去ってしまった風が
遠い山を駆けている

また会いたいと願うけど
願うのは
わたしばかりか

この心あなたに寄り添わせて
ふたり目を閉じ
夢を見たいと願う

それは彼方を行く
風のようで
いま、ひとり思っている

また会いたいと
手紙を記してみても
出すあてをなくして

ちいさな小瓶に入れて
宝物にしてしまった

遠い山を駆けている
風が花のような寒さを
連れてくるから

ぎゅっと
握りしめてる


20190701