったのですが、HCPの次作のネームが上がるまでは自重しようとじりじりしてました。ようやっと昨日ネームに区切りがついたので参上した次第です。
スターウォーズの感想だったり美術手帖の話だったりいろいろあるのですが、せっかく昨日ネームをあげたばかりなので、忘れる前にちょっと書いておこうかと思います。
まず、今更ですがネームとは何か。
ざっくりいうと、漫画の下描きの下描きみたいなものです。
演出、セリフ、キャラの表情などのラフ画をつくり、全体のバランスを見たり、プロならそれを担当編集さんに見せてアドバイスや内容確認をして貰います。
↓↓こんな感じ


ネームの段階でどのくらい描き込むかは人それぞれです。棒人間に毛が生えたようなので終わらす人もいるし、それなりに描き込む人もいるでしょう。
私は自分用のときはかなり省略してしまう派なのですが、誰かに見せる必要があるときは↑↑ぐらい描き込みます。本当はもうちょっと省略しても物語は伝わるんだろなぁとは思うのですが、自分の作品はキャラの微妙な表情で物語の一部を補うタイプだと思っているので、誰かに読んでもらうなら、それなりに描き込まないと伝えたいことが伝わらない気がしちゃうんですよね…。
私の場合、コマ割り的演出はそんなに悩まないで思いつくのですが、問題は台詞です。
元々私の作風はすごくリリカルと言うか、心情推しというか、物語の展開よりは感情的な面に重きが置かれているタイプです。叙情>叙事って感じですね。
分かり易いのが漫画制作ドキュメンタリーPで制作した「選択の国の独唱者」です。
この作品は最初から商業に持ち込むことを考えずに、作りたいようにつくるというコンセプトで制作しました。だから台詞も、意図的にはっきりしない言い回しを選んでいる箇所が結構あります。あとは前後の会話とはうまく噛みあわない言い回しにしたりとか。
これは制作する際、「台詞」を本来の役割としてではなく、絵の一部…ベタ、トーン、ホワイトとある意味同等の扱いをした結果です。
説明するのが難しい感覚なのですが…例えば、綺麗な桜並木があったとして、そこに突風が吹いて花弁が雪のように舞ったら、綺麗な光景がもっと素敵なものになりますよね?私にとって、漫画における台詞、文字というのはその花弁みたいな役割なんです。
本来、物語漫画における台詞や文字は、桜の色とか、並木の数とか、そういったものをしっかり読者に伝えることが本来の役割でしょうし(もちろんそれだけじゃないですが)、より多くの読者に内容を楽しんでもらいたいならそうあるべきだと考えています。でも私の場合は、文字や台詞も光景の一部になってしまっている。「綺麗」であることを伝えるには適していても、その「綺麗」さを具体的に説明することは出来ない。
この感覚は「独自性」という面ではひとつの武器になるかもしれませんが、商業用とか、エンタメ性を求められる作品には結構やっかいです。この演出ではかなり読者を選びますから。
現在私が自分に課している課題は、この自分独自の感性を殺さないまま、文字や台詞を物語漫画における本来の役割として使いこなせるようになることです。
単純に使いこなすだけだったら、それこそ本をたくさん読んだり、センスのある台詞磨き的な教材を見つければ良いのですが、元々持っている自分の感覚を押し殺さないままという制約をつけると、これがまた大変なんです…(白目)
今年一年でなんとかこの辺りの技術を身につけたい。
そのためにはやっぱり、沢山の作品に触れて、沢山創るというのが一番だと思いますけどね。
頑張って勉強します。
うおおおおおお!
aki