いつかの君へ1 | 「山あり谷あり笑いあり」らんのblog

「山あり谷あり笑いあり」らんのblog

インドアなのに司会やイベントに参加する方向音痴不思議さんの日々を綴ったり、小説や詞を書いたりする迷走系ブログ❗️時折、失踪してblog更新怠ります
再編集投稿の小説は「小説家になろう 名月らん」で検索よろ❗️
なおTwitter・Facebookは、しておりません。m(__)m

新開家の居間 中央に座卓、隅に仏壇(午前中) 桜が、荷物を持って入って来る。

 

桜「ただいま~今帰りました・・・」

 

静まり返る部屋の中。荷物を置く。

 

桜「どこに行ったんだろ」

 

仏壇に近寄る。

 

桜「兄さん、ただいま。あれからもう、二十五年も経ったんだね」

 

手を合わせる桜。人の気配がして振り返る

 

桜「だれ?」

 

見渡すが 誰もいない。

 

桜「気のせい?」

 

気配を気にしながら、座卓にやって来る桜。友則と希美が、お墓の掃除から帰って来る。

玄関に桜の靴を見付ける希美。

 

希美・声「まあ、お父さんもう桜が帰って来てるわ!」

友則・声「本当か?」

 

バタバタと入って来る二人。

 

桜「ただいま、お父さんお母さん」

友則「(嬉しそうに)おう、よく帰ってきたな」

希美「桜、お帰りなさい」

 

優しく微笑み桜を抱きしめる希美。

 

桜「おお母さん苦しいってば」

 

そんな二人を笑顔で見ていた友則が

 

友則「あ、ちょっと待ってろ桜、すぐに着替えて来るから」

 

と部屋へ去って行く。

 

希美「お父さんたら嬉しそう。あらやだ、正也さん達と一緒に帰って来ると思っていたから、お昼の用意をしてないわ」

 

うろうろする希美に

 

桜「いいって、新幹線の中でお弁当食べたし」

 

と言う桜。

 

希美「そんなのだめよ!そうだ、夜は桜の好きな唐揚げにする予定だから、

お昼はうどんにする?おいしい、山菜の天ぷらがあるのよ」

 

楽しそうに言う希美に

 

桜「じゃあ、それでいいよ」

 

と桜が座りながら言った。

 

希美「じゃあ、腕によりをかけて作るわね」

 

と言い台所に去って行く希美に


桜「うどん、茹でるだけでしょ」

 

と声を書かけると

 

希美「やだわ、お出汁も重要なのよ」

 

と硝子戸の端から顔を出して言う。

 

桜「なるほどね」

 

と言う桜に

 

希美「それにしても、本当によく帰ってきたわね。もう大丈夫そうね」

 

希美が声をかけると、穏やかな表情で

 

桜「うん、もう大丈夫」

 

と言った。

 

希美「良かった。あ、お茶入れるわねと、お菓子だったわ」

 

台所に去る希美。桜は部屋の中をゆっくりと見回し

 

桜「やっと帰ってこれた」

 

と、呟いた。