風は吹いているか | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

風は吹いているか

暑くて寝苦しい夜が続きますね。
私は毎晩夏コミで買った本を読んで、幸せな気持ちで眠りについています。
こう見えて結構ガチな腐女子です。こんばんは。
夏野です。

夏コミに参加した方はお疲れさまでした!
暑くて暑くて、私は何度も「あ、これもう駄目なやつや…」と思いましたが、
どうにかこうにか無事に帰還しました。
夏は恐ろしいですね……


さてさて。
サークルは集中成長期間に突入したわけですが、
私は昨日、ふらっと出かけて「風立ちぬ」を観て来ました。
ちなみに一番好きなジブリ作品は「魔女の宅急便」です。
ジジ愛してる。

宮崎監督の前作「崖の上のポニョ」は、
世間では評判が分かれたようですが、私は好きでした。
宗介の包容力すごすぎるよね……。

というわけで、今回もあまり前評判を耳にすることも無く、
どんなものかなー?くらいの気持ちで映画館に行ってみました。
以下、ネタばれがあるかもしれないのでお気をつけ下さい。


感想文を書くのが苦手な私がとりあえず言葉を選ぶなら、
素敵、の一言に尽きると思います。
主人公は一途に夢を追う英才で、ヒロインと美しくも儚い恋に落ちて。
静かな情熱に燃える青年の日々はきらきらと輝いていて、思わずため息が出そうです。

作画はやはりポニョの流れを汲んでいるなぁと感じました。
私はもうちょっと尖った絵の方が好みです。
今のジブリは丸すぎるかなーと。
ポニョは全体的にファンタジックな世界観だったので気にならなかったのですが。
今作は、雨粒や汗、水面などがぷよぷよしているのは良いとしても、
植物や建物、飛行機はもうちょっと固そうなほうが好きだ。


ストーリーの方は、構成や世界観等をおいておいて、
私はもうとにかく主人公のキャラクターが好きでした。

美しい飛行機を作りたいという彼は、ひたむきに夢を追っているはずなのに、
暑苦しい感じがしません。
水の中を静かに泳ぐ様に、彼は自分の世界に没頭しています。
鯖の骨に見蕩れ、計測器を片手に図面に向き合えば周囲の声が聞こえず、
一度眠りに落ちれば憧れの人と空を飛ぶ夢を見て。

間延びした柔らかい声でのんびりと話す彼は、自分と人を比べて、
ずるいことや汚いことを考えていない様に見えるんですよね。
ヒロインのことも、自分の仕事と、好きな人と、
そのどちらも今は手放したくないと、彼はそれしか語りません。

飛行機のことも、戦争が良いとは思わない、したいとも思わない、
けれど美しい飛行機が好きだから、国のお金で夢を追う。

それってすごく自分勝手だな!と思いましたが、
そんなところが彼の魅力なのだと思います。


「面白かったね!」と言葉にするのは少し違うと感じるような、
不思議な魅力を持った映画でした。
もし機会があれば、もう一度スクリーンで観ておきたいですね。


夏野でした。

aka