おおよそ1ヶ月前に、ちょうど母から電話がかかって来た時に

 

「あんな、お父さんさ今日朝に血尿出てんやん。ほんで大騒動やねん。」

 

あらま・・・

 

「なんかトマトジュースみたいなんが出てんて、ほんでまだ止まれへんらしいわ。」

 

まあ血尿なら出切ったらねぇ。。。

 

「せやから明日病院に連れて行かなあかんねん。」

 

面倒やな。

 

「泌尿器科やねんけれど、誰か知り合いおる?」

 

「あー友達の旦那さんが泌尿器科やから聞いてみるわ。」

 

持つべき者は優秀な友人である。

 

そんなやりとりを母としていると、いつもは電話に出てこない父がやってきて

 

「おう!わしな、血尿出たんや。もうどろっどろでな、これはわしが思うに

 

膀胱癌

 

やと思うねん。ワシももうあかんわ。」

 

・・・・・

さよか・・・相変わらず元気な病人だな。

 

と言い残して、また父の友人に電話し始めた。。。

 

「ねえ?なんかトマトジュースからどろっどろに表現の誇張が順調に進んでんで。」

 

「いつものこっちゃな」

 

とにかく父の誇張表現は四言絶句の誇張表現がかわいらしく思えるレベル。言うてみるなら

 

ワシ

曹操の鼻に

小指突っ込んでぶん投げた

 

とかいう誇張レベル。もう正直ありえないファンタジーワールドをあたかも現実に起こったかの如き話すのが父である。もう母も私も慣れっこなので、ちょっと興奮口調で話す時は

 

まず

聞かない

 

で、昨日母から電話がかかって来て・・・

 

「お父さんな、

一応

ガン

やってんけれどな、膀胱のところに親指の爪ぐらいの大きさの

 

ヒラヒラ〜

とした

イソギンチャクが

くっついていたわ

色もピンクでええ色しててな、他に転移もしていないから先生もな

 

『パパッと手術して取っちゃいましょう!』

 

っていうノリでさ、簡単な手術みたいやから手術の優先順位も下やから1ヶ月後になったわ。」

 

やっぱりね

事前に友人に母から聞いた父の症状を伝えて尋ねたら、多分ガンやけれど簡単に取れるやつやと思う。との話やったので大丈夫と思っていたが、やっぱりねである。膀胱癌がひどい場合は膀胱を全部摘出する手術をするらしく、摘出した膀胱の代わりを小腸を使って新しい膀胱の代わりを作るとかいう興味深い話も教えてもらった。

 

持つべきものは

 

賢い友人

 

「それにしても恥ずかしいわぁ〜。お父さんな、あちらこちらに膀胱癌や!膀胱癌や!もうワシは長くないって言いふらしていてさぁ・・・ほんま簡単な手術らしくてね・・・」

 

「うん、友達もそう言ってたわ。旦那さん膀胱の腫瘍のが専門やからいつでも聞いてってさ。」

 

「いやぁ、またしょーもないことに巻き込んでしもて悪いことしたな・・・」

 

「もう友達、お父さんのキャラぶっ飛びすぎてファンやって言っていたから大丈夫やで。」

 

「ところでな、昨日手術の日とか色々病院に聞いて来た時に、どうやらお父さん風邪もらってきたみたいでな

 

37度

 

熱あんねん。」

 

「そんなんちょっと体温高いで普通に動けるやろ?」

 

「それやのに朝から『熱ある熱ある』言うて、やかましいやかましい!もう体温計何回使っているか。」

 

またか!

 

37度なんてフツーに動けよ!

夕方の体温

それ!

 

「でも邪気にはできんから一応アセトアミノフェンの薬飲ませてんねん。」

 

面倒臭い!

 

と話していると、後ろでやたら肩で息を切るデカいオジジが横切る・・・

 

面倒臭い!

(2回目)

 

「な?大仰やろ?今に始まったことちゃうけれど。」

 

「もうミョウバンとか飲ませといたらええねん!よく聞く薬とか言って。」

 

「ほんまやわ!」

 

・・・・

 

というわけで一応1ヶ月後に膀胱にできたイソギンチャクみたいな腫瘍をプチッ!と取る手術をするそうな。

 

やれやれ・・・・

 




アイスホッケー日本代表来ております。


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イタリア最北部ドイツ語圏の秘境、低地ドロミテの村を歩いて好き勝手にあれこれ書いたものを電子書籍として出版しました。





 ↓相変わらず大仰な父である

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↓この調子やと向こうがお迎え渋る状態やろな