夏休み始まりました・・・・
曇天な。
もう最近こんなのばっかりで、また長袖引き摺り出してきたわ。
(このフレーズも使い回しやな)
そんな夏休み初日は息子くんが週に一回職業訓練でお世話になっている施設のパーティーがあるので行く予定にしていたのだが・・・・
「お母さん大変です。
ショーペロ
みたいです。」
ショーペロとはイタリア語で「ストライキ」のことを指す。つまり公共交通機関が動かないという。息子くんの通う施設は州都ボルザーノにあるのでストやと息子くんはパーティに行くことができないので大騒ぎしていた。
自閉症スペクトラムの息子くんは突然の予定変更が苦手だ。
「あーお母さんが送っていってあげるから心配しなくていいよ。」
土曜の朝からレッツドライブ
そして州都ボルザーノに向かって走っていると・・・
電車もバスもフツーに走っていますが?
・・・・・・・・
まあね・・・・ストする言っていても動いている時やなくなる時もある。蓋を開けてみないとわからないイタリアのスト事情
そして息子の通う施設の住所を調べると2つ出てきたので、どちらの住所に行くのか尋ねたらAの方だと言った。
Aの方は中心地より少し離れたところにあって車をつけるのが難しいそうな場所だったので、どういうふうに息子を下ろそうか考えていたら
「お母さん、近くに駐車場がありますのでそこに車を止められますので大丈夫です。」
だったらそこに車をとめて施設まで歩いて送っていけばいいなと思い、息子が教えてくれた駐車場に向かう。
駐車場に車を停めようとすると・・・
「ありがとうございました。じゃあ僕は施設まで歩いて行きますので・・・」
と言って車を降りて一人で施設に行こうとし始めた。
「えっ!それなら施設の前まで車で送ってあげるよ。駐車場に車を停めるのならお母さんも一緒に行ってお世話になっている方々にご挨拶しようと思っていたんやけれど?」
「そうなんですか?僕は歩いていけますから大丈夫ですよ。」
「一人で行くのであれば駐車場に車を停める必要はないでしょ?施設の前まで送ってあげるよ。その方が合理的やから。」
と息子を車に乗せて施設の前まで送っていく。
「ここです。」
と言って息子は車を降りて施設の店舗に向かったが電気は消えているし誰もいない。約束の時間はあと10分ほどやし1時間前には施設のインスタは更新されていた。
どうも変やなぁと思って息子くんを車内で見ていたら、店舗の前でじっと立ったままで、しばらくして姿が見えなくなった。店舗に入った気配はなし。
やっぱりもう一つの住所の方じゃないかと思い施設のインスタのポストを確認すると・・・・
Bの住所の方でした
やっぱり!!!
Aの住所のところでいつも活動をしていてBの方は知らない息子くんなのでBの方でパーティが行われるという考えがなかったようだ。
車を降りて店舗に近づくと・・・・
しゃがんでスマホする不審者おった
いやオマイ気がつけ!
変やと思ったら施設の人に連絡するとかできるやろ!
まあ自閉症スペクトラムだと思考の転換を速やかにするのは難しいので仕方ないのだが・・・・
「息子くん、別の住所の方でパーティやるみたいやから車に乗って!送っていくから。」
「えっ!僕はいつもここで活動しているんです。きっとみんなここにもうすぐしたら・・・」
「ううん、このインスタのポスト見て!住所見てごらん?ちがうところだよね?」
「あああ・・・・はぁ・・・」
こうなると動揺し始める。自分が間違っていたということを認めることに恐怖感を抱くのだ。別に間違ったら切腹しろ!とか言っているわけじゃないのに、それぐらいのテンションになるのだ。
Bの場所に着くまでの車内の雰囲気が重すぎて笑えたけれど、息子くんには
「何かいつもと違うことが起こったら必ず確認する作業をするんやで。自分の考えが正しいと思い込んでいたらあかんで。」
と言った。息子は完全に目が泳いでいて返事する余裕も無くなっていた。
Bの場所は中心地に近い立地で店舗にはたくさんの人がいた。
息子くんを店舗の前で下ろすと、それに気がついた施設で活動している男の子が息子くんの姿を見て嬉しそうに外に出てきてくれた。その姿が本当に純粋で勝手に一人で胸いっぱいになってしまった。
それにしても息子の今日はストで交通機関が動かないという思い込みから私が車で施設まで送っていくことになり、いつもバスを降りる停留所のところにある駐車場に車を置いたらいいという息子の思い込みで考えていたルートと違った道を通ったおかげで遠回りせず施設のAの住所に車の横付け出来た。
しかしパーティが行われていたのはBの住所の方で、もし私が行っていなければ息子くんはずっとAの店舗の前で待っていて誰も来ないから家に一人で戻ってくるということになっていただろう。
家には一人で帰ってきた息子くんだが、Bの住所の店舗は今日まで知らなかったから僕は間違っていないと自分が間違っていたと頑なに認めたくなかったようで、しばらく面倒やった。
あとこんなテンションで3ヶ月強も夏休みあるんかよ・・・・・
ため息をついていたら
母からテレビ電話
前途多難や。
🍀🍀🍀🍀🍀🍀
イタリア最北部ドイツ語圏の秘境、低地ドロミテの村を歩いて好き勝手にあれこれ書いたものを電子書籍として出版しました。
↓電話はマシンガントークで1時間やった
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