親父と天使の探し物 4小説 | 「山あり谷あり笑いあり」らんのblog

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「楽しそうだな俺の悪口でも言ってたんだろ」

「あらまあ早いじゃないの」

「本当、珍しいこともあるわね」

「よく言うよ、いやな予感がしたからとっとと出てきたんだよ」

「なによ?いやな予感って」


ニヤニヤして言う美砂子に


「だから、俺の悪口に決まってるだろ」

「悪口だなんて私達は本当の事しか言わないし、ほお紅事件の事とか」


うっと言葉のつまる徹


「あのなぁそんな小学生の頃の事でいまだに盛り上がるのは二人だけよ」

「そんな事ないのよ、おばさん達にこの話は結構ウケるの」

「そうよ、鉄板ネタよね」


こっこいつら、どんだけ言いふらしてんだ


「頼むから言いふらすのはやめてくれ、あんたら怖すぎる」


徹が身震いしながら言うと


「それは困ったわねぇ、この歳になるとなかなかウケる話ってないのよ」

「母さんウケるって言葉知ってたのね」

「当たり前よ、私もまだまだ若いかしら?」


キャピキャピしだした2人を見て疲れきった徹は


「どんだけ俺で遊んだら気が済むんだよ」

「そんなの、産まれたときからに決まってるじゃない」


姉の風上にもおけねー


徹は気が遠くなりそうだった。


「さてと徹をいじめて楽しんだ事だし、そろそろお風呂に入ろっと」

「私も一緒に入ろうかしら」

「いいわね、温泉旅行切り上げて帰ってきたから、こう不完全燃焼なのよね」

「そうだと思って急いで帰りに温泉の元を買っといたの、これを入れて温泉風呂にしましょ」

「母さんさすが」


と温泉の元を取り出した。


「えっそんなのあったの?俺にも言ってよ」


徹が驚いて言うと


「うるさいな、あんたには温泉たまごあげたでしょ」

「え~」

「母さん行こう」

「じゃあ徹、後片付けおねがいね」  


2人はさっさと去っていった。


マジで人でなしだな、俺なんか父さんの事まだ信じられないのに、女って立ち直りがはやいのか?

訳が分からん


「とりあえず片付けるか」


徹は机の上のお茶やお菓子などを片づけ、暖かいお茶を入れて湯呑を持って居間に戻ってきた。


「さてと片付いたし部屋に戻って資料の下準備でもするか、じゃあな父さん」


と祭壇に声をかけて部屋にいこうとした時、ゴトッと奥の仏壇のほうから音がした。


「ん?今なんか音がしたような」


湯呑を机の上において、あたりを見まわしたが誰もいない。


「気のせいか、だよなぁ」


と言い行こうとすると、またゴトッと音がする。


「え?何で嘘だろ怖いってば気のせい気のせい」


と自分に言い聞かせる徹、すると仏壇の陰から


「お~い徹」

「え?やっやめろよぉ寒気してきたじゃないか、俺はなんも聞いてないぞこれは空耳だ」


早足で徹は部屋に戻っていった。


「この白状もの!なんで俺の声が聞こえんのだ」


白い着物を着た康成が仏壇の奥から出てきて祭壇の前に座った。


「父親を無視するなんて百年はやいって言うもんだ」


と言いながら机の上の湯呑をとろうとするが持てない。


あれ?どうした事だ湯呑が持てないじゃないか


戸惑いながらも何度も持とうとするが持てない。そこに天使がやって来て


「だからさっきから何度も言ってるだろ、あんたは死んでるんだよ」


は?死んでるって


信じられない康成は


「死んでるってか」

「そう」

「誰が?」

「あんたが」

「いつ?」

「四日前」

「なんで?」

「餅を喉に詰まらせて」

「若者よ下らん嘘はやめなさい」

「いや、本気と書いてマジと読むんだけど」


目を点にする康成


「ンな分けがあるかい、どこを見て言っとるんだお前の目は節穴かぁ」


と言われて開いた口が塞がらない天使。


このオヤジ絡みづら、いやいや落ち着け落ち着け


自分に言い聞かせながら祭壇を指さし


「ほらあれ」

「どれ?」

「だからあれ」


祭壇を見た康成は


「これか?これがなんだって」


と言いながら写真を手に取り


「こ、これは」

「どう見てもあんただろ」


と言うとワナワナする康成が


「何てことだ、よりにもよってなんでこの写真なんだ!もっといい写真があっただろ」

「突っ込む所はそこか」


すると、てへっと照れる康成。


「んなことしても全然可愛くないからな。それに大事なのはそこじゃないだろ」


と言うと、キョトンとした康成は


「え?何で?」

「だからいい加減にちゃんと話を聞いてくれよ」


こんなオヤジと俺はやっていけんのか、凹むわぁ