下準備の話。 | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

下準備の話。

どうも遊木です。

先日の11日は震災から3年と言うことで、様々なメディアが地震についての話題を取り上げていましたが、個人的には石巻市の津波被害にあった建物を残すか、それとも取り壊すべきか、という内容が印象的でした。
去年のこの時期にもブログで似た記事を書いた気がしますが、震災や戦争の被害を彷彿させるものは、後世のことを考えたら残しておくべきなのかもしれません。
例えば戦争を知らない世代にとって原爆ドームは、確かにこの国にも戦争があったと認識させるものです。当時のことをまったく知らなくても、この国にそれがあるだけで、世界各地で起きている争いごとと自分は無関係ではいられないと思う…。しかし、そういうものは総じて被害にあった方々からしてみれば、忘れたいこと、できれば二度と見たくないものだと思います。

風化させたいもの、後世に残すべきもの。
それらはバランスという言葉で片付けられるほど単純なものではありませんが、何事も、誰かが何かを望めば、その裏で別の誰かがその負荷を負っている。どんな結果になろうと、そのことは忘れずにいたいものです。





さて、現在制作中の漫画も、実はそんなメッセージがあったりなかったり。
自分は油断すると物語に込めるメッセージを前面に押し出してしまう癖があります。なので今回は出来るだけ隠して隠して描こうとしていたのですが、そうしたら今度は「メッセージ性がまったく見えん」と言われ、「ドギャン!マジか!」となったので一部練り直し中…うぅ。

ここでさらっと、本描きに至るまでの自分風ネーム制作の過程をご紹介。
今回はストーリー漫画の場合です。


まず、クロッキー帳にひたすらネタを書きだします。
もうわかりやすくとかは気にせず、思いついたものをノリとテンションでガンガン書いていきます。



一通りネタを書きだしたら、その中から使うやつと使わない奴を取捨選択。

そして世界観がだいたい固まったら、国語の時間にやりそうな段落ごとの要約みたいなノリで物語の流れを書いていきます。このときに、思いついた見せゴマの雰囲気とかもラフで描いたりしてます。同時進行で、物語に合いそうなキャラクターも考えていきます。





ここまでできたら、今度は本格的に物語の流れを考えます。
これが世に言うプロットの部分。
小説のように書くのではなく、「Aが朝に帰ってくる。Dが朝餉準備中にEが乱入。Aに詰め寄りながら(このとき、Aはしれっとした感じで)~」みたいに、注意書きを入れながらプロットを作っていきます。普段はこれもクロッキー帳に殴り書きなのですが、今回はちゃんとワードで作りました。



一通り作った後は読み返して重要なポイントに線を引いたり、追加項目を書き足していきます。

それができたら、私はここでネームに入る前にもうワンクッション、コマ割り絵コンテ?のような作業を挟みます。ぶっちゃけ他人が見るとさっぱり解読不能なものです。
ここの工程で、だいたいの演出の雰囲気を掴みます。



まぁ自分でも見返すと「なんぞコレ」と思うところもありますが、これでページ数のおおよその把握も出来ます。

そしてようやくネームに入るわけですね。



修正のないページはこのままトレース台に敷いて下描きの代わりにしちゃうので、普通に描き込みます。ネーム兼下描きみたいな感じです。
ちなみに演出が固まっていない場面はあまり描き込まず、棒人間で何回かネームの調節をしてから本ネームにします。




描きたい漫画の内容で作り方も変わったりしますが、だいたいがこんな流れです。
まぁこの後、ペン入れ、ベタ、トーン、修正、写植、などが入るわけですが…。
漫画は一本作るのでも本当に大変だ…。



ということで、現在原稿を鋭意制作中…!


aki