書けども書けども | 乱歩酔歩--Random Walk official blog--

書けども書けども

六月の終わりにこんばんは。書く度にお久しぶりです、霧島です。

いやはや、今月はブログ書くぞー!と思ってたのに気が付いたらもう末日です。最近一日の時間の流れが速くていけねぇや。

実はいつだかにしばらくシリーズ化していた箱根の記事がまだ完結していないのですが、正直もう記憶が遥か彼方なので何事もなかったかのように日常を綴ります。←

そろそろまた旅にでたたいのでコツコツお金を貯めています。お財布の中に500円玉ができる度に
ぶたさんの貯金箱にぽーいと放りこんでいるのですが、おかげで私のお財布はいつもすっからかんです。まああれば使っちゃうから良いんですけどね。

はてさて。
私は通勤の為に電車に20分程乗ります。その間結構暇なので本を読みます。
今日は最近読んだ本の感想でも書こうかなと思ってこの暑い中、何をとち狂ったかホットミルクティーと共にPCの前に鎮座しております。

さて、先日読見終えたのがこちら。しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)/新潮社

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何年か前にTOKIOの国分太一さん主演で映画化もされてます。
ざーっくりあらすじを説明します。

喧嘩っ早くて女に疎いが、とにかく落語に惚れこんでいる噺家、今昔亭三つ葉。ひょんなことから彼の周りに話し方指南を頼む人々が集まります。しかし彼らはそれぞれに問題を抱えていて――
みたいな(ざっくり)。

この物語、私は何が好きかってその語り口調です。語り手は今昔亭三つ葉その人で、文章のなんと歯切れの良いことか。リズムが実によく読みやすい。文章を読みながら、まるで話を聞いているかのような錯覚に陥ります。それくらいストンと読み手の中に落ちる。

そして登場人物たちがまた、総じて不器用で愛おしい。伝えたくても伝えられない、もがいてもがいてのたうちまわって、何か解決したかといえばそうでもない。
正直私たちだって生きてればそんなことばかりです。キラキラしたドラマや漫画や小説のように、うまく行くことの方が稀。それでも彼らは希望を掬いあげて生きている。

“見えない何か”と戦っている彼らの後ろ姿は、一度目にしたらもう応援せずには居られませんでした。それこそ通勤中、思わず涙ぐんで目の前に座るお姉さんに訝しげに見あげられる程に。
―――あの時は正直窓の外に目をやることくらいしか回避する方法を思いつかなくて焦った―――。(霧島談)

主人公が何か大きなことを成し遂げるとか、念願かなって真打に――――というような、所謂王道をいくような物語ではありません。でも、私は読み終わった時に落語を聞いてみたくなった。

一つの物語が終わって、読者になんらかの影響を与える。私はそれは作品として成功した証だと思っています。「あぁ、よかった」それだけで終わらない。そんな作品は素敵だと思う。

で、まあその足で某レンタルショップに落語的な何かを借りに行ったことは言うまでもありません。冒頭で述べたように映画化もされているのでそれも借りて観たのですが、本編が結構な長編ですのでやっぱり二時間やそこらで収めようとするとどうしても物語が歪になってしまうなあと…これはまあ小説にせよ漫画にせよ、映画化すると仕方ないことなのかなあとも思いますが。

なのでこれは是非文章で読んでいただきたい作品だなあと。まあ読んでみなよと。この一言に尽きますね。←

まあてろてろと薄っぺらい言葉で書き綴りましたが、要するに面白かったと、それが伝われば良いなあと思いました、まる!


今また別の小説に手を出したとこなんですが、今回読んでるのは友人に勧められたもので、普段の私ならまあまず手は出さないだろうなあというような作品です。読みながら頻繁に胃の辺りがぐらぐらしますが、読み終えてまた私の中に何か残っていたら吐き出しに参ろうかと思います。
したらばまたその機会に!


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