普段はタイBLシリーズばかり見てる冬夢ですが突然、無性に「映画見たーい❗️」ってなるんです。


で、今は配信サイトにいっぱい登録してるので(笑)、見たいと思っていた作品を見ました。

どちらもゲイの男の子が理不尽ないじめや大人の無理解の中でも、自己のアイデンティティを確立していく作品でした。




『Giant  Little Once』



丸レッド2018年カナダ映画

丸レッドGagaOOLalaで視聴、日本語字幕(若干魔訳ですが大丈夫な範囲)あり


右矢印【冬夢的感想】

主人公は、↑でこちらを向いてる男の子・フランキー。もうすぐ17歳になる彼には↑横顔も美しい・バラスという親友がいます。

2人とも水泳部に所属していて、人気者。2人にはそれぞれに付き合ってる彼女がいます。

フランキーは母子家庭なんですが、父親はゲイをカムアして家族の元を去っていました。その父親を演じるのがカイル・マクラクランなんですよね❗️カイルと言えば代表作ともいえる『ツインピークス』とLGBT映画の傑作『ボーイ・ミーツ・ラブ』。あの頃のカイルさんめっちゃカッコ良いんですが、この作品のパパ役も素敵です💓フランキーは家族を捨てた父親をよく思ってなくて、母から「話をして」と言われても拒絶してました。



さてフランキーとバラスは、フランキーの17歳の誕生日にパーティを抜け出して2人で夜の街に出掛けます。お酒を飲み、絡む年上の男たちに反撃しながら全力で遊ぶ2人。でも酔った2人はその後フランキーの部屋のベッドの中で「性的経験」をするんです。

途中でバラスはベッドから出て、慌てるように部屋を出ていきました。


このバラスってヤツがですね、クソ野郎なんですよ❗️ムキームキー

本当は自分からフランキーに迫ったくせに「フランキーから無理やりされた」と周りに風聴。あっという間に噂が広まり、フランキーは孤立し水泳部も辞める事に…彼に対する態度がコロっと変わるバラス、水泳部員やクラスメイト。ついこの間まで親友やった相手からの手痛い裏切り。フランキーはボロボロに傷付き孤独を深めます。

しかし、フランキーの周りには理解し寄り添ってくれる相手がいました。

1人はバラスの妹・ナターシャ。彼女は以前パーティで暴行された過去があり、学校では「アバズレ」などと虐められてました。元々仲良しだった2人はお互いに居心地良さを感じ、一緒にいるようになります。

しかしバラスは、それを良く思ってなかった。フランキーの自転車を壊したり、待ち伏せして罵声を浴びせたり…いやマジでこの辺り、イライラしましたよ❗️バラスはあくまでも「自分は犠牲者側」って態度。男に興奮した自分を認められないんですよね。彼はずっとクローゼットの中からは出られないんだよ、きっと。

もう1人は、男の子になりたい女の子・マウス。彼はいつも的確にフランキーの事を言い当ててるんです。自分は男になりたいから、本当の男の体の事をフランキーに聞いたりして、彼の存在もフランキーにとっては「多様性を受け入れる」ひとつとなってる。

結局、ナターシャとの事でフランキーはバラスから暴行を受け大怪我をしました。その事がきっかけで、バラスの嘘が世間にバラされ、今度はバラスが「追放者」となったのでした。

いやぁ冬夢、この辺りでやっと清々したよね。

16や17歳で自分の全てが分かってそれを受け入れられる子供はそうそう居ないと思うけれど、人を傷付けるのは最低です。


この出来事の後、フランキーは父と和解。

自分がゲイなのか、まだ分からない彼に父は当事者として、的確なアドバイスをするんです。彼にとっても家族は宝物なのです。

フランキーのセクシャリティは作品内では断定されてません。まだ若いフランキーが「断定」する事を父も良しとしなかったし、その必要は無いって言ってました。反対にバラスの父親は、フランキーの父の事を認めてませんでしたね。そんな親だから、バラスもちょっとは可哀想やったかな。


フランキーを演じるジョシュ・ウィギンズくんは1998年生まれ。



この時まだ19か20歳。もっと幼く見えたけど、今も若手俳優としてキャリアを積んでるようです。


バラスを演じたダレン・マンくんは1989年生まれ。



この時もう三十路⁉️うそん…ジョシュくんとは10歳も離れてたー!はい、歳の差萌え~❤️




​『秘密のキス』Hidden Kisses



丸レッド2016年フランス映画

丸レッドAmazonプライムで視聴、見放題で日本語字幕あり


右矢印冬夢的感想】

皆さん↑のポスターに惑わされてはいけません!

これやと、可愛い2人の「カミングオブエイジ」的なお話しって思いません?いえいえ、このシーンにくるまでは、なかなかにしんどい場面が続きます。

主人公は→左のネイサンと←右のルイス。

ネイサンは母を亡くして警官の父と2人暮らし。少し前に、この街に引っ越してきて、ルイスとクラスメイトになりました。ある日、誰かの家でのパーティに呼ばれたネイサンは、ある男の子との「キスの場面」を画像拡散され、イジメの標的になります。

写真の角度的にネイサンの顔がはっきりしていて、相手が誰か⁉️って噂に…しかし、ネイサンは決してその相手が誰なのか言わない。SNSでその事を知った父は狼狽え、認める事が出来ませんでした。

前半はこのネイサン視点で物語は進行します。

ホモフォビアのクラスメイトから酷い暴力を受けるようになるネイサン。何度もキスの相手・ルイスに「会いたい」とメッセージを送るも無視されていました。しかし、一度だけ会いにきたルイスはネイサンに「もう構うな」と言い捨てたのでした。

冬夢、「こいつもクソ野郎やな❗️ムキー」とこの辺りではルイスにムカつきまくってましたね。

逃げることだけはしない、と学校に通い続けるネイサンですが、ある日体育の授業の後の更衣室で酷い暴力を受けます。その中で1番彼を殴ったのがルイスでした。顔に大きな傷を負ってしまったネイサン。しかし彼の心の傷の方がもっと深くて痛かった。ずっとルイスを守り彼の事を隠し続けたのは、本当に彼の事が好きだから。なのに、そんな相手からこんなにも酷い事をされたんやからね。ネイサンは父にやっと事実を話しました。


さて、そんなルイス。

映画の後半は、彼の視点から語られます。彼の父親は医師でとても厳格な人。同性愛嫌悪のエリート思考で噂のネイサンとも距離を置くよう息子に言います。自分の息子は「強くあるべき」と、ルイスにボクシングを教えていました。ルイスは抑圧された中で、理想の息子を必死に演じ、親公認の恋人もいました。父に認められる息子になる為、必死に本当の自分を隠してたんですねぇ。しかし、転校してきたネイサンに一目惚れ。あのパーティの日「外に出てきて、話をしよう」と呼び出したのは、ルイスの方でした。

そして、自然にキスをしたのです…が、それを陰で見ていたのが、ルイスの彼女で写真を撮ったのも彼女でした。


父やレズビアンの教師、LGBTに理解を示す教師らに支えられて、自分を認め成長していくネイサン。しかしルイスは、母が見つけた彼のPCの中の動画視聴履歴でゲイである事がバレてしまいます。父は激怒、ルイスをネグレクト状態に…


いやこの父親、何考えてんの?と怒りが湧きました。普通なら子供の心に寄り添い、1番近くで話を聞くべきなのに、突き放すんですよ‼️ムキー

ルイスは父に家に閉じ込められ、携帯もパソコンも取り上げられてしまいました。それでも「ゲイじゃない。ネイサンに無理やりやられた」と言い切るルイスはしばらくして、彼女に連絡しても良いと携帯を返されます。しかし履歴にはネイサン宛のたくさんのメッセージが…結局、嘘は全てバレてしまったんです。

そんな状況に絶望したルイスは家を抜け出し、廃ビルの屋上に…あかんあかんあかん…


そんな彼を救ったのが、ネイサンでした。



下から呼びかけるネイサンの父の言葉には耳を貸さなかったけルイスやけど、ネイサンの差し出す手は握ったのよ〜えーんえーん

それが、このシーンなんです❗️尊いキラキラキラキラ


この日ルイスは、ネイサンの家へ。

夜、眠れないルイスがネイサンの部屋へこっそりと行き、自分の話しをするシーンは、泣いちゃった。本当の自分を隠す為に演じてきた強い男のルイス。しかし初めてネイサンを見たあの日、何にも抗えない気持ちに襲われて、恋に落ちたんです。リビングに居ないルイスに気付いたネイサンの父が、ネイサンの部屋で仲良く抱き合い眠る姿を見て、愛し合う事が何故いけないと思ったのか?を自問します。



次の日の朝、見つめ合う2人がもう…えーん

ルイスもやっと、ネイサンへの気持ちを再確認したんですね。

しかしまだ、ルイスと彼の父親との関係は終わってません。迎えにきた父に連れ戻されたルイスは、部屋に閉じ込められました。母はこれまで父の言いなりやったんですが、ネイサンの父と話した事で、こんなやり方は間違ってると、子供たちを連れて家を出ました。


離れ離れになったネイサンとルイス。

しかし、ルイスのボクシングの試合があって2人は再会。駅で人目も憚らず抱き合い「会いたかった」と告げる2人を、周りの大人は好奇の目で見ます。しかしもう、そんな目も怖くないのよ‼️優しく見守る親がいるからね。強くなれるのキラキラ


ルイスは試合が近付くにつれ、戦う意味を見失ってました。元々は父親に認められたいと思って頑張ってた訳だから、父の居ない今は「戦う意味が分からない」んです。



そんな彼に、ネイサンの父が声をかけました。


リングに上がったルイスは、1ラウンドは不甲斐ない試合でしたが、こっそり見に来ていた父を見つけると力が湧き、試合に勝つ事ができました。

試合後、父を追いかけて「一緒に住もう」と言うルイスでしたが、父は返事をせずにその場から帰って行きました…


ラストシーンが唐突で「えっ?終わり?」って思ったんですけど、まぁ人の心ってそう簡単には変わらないし、ルイスの父親としての気持ちも分からなくはないので、こんな風に先を視聴者に委ねるのもありかな?って感じました。


ネイサンを演じるBerenger Anceauxくんは、1995年生まれのこの時20歳くらい。



キャリアはよく分からないんで、ご存じの方教えて下さいチュー


ルイスを演じたのはジュール・ウプランくん。



1999年生まれ、この映画の時は何と17歳❗️いやぁ、イケメンですね💓

若手イケメン俳優として、キャリアを積んでいるようです。



どちらの作品も、同性愛嫌悪での暴力や差別や無理解が描かれてますが、そんな中でも主人公達は、何とか前向きに生きる術を見つけていました。


『Giant Little Once』が制作されたカナダは2005年、『秘密のキス』が制作されたフランスは2013年にそれぞれ同性婚が認められた国です。

だから既に映画公開の時は、法整備されていたんですよね。

それでもこんな「カミングオブエイジ」の作品には、まだまだ描かれる暴力的差別。日本なんかまだ議論してるんですよ❗️



映画の主人公達のような当事者である若者たちが、差別や暴力にあわない世界に早くなって欲しいですね。




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