いつか優しい未来5 | 「山あり谷あり笑いあり」らんのblog

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「それじゃあ広人さん失礼するわね」


そう言い、結と陽平は階段を上がっていった。

陽平となごやかに話す結のあざやな笑顔を広人はじっと見ていた。そんな広人に


「私は料理長に陽平様がいらした事を伝えて参りますで、これで失礼しますよ。広人さまもお部屋へお戻りください。あ~忙しい」


執事の田所はいそいそと厨房へと去っていった。

ふと気付くと広人の隣に黒沢が立っていた。

この人気配がなかった、まさかな

「あのあなたは、行かなくていいんですか」


残った黒沢に広人が聞いた。黒沢は


「私は他に用事がありますので、陽平様とはしばらく別行動となります。それでは、広人様失礼いたします」


そう言い立ち去ろうとして立ち止まり広人を見て


「広人様、お気を付けください」


と言い去っていった。そんな黒沢の言葉に広人は混乱していた。


気を付けろ?って何に?
全く分からない
黒沢って言ったっけ変な人だな
あの平岩陽平って人どこかで…
あ、この間テレビで見たわ
けっこう有名な政治家だ
そんな人が従兄弟って、結さんってすごい家系の人なのか?
それにしたって、こんな雪の日にわざわざ来るなんてよっぽど急ぎの大事な用なんだろな
でも、あの2人の関係って本当はいったい…

混乱する広人を、ケイルが離れた場所からそっと見ていた。


ふと視線を感じ広人は振り返った。だが誰もいない。


「あれ、気のせいか」


すでに薄暗い廊下にケイルの姿は消えていた。


誰もいるわけないよな、
さっ部屋に帰るか

そう呟き広人は部屋へと向かった。

広人は部屋に入り暖炉の側のソファーに腰掛けた。

天井のシャンデリアがキラキラと輝いている。広人は電話を貸してもらうのを忘れていたことを思い出し、
部屋にある電話をならしてみた。

しばらくして無機質なばあやの声が受話器から聞こえてきた。


「何かご用でしょうか」


この人はある意味ブレないな

広人は一瞬たじろいだが、思いきって言ってみた。


「あの外に連絡したいんで電話をお借りしたいんですけど」


と言う広人にばあやは


「外部に繋がる電話ですね、2ヶ所ございますが今日は結様の許可が得られそうにありませんので、明日でもよろしいでしょうか?」


と言った。


お客が来ているから無理って事だな

どんだけVIPなんだ?

広人は仕方なく諦め


「仕方ないですよね、明日でかまいません。伝えてください」


と言った。そんな広人にばあやは穏やかな声で


「ではしばらくしたらお食事をもって参りますので、ごゆっくりしていてください」


えっ今のってばあやさん?

広人は初めて聞いたばあやの穏やかな声に少し驚き


「あはい、よろしくお願いします」


と言い電話をきった。


もしかしたら、ばあやさんて無愛想な見かけによらず、本当は優しい人なのかも知れないな


窓の外を見ると、さっきまで降り続いていた雪がいつの間にかやんでいた。