テレビ映画用に製作された、実在の天才ピアニスト・リベラーチェの全盛期から最期までを描いた作品。



超絶演奏技術と派手なパフォーマンスで大人気だった、「世界が恋したピアニスト」と称されたリベラーチェ。

そんな唯一無二の存在の彼を、名優マイケル・ダグラスが、彼の晩年の恋人で公私を共にしたスコット・ソーソンをマット・デイモンが演じてます。

そして監督は、スティーブン・ソダーバーグ!!


絶対、面白いやん。


って事で、U-NEXTで視聴。見放題配信中です。最初はリベラーチェの伝記かな?と思ってた冬夢ですが、違います。

これ、スコットが実際に書いた暴露本が元になってました。だから、親子以上に年の離れたスーパースターに見そめられた若者の、成り上がりから転落までの人生を描く恋愛映画です。


実際、1970年代後半リベラーチェがスコットを見そめた時、彼はまだ17歳だったらしい。映画ではそこまで若くないかな、と思いましたが、マット・デイモンがめっちゃ可愛い🩷

まだまだLGBTの人達が差別されてる時代、リベラーチェはゲイを隠して活動してました。噂が上がるたびに、彼の敏腕マネージャーが火消しに奔走。



スコットが初めてリベラーチェの楽屋で彼を紹介して貰った時、この当時の彼の弟子で付き人(恋人)だった若者が、賑やかな人たちの中でたったひとりで、食事を摂ってるんですよね。

新たなお気に入りになるだろうスコットを気にしてる彼の姿が、冬夢には何年後かのスコットにダブりました。


最初は秘書として、そして本当は孤独なスターのリベラーチェの話し相手として、一緒に豪邸に住むようになるスコット。元々居た取り巻き達にのけ者扱いされながらも、スコットはリベラーチェの寵愛を一身に受け、彼らを排除していきます。



彼にとっては欲しいものは何でも与えられ、贅沢の限りを尽くせる夢のような生活でした。


芸術家とは美を追求するもので、リベラーチェは老ゆく自身の顔を若返らせる為、大掛かりな美容整形をします。

そのお抱え整形外科の医師を演じるのがロブ・ロウなんですが、これがまためっちゃハマり役なんですよ。



自分もめっちゃ整形してるよね!な容貌えー

彼が若い頃『アウトサイダー』や『セント・エルモス・ファイヤー』で大人気の頃を冬夢は知ってますが、色んなスキャンダルで一時姿を見ませんでした。この美容外科医を演じる彼は、まさしく怪演でもう何者なんか分からない気持ち悪さがありましたキョロキョロ

リベラーチェは、スコットの顔も自分の好み、自分の顔のように変える事を勧め、彼もそれに従うんです。



そうして、リベラーチェの公演にも顔を出すようになるスコット。リベラーチェはスコットに家を買い与え、最愛の母を亡くした後、自分が死んだら財産が彼に渡るよう養子縁組までしようとしていました。


しかしまだまだ若いスコットは、リベラーチェと2人だけの生活を窮屈に感じ始めます。

その頃から、美容外科医師から貰うダイエット薬と称したドラッグ、そして更に強い薬へと依存していくスコットは、リベラーチェとの争いが増えていきました。



浮気を疑うリベラーチェを疎ましく思い、薬に益々依存していくスコット。リベラーチェはちょっと変な「性癖」があって、それをスコットにも強要するのですがその時、薬の副作用でスコットは倒れてしまうんです。


2人の気持ちはすれ違い、前のようにセックスも出来ませんでした。

若かったスコットは、少しずつ大人になりいつの間にかリベラーチェの周りには、また新しい若い男達がいます。それに悶々とするスコット。そんな時、彼の養育をしていた養母が亡くなったと連絡を受けます。

久しぶりにリベラーチェに優しい言葉を掛けて貰い涙するスコット。しかし葬儀の後、彼が帰ってくるとリベラーチェは、例の若い男と浮気をしていました。そう、最初に見た「ひとりで食事する男」にスコットがなってたんですよね。

これはもう、飽きられたら容赦なく切り捨てられるってストーリー展開的に分かってた事やったけど、やっぱり可哀想って思っちゃいました。

「俺にはリベラーチェだけだ。顔さえも自分の物じゃ無くなった」


家を追い出されひとりになったスコットは、リベラーチェとの暴露本を出版し訴訟を起こすんですけど、相手は大スターで自分はドラッグ中毒。どんなに頑張ったって納得する結果にはなりませんでした。


時を経て、リベラーチェはエイズに罹患。死を悟ったリベラーチェは最後にスコットに「会いに来て欲しい」と電話を掛けてくるんです。



最後までゲイを隠して死んでいったリベラーチェが、死後にマスコミに暴露されるのも酷い話だと思いました。



リベラーチェを演じたマイケル・ダグラスは喋り方や所作全てが本物のリベラーチェのようだと評されています。もうそりゃあ特殊メイクもスゴいし、成金趣味もオネェな喋り方も完璧星

でもそれ以上に、スコットを演じたマット・デイモン❗️ちょっと根暗な感じの粘着性のある性格を演じさせたらピカイチってくらい上手いです。『リプリー』の時も同じこと思ってたわ、冬夢爆笑

当時40歳を過ぎてた彼が最初、ホンマに20代のピチピチボーイに見えるんだもの、俳優ってアメージングキラキラ


なーんにも目新しさは無いお話ではあるけれど、マイケル・ダグラス、マット・デイモン、ロブ・ロウを観る為だけでも価値ある作品です。

スコット側からのお話なので、彼がリベラーチェをずっと愛してた、って事は分かるんですが、リベラーチェが最期に呼び寄せたのがスコットだった事、そしてその時「人生で1番幸せだった」と言った事で、リベラーチェもスコットには本気だったんだと思いました。でないと、財産取られるのに養子にしようとか思わないもんね。



U-NEXTに登録されてる方は、是非ご覧になってみて下さい。



最後に、素の2人の写真。


ヤダ、こっちの方が何倍も素敵で萌えるやんかハートラブラブ



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