娘のスマホ閲覧時間がどんどん増えている。

 


しかし今の私はそれを阻止することを一時止めている。

 


それは娘のお友達がもう先が長くないからだ。

 


去年日本に一時帰国した際にスマホを入手した娘。

 


初めはあれこれいじっていて、そこまで執着する感じではなかったが、ある日を境にスマホを見てはメッセージを送っている雰囲気があった。

 


「お母さん、初めて日本人のお友達ができた!」

 


日本に行ったら日本人のお友達が欲しいと言っていた娘。しかしリアルではそんな機会もなく(お母さんがえげつなくカオスやったからね)イタリアに戻ってきた。

 


初めての日本人のお友達はアニメかゲームのSNSで繋がったらしく、2つか3つ年上の女の子。

 


しかし、その子は随分と長い間病気で入退院を繰り返し学校にも通うことができずにお友達もあまりいなかったそうだ。

 


そんな彼女と娘は意気投合して本当に仲良くしていた。毎日やりとりをして楽しそうだったが時々病状が悪化すると連絡が来なくなるので心配して何度もスマホでメッセージを確認することがあった。

 


先月の中旬、とうとう余命が1ヶ月と宣告されたらしく娘は大変がっかりしていた。当の本人はもう心構えができているらしく「死」に対しての恐怖や不安は一切なかったのだそう。

 


娘はとにかくいつまでも末長くやりとりすることを望んでいたが・・・・

 


七夕の短冊を交換したのが最後に…

今週に入り連絡が取れなくなり…

何か悟った娘は約束していた彼女の好きなお花を外に探しに出かけた。

 


小一時間ほどして花を持って帰ってきた娘は泣いていた。

 

散歩中に彼女の看護師さんから事前に彼女がお願いしていたメッセージが送られてきたのだ。

 


娘が手にしていたお花は泣きながら花の写真を撮っている娘に気がついた庭の持ち主のおじいさんが心配りをしてくださり頂いたものだった。

 



 

 

彼女は旅立った

 

 


けれど彼女はそうしたらいつでも娘に会えるととても楽しみにしていたようだ。

 

 

自由になれると

 

 

不思議なもので娘は旅立ちの知らせを受けてからほぼ毎日夢で会っているのだそう。とても嬉しいし楽しいと。

 



ソウルメイトみたいやな

真顔真顔真顔

 

 

現在娘の机には彼女の生前に約束していた彼女をイメージした絵をプリントアウトして祭壇をつくっており毎日ご飯やら果物をお供えしている。この彼女のイメージは生前に彼女に送って喜んでくれたものである。


 

看護師さんから送られてきた彼女から娘へのメッセージもプリントアウトし、そこに娘から彼女への手紙も同じ封筒に入れて謎の祭壇に置かれている。

 


プリントアウトをお願いされたのでしたけれど、あまり内容とかはみないように心がけていたので私はあまり覚えていないが、すごく優しい子だと感じた。

 


しかし・・・・

 

旦那が手紙読んだ

ポーンポーンポーンポーンポーン

 


旦那が娘に読ましてほしいとお願いしたらしい。

 


そして週末に旦那は娘と一緒に花屋さんに行って彼女の好きなお花を買ってくれるのだそう。

 


娘が言っていたが彼女は自分が亡くなった後はドナー提供すると家族の反対を押し切り決めていたそう。自分のように病気で苦しむ人に少しでも役に立てたらとのことだった。

 


ドナー提供すると火葬前の最後のお別れはできない。医師が責任を持って確認するのだ。一人っ子の彼女の両親のお気持ちを考えるとドナー提供を希望することを反対する気持ちはよくわかる。彼女が別の形で生かされるとはいえども筆舌に尽くし難い気持ちになる。

 


娘の初めての日本人のお友達はどうやら現在イタリアにいるらしい。

 


モモちゃんが空間をじっと見つめる機会が増えた

ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ

 


「あっ!きっときてくれているんやわ。今日も夢で会えるわ。」

 


と喜んで寝る娘。

 


肉体朽ち果てても魂は健在で自由で楽しいなら何よりである。

 


それにしても娘も色々経験が濃すぎるのである。



 旦那から欲しかった本がプレゼントされた

 

 


🍀🍀🍀🍀🍀🍀

イタリア最北部ドイツ語圏の秘境、低地ドロミテの村を歩いて好き勝手にあれこれ書いたものを電子書籍として出版しました。




 

 

 ↓リアルにソウルメイトというものを見ている私

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↓娘は亡くなった日こそ大泣きしたが、それからは夢で会えるから寂しくないのだそう