『絶愛』を語るブログに、沢山の方が「懐かしい」「大好きでした」などの反響を頂いて、冬夢自身もすっごく嬉しかったです。



実家から、続編の『BRONZE』も持って帰ってきてたので、こちらも語らせて❗️と思っていたのですが…


『絶愛』全5巻に対して、『BRONZE』全14巻‼️


しかも実は冬夢、この後に出版された「最終章」なるものを読んでないんですチーンチーン



いやマジで、今更ポチろうか…と何度も考えました。


でもね…

冬夢の『BRONZE』はあくまでもこの14巻までって思ってたから、語るのは14巻までにしました。この後、ポチって読むかもしれませんがねニヤニヤ




絶愛は南條晃司の目線で描かれているのに対し、BRONZEはどちらかと言えば泉拓人の目線で描かれています。


そしてそのストーリーの中心には、南條家の愛憎があります。


いやもうね、「犬神家の一族」か⁉️

って突っ込みたくなる程の家族なんですゲロー


しかも、コミック一冊に一度は信じられない程の悲劇が主人公2人を襲うんですよ!💀



南條家の兄弟


南條 広瀬:南條家の長男。真陰流宗家を継ぐ者として父から帝王学を叩き込まれた。父の愛情を一身に受けていたが、晃司が引き取られてから、立場は一変する。


南條 秋人:南條家の次男。広瀬を盲目的に慕っている。父には見向きもされず、母からは見捨てられ家族愛に飢えている。晃司に恋人を取られた過去があり、彼を憎んでいる。


南條 晃司:南條家の三男。とにかく容姿端麗、何しても天才的な才能を持つ。


三兄弟は、いずれも母親が違います。父は自己の素質を継ぐ優秀な跡取りの為、沢山の女性達に自分の子を産ませるという、ある意味クレイジーな男。そんな父親の犠牲になったと言ってもいい、この3兄弟が骨肉の争いを繰り広げて、悲劇へと突っ走るんです。



1〜4巻


●泉がイタリアへ研修に行く日、彼を追いかけて空港へ行く途中、晃司がバイクで大事故を起こし、意識不明になります。

この前夜、2人は求め合い癒し合い満たされる時間を過ごしたのに…

●帰国した泉は、自分を責めながら晃司の側で過ごすのですが、目覚めた晃司は歌手の命である声を失っていました。

●南條の父が亡くなり、遺言には会社は広瀬が、秋人にはその補佐を、晃司に真陰流第13代目宗家を継がせる、とあった事から晃司は秋人から更に憎まれる事になりました。しかしこの後、声を取り戻す晃司。

●復活した晃司は、お金を稼ぐため仕事を再開、コンサート開催中、引退を宣言すると泉のチームメイト邦秀の彼女に切りつけられ、傷を負います。

●広瀬は、晃司を逆恨みする邦秀に近付き、法外な取引を持ちかけました。


「泉を抱け」



5〜9巻

●邦秀は泉への罪悪感から失敗、しかし広瀬自ら手を下します。

この時、広瀬から両親の心中の真相を聞かされる泉。

●何事も無かったかのように振る舞う泉ですが、この後自ら晃司を挑発し身体を重ねました。

●広瀬から、宗家を継ぐ者が男と恋愛沙汰など許されないと言われた晃司は、驚愕の行動に‼️



利き腕である左腕を、自ら切断‼️‼️


この辺りでね、あれ?これ少女漫画やなかったって、一旦漫画から離れました。タイムリーで読んでた時は、晃司の恐ろしくなる程の泉への愛情が、痛みよりも強く感じられたんやけど、今回読み返してみると、ただただ「怖い」と感じました。年取ったな冬夢…


●晃司の痛みと覚悟を知った泉は、自分の古傷をエグって、大怪我を負います。



もうさ、韓流ヤクザ映画より血みどろよ滝汗


●傷を押して出場した最後の高校サッカー選手権で泉は、左膝前十字靭帯損傷という重傷を負ってしまいます。

●しかし、活躍が買われプロ契約した泉は、治療とリハビリの末、見事復活。晃司が建てたスタジオ兼トレーニングルーム付きの家で一緒に住むようになります。


8巻後半から9巻の終わり直前までの僅かな間が、2人が1番ラブラブな時です。泉に触れようとしない晃司と、触れられたいと願う泉がすごく切なくていじらしくて、NCシーンは泣いちゃいそうに…



10〜13巻

ここからはもう、悲劇の連鎖が連なって、ホンマに読むのがしんどいシーンばっかりチーン


●広瀬が自分の息子と泉以外に気持ちを向けなくなったと秋人は、猛烈に泉に怒りを抱きました。


この秋人、晃司が家に引き取られるまで、広瀬の籠の元、厳しい父に耐えていたので、彼にとって異母兄の広瀬が、自分の世界の全てでした。

冬夢的に、この秋人と広瀬の関係が昔から好きでねぇ。特殊な関係やし、支配する支配される者って究極やと思うねん。


●秋人は常軌を逸して、晃司の誕生日プレゼントを買いに出た泉を、車で襲いました。

泉は脊髄を損傷、一生を車椅子生活だと告げられます。

●方や秋人は、幼児後退していて広瀬との楽しかった思い出の中に生きていました。

●広瀬が唯一、心を許し本音を言える相手が1人だけいます。それが護衛で秘書でもある倉内。

この倉内も広瀬に対して、複雑な感情を抱いていて、冬夢的に好きなキャラの1人。

●病院で晃司は一度、サッカーの出来なくなった泉を殺そうとしましたが出来ませんでした。目覚めた泉は現実を受け止めきれず、晃司を求めます。もうここは泣けて泣けて…えーん

●泉は、何とか膝から上までの機能は回復しますが、膝下は麻痺が残っていました。

●一方の秋人は退院しましたが、未だ幼児の記憶のまま。実は広瀬は秋人が演じていると気付いていますが、好きにさせていました。秋人は「俺だけのお兄ちゃん、誰にも触らせない」と倉内にも敵意剥き出しでした。秋人、実は割と好き…にやり

●渋谷の好意で、泉の機能回復の為有名な医師のいるアメリカへ渡ることを決めた2人は、最後に墓参りに出かけます。その時初めて泉は、「何で俺の足なんだよ、何で俺は生きてんだよ❗️」と感情を爆発させましたえーん

晃司はフィールドに立つ泉が、自分のもので無くなってしまう事にずっと恐れを抱いてました。歩けなくなった泉が、自分だけのものになった事を喜んでいたのかも…

「サッカーなんか忘れちまえ!俺だけの為に生きろ!」


●晃司は渋谷の電話を立ち聞きして、事故が秋人の仕業だと知り、自分さえ居なければ泉はこんな悲劇に合わなかったと苦悩します。

●アメリカに来て一見、何事もないように日々は過ぎますが、お互いに居心地の悪さを感じていて、ある日泉は生きてる証が欲しいと晃司に「自分を抱け」と命令。酷く扱われ痛みを感じる事を欲する泉に、晃司は利用されているのだと絶望します。


この後、これ少女漫画やで?って突っ込みたくなるくらいのセックスシーンが描かれてます。晃司は箍が外れたかのように泉に暴力を振るい、言葉でも痛めつけるんです。「もうウザい、お前なんか要らない、飽きた」って…

違うのに、全く違うのに、泉の為に…えーん


●そのまま晃司は泉の前から姿を消してしまいます。泉は怪我を負い入院しました。俺が晃司を追い詰めた、と彼もまた自分を責めていました。

●居場所の分からない晃司でしたが、ある場末のバーで泉の担当医師緋奈にたまたま見つかってしまいます。南條晃司という人間を捨てようとしている晃司に「死なずに死ぬ方法」を持ちかけました。

この先生、可愛い顔して実は悪い世界の人やねんな。

●晃司を失ったと思った泉は絶望感から、自ら首を切り自殺を図りますが、渋谷が見つけ助かりました。しかし晃司と接触している緋奈は泉が自殺した、と嘘を付きそれを信じない晃司を日本へ不法入国させます。ホンマにこの先生、スゴ過ぎんねん!


●一方、秋人は広瀬への執着をますます募らせ、いつ何時も離れず、夜は手足を縛り自分の側に寝かせていました。

もはや、少女漫画のシチュエーションやないな。

●違法帰国し、泉の死を確認する為に墓地に向かった晃司。そこで渋谷に会いますが無視されます。自分のせいで泉を死に追いやったと思った晃司は、元凶である南條家へ向かいました。


ここからは多分、BRONZE史上最も激しくて辛くて痛いシーンです‼️


晃司は秋人に殺される為に現れました。秋人もそれを分かっていて、それでも憎しみからの殺意は抑えられません。日本刀を振り翳し、晃司の肉体を切り刻む秋人。

この時晃司は、側にいた広瀬に、父の愛情を晃司に取られた時、プライドを捨てきれず父に縋り付けなかったと罵り、秋人を煽りました。


広瀬と秋人と晃司。

冬夢には、皆んな真実の愛に飢えてる、と感じられてそれぞれが可哀想だなって思ってます。

広瀬は既に「自己を殺して」生きています。自分らしく生きた事がない。

秋人は、広瀬といる時だけ、自分の生きている価値を見出せた。

晃司は泉と出会って、初めて生まれてきて良かったと思えた…


秋人は、晃司の持つ日本刀を蹴り上げ、自らの心臓に突き刺したのでした。

秋人の本当の企みは、晃司を殺人犯として一生刑務所に閉じ込める事だったんです。


晃司は、実の兄を殺した容疑でマスコミと警察に追われる身に。

一方の泉は、アメリカから帰国して来ます。泉が生きていた、と知った晃司は、彼に会いに空港へ行くのです。



14巻

南條家の悲劇の原点は、晃司の父・龍一郎の弟・漱志の存在でした。

●漱志は龍一郎を愛し、彼の側に居られるだけで良かった。剣には執着していなかったが、龍一郎は剣に人生を捧げているような人間。彼の側にいるには、彼に並べる剣の腕が必要でした。しかし、その剣の腕は遥かに漱志の方が上で、龍一郎は彼を疎むように。漱志は兄の心を繋ぎ止める為、真剣勝負を挑み、自ら左腕を切り落とされたのでした。

いやぁ、晃司と全く同じ事をした「叔父さん」がいたとは…ここでそんな人が出てきたら、これは一生物語は終わらないよな、って思わされましたね。

●事件のせいで家を出て放浪していた漱志を「拾った」のが緋奈でした。彼もまた、超が付く天才が故に、両親や周りの人間から孤立、愛を知らない人間でした。そんな緋奈もたま、広瀬を崇拝していて、漱志を囲い続けていました。

もう韓流ドラマを軽く超えたね…人間関係が複雑過ぎる!

●緋奈が死んだとのニュース、そして晃司の事件がことごとく握り潰され、渋谷グループが壊滅の危機に落とし入れられた事で、泉と渋谷、高坂は南條家に乗り込みました。そこで待ち構えていたのは広瀬、そして死んだ事になっていた緋奈、薬を盛られ意識朦朧とした晃司でした。

●驚き戸惑う渋谷達、しかし泉は…



「大丈夫だ晃司、これからは俺がお前を守る」

えーんえーんえーんえーんえーんえーんえーんえーん


●更に緋奈は、漱志も連れてきていました。ここで漱志が兄・龍一郎が隠していた遺言書と短剣を見つけます。


そして…

緋奈は漱志にその短剣で刺され、漱志も自らの首を切って自殺するのでした。


全ての悪の輪廻を断ち切ろうとした漱志の行動。瀕死の緋奈は最後に愛しい広瀬を呼びます。近付いた広瀬に自分と同じ傷を負わせる緋奈。広瀬を守ろうとした倉内が銃で緋奈を撃ちました。


晃司と泉は、この時を「希望への脱出」だと受け止めて、この家を出ます。




ここで、14巻は終わっています。

尾崎先生も後書きで仰っていますが、この作品に終わりは無いんです。ずっと彼らは生き続けている。

何度も休載を繰り返して、ここまできた晃司と泉。

こんなにも、男×男の関係が描かれてる少女漫画って、もう少女漫画やないかもしれない。



冬夢は、この後の2人の人生が幸せであれってずっと思ってました。そして今回、読み返してみても感想は同じ。

何も終わってはいなけど、想像する事は出来ます。


最後の方は、絵柄も濃くて絶愛の晃司と泉じゃ無くなってるのが、年月を感じますね。



それにしても、疲れた…

年取ると、あんまり激しい内容のストーリーは、受け止めきれないんやなぁ、とたそがれてしまいましたぁ。


でもやっぱり、大好きな作品です❤️