日本公開は翌年、1997年。(邦題は、リリーズ百合の伝説 シモンとヴァリエ)
こちら、原作はミシェル・マーク・ブシャルドの戯曲。
という事で、舞台の為に書かれた脚本みたいなんです。
実は私の初見は、「劇団スタジオライフ」の舞台。
この原作自体が、刑務所に収監されている囚人たちが、告解に訪れた司教に、彼の若き日の過ちを演じて見せる、という内容なので、もちろん女性はいない、だから女性役も当然、囚人である男性が演じるので、この男版宝塚の演劇集団「スタジオライフ」には、ぴったりの演目でした。(スタジオライフについては、いつか書きたいと思うのでここでは詳細は書きません)
カナダのある町、シモンとヴァリエという青年は毎年演じられる『聖セバスチャンの殉教』の演技を練習しています。
(弓を背負ってるのがヴァリエ、木に縛られているのがシモン)
この2人、愛し合っているカップルなんですよね。
そこへシモンをひっそり愛しているビロドーがやってきて、ふしだらな演目は禁止だ、神が許さないと、叫びます。
神のキスを受けてみろ、とビロドーを木に縛り無理やりキスするシモン。
ビロドーは、神父になるため、神学校へシモンと行くことを望んでいます。同性愛が禁止されている世界で、悶々としています。
好きな人からのキスなのに、受け入れがたい屈辱と戦う、やりきれない思いのビロドー。
「神よ、彼をお救いください。私に彼をお与えください」
そんな時、貴族でセレブなリディアンヌの家族が町を訪れます。
ヴァリエの母は、没落貴族で夫に捨てられた元貴族婦人。
パリに行き、いつまでたっても帰ってこない夫の話をリディアンヌ達に聞いたり話したりします。
あばら家に住み、湖でガイドの仕事をしている息子ヴァリエの苦労も知らずに、虚言を重ねる母。
厳格なシモンの父に、ヴァリエの母は悪気無く、ビロドーへのシモンの演技を話してしまったせいで、シモンは父から酷い折檻を受けます。
ヴァリエから、離れなければ、と誓うシモン。
リディアンヌとの距離を近め、婚約してしまいます。
ここからが、本当の悲劇の始まり…
次のブログに、続きます。(その2へ)