これは同性同士の恋愛を妄想したものです。それでもOKな方は下へスクロール。













「又吉さん、起きて」
男に起こされる。

「お楽しみしようか」
そう言って僕に馬乗りになる。

あの日から昼か夜かさえ分からない。
窓の無い部屋で男と体を重ねている。

もう感覚が麻痺してしまった。
初めは嫌で仕方なかったのに、体を這い上がるゾクゾクとした疼きが走る。

もう限界だと思っても止めてはくれない。
男が満足するまで「まだだよ」と荒い声で囁かれるだけだ。

それが何日か続いたあと、急に解放された。
「警察ってやだよね。わりとすぐに見っかっちゃったみたい」
笑って話す男。

明るい場所で見た男は若く見えた。
二十代半ば。
スポーツマンのような体型。

声は明るかった。
「時間が来たら、またね、又吉さんさらいに行くから。待ってて」

「もう、こんなことアカンよ」
「何で?愛してるのに」
「僕は…「俺のものだから印つけておくね」

男はそう言うと首筋に強くキスした。
「これだと、すぐ消えちゃうけど」

残念そうに顔を歪める。

「記憶には焼き付いたよね俺の事」

その笑顔に背中が疼く。
求めているのは体か心か分からない。

「又吉さん行って。離せなくなるから」

ドアを振り返らずに開ける。
久しぶりに見た空は青かった。

「またね。愛してるよ」

後ろからの声に振り返らない。
怖い。

扉が閉まる。
全速力でビルから逃げた。

僕が居なかった数日。
事務所や芸人仲間は四方八方、探してくれたらしい。

その後、警察が来て事情を聞かれた。
世間にも僕を誘拐した男と僕の事は、記事になった。
もちろん名前をふせて。

首筋のキスの痕は消えた。
でも記憶に焼き付いている。
男が望んだ通り。