親父と天使の探し物 11小説 | 「山あり谷あり笑いあり」らんのblog

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インドアなのに司会やイベントに参加する方向音痴不思議さんの日々を綴ったり、小説や詞を書いたりする迷走系ブログ❗️時折、失踪してblog更新怠ります
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「ごめんください」

「あらあら、また誰か来たみたいね」


紀理子が玄関にいこうとすると美園が


「あの、もし私の事を聞かれたらココにいないって言ってもらえませんか。多分あの声は…お願いします」

「まさかそうなの?」

「多分」


紀理子と美園だけがわかる話をしているので、皆は訳がわからず


「ちょっと母さんなんなのよ」

「いいから美砂子は美園さんを奥の部屋に連れて行ってあげて」

「え」

「早く」

「分かったわよ」


紀理子にせかされて美砂子は美園をつれて奥の部屋に向かった。

紀理子はフッと一息はき玄関に向かった。


あれって男性の声だよな誰なんだよ。ってか、さっきから五月蝿いなあ


と徹が天使を見ると


「頼むからおっさん静かにしろ」

「こんな非常事態なんだぞ俺が行かずにどうする」

「いやいや行ってもなにもできないから」

「何を言う背中をさすってやれるし、お水も持っていってやらねば」


奥の部屋に行こうとする康成を天使が止めているところだった。


「だからそれセクハラだし」

「何を言うお父さん代わりとして当然のことだ」

「2人して何やってんだよ」


なれたのかさほど驚かなくなった徹が


「なにげに仲良さそうなのもムカつく」


と言うと2人がピタッと止まり徹を見て


「仲良くない!」



そこに紀理子と浩一郎がやって来た。


「あらあら、何をやってるの」

「何でもないよ、それよりその人は?」

「はじめまして岩田浩一郎と言います。今朝おじさんが亡くなった事を知って」

「父さんの同僚だった岩田さんの息子さんよ」

「岩田って、あの岩田のおじさん?」

「そうよ、さあどうぞどうぞ」


祭壇で拝む浩一郎


「あっお茶入れないと」


安定の紀理子である。

浩一郎に徹が座るように促し紀理子がお茶を持ってきた。


「そう言えば浩一郎君ってまだ大学生だったわよね」

「はい、あのこんなこと聞くの何なんですけど美園いや富岡美園さんここに来てますよね」


ごきゅっ

ごほごほごほ


徹はお茶を吹き出しそうになった。そんな徹を紀理子がしばいた。


「何やってるのよ」

「ごめん」

「やっぱり居るんですね」


おっさんの息子って分かりやすく動揺するのな


天使は笑っていいのか呆れていいのか困った顔をして徹を見た。そのとき突然徹の脳内で


てってってーてってってー


うおおお来たぁー、そうか自分の女を父さんが奪ったと思い殺したのか、まさに真犯人は現場に戻るだな


「あんたまさか」


徹が声をかけようとしたとき、天使がニヤッと笑い話をさえぎり


「アンタなんだろ彼女のお腹の子の父親」


おまっ


やだわそれ言っちゃうのね


紀理子と徹は目を見開き天使を見た。


「お腹の子って、やっぱりまだ子供はいるんですね」


徹の眉がぴくりと動いた


「だったら何なんだよ産むなって言うのか、俺の親父を殺しといて」


シーン


「徹あんた何を言ってるの」


おっさんコイツ


ああ、すまんバカなんだ


「だからこいつが父さんを殺したんだよ。お腹の子は本当は父さんの子なんだ、俺はぜんぶお見通しなんだぞ」


自信満々で浩一郎を指差す徹をポカンと見ていた浩一郎が


「子供は正真正銘オレの子です。それに恩を仇で返すなんて出来るわけないでしょ、おじさんのお陰で結婚出来るようになったのに

「え?」


振り上げた拳をおさめられない状況の徹を天使はニヤニヤ見ていた。


「2週間前、真行寺のおじさんが父に言ってくれたんです結婚させてやってくれって」

「まあ父さんたら男前」


祭壇の影で康成は照れていた。


おっさん照れても可愛くないから


「父は頑固で、その上世間体をすごく気にする人なんです。俺のいう事なんて何も聞いてくれなくて、子供のくせにとか学生のくせにとか親の世話になっているくせにとか、母さんは板挟みになって体調を崩してしまうし」

「信代さん結構気にする人だものね」

「こうなったら駆け落ちして二人だけで暮らしてもいいって思ったんですけど」

「そんなの美園さんが喜ぶわけがないでしょ」


紀理子が浩一郎をしかった。


母さん可愛いのぉ


おっさんキモい


「そうなんです、そんなのは俺の自己満足でした。せっかくおじさんが父を説得してくれて結婚出来るようになったんだから、皆で大切に子供を育てようって」


おっさん何を言ったんだ?


それは秘密だ


「両親にも美園にも産まれる子供にも迷惑をかけるかもしれない、でも必ず弁護士になるって約束をしたんです」

「あらあら、勝彦さんも信代さんも孫の面倒見られるの嬉しいでしょうね」

「苦労させると思います」

「苦労だなんてとんでもない、孫って可愛いのよ。だから出来るだけ2人に預けちゃいなさい」

「はい、そうします」

「じゃあ徹は浩一郎君に謝りなさいよ、勝手に犯人に仕立てちゃったんだから」


紀理子に言われて徹は仕方なく



「でもさ」

「デモもへったくれもありません」

「分かったよ、悪かったごめん」

「いいんですよ、おじさんに迷惑をかけたのは事実だし疑われても仕方ないので、っておじさん殺されたんですか?」


あぅっ


あわてて徹が


「たしか彼女って年上だったよな」

「あーはい11歳年上なので美園は32歳になります」

「うっ11歳すごいのな」

「そんなのは好きになるのに関係ないので」


うわ本物の男前だ男前過ぎる、俺はなんてちっさい男なんだ


と一人で落ち込む徹。


落ち込み方とか親子そっくりだな


天使は感心したようにうなずいた。


「徹ったら自分の不甲斐なさに落ち込んでるのね」


すっ鋭い


驚いて徹と天使は紀理子を見た。


「そりゃあ俺が選んだ母さんだから並みの女性じゃないぞ。なのになのに何でワシのこの姿が見えんのだ~」


騒ぐ康成に徹と天使が


「うるさい」


紀理子と浩一郎はビックリして2人を見た。徹と天使は握手をして頷きあっていた。


「何してるの」


紀理子に不思議そうに言われ


「いや別に何でもない」

「同じく」

「変な子達ね、それより美園さんは奥の部屋にいるから行って話してあげなさい」

「はい」


浩一郎はお辞儀をし奥の部屋に向かった。


「じゃあ誰が犯人なんだよ、やっぱりお前が


と天使に向かって言う徹に紀理子が


「いい加減にさしなさい」

「だって」

「証拠もないのにうたがっちゃダメでしょ。ごめんなさいねセイさん」

「あー殺してないから気にしてないし」


そこに美砂子がやって来た。


「ちょっと、あれどういう事よ。あの子が父親って本当なの?どう見てもまだお子様じゃない」

「大学生だし、それと父さんの子供じゃなかったんだって」

「それ聞いたし、ついでに色々と聞いたわよぉ。出会いは彼が忘れ物を届けに行って、フロアを教えてもらったんだって」


出た姉さんの根掘りハホリり病


「でね彼の方から告白したんですって、若い彼氏ってうらやましいわぁ」


と言いながら美砂子は天使を見て


「くそー父さんの子じゃなかったら、あんなことやこんなことを」

「美砂子、放送コードに引っ掛かるからそんなのダメですからね」


紀理子が美砂子をギロッとにらんだ。


「はいご免なさい」


ビビる美砂子と呆れる徹と天使、そして最強な紀理子であった。